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元CAが伝えるホスピタリティの極意で、お客様も自分も笑顔の「人財」育成

「ホスピタリティ」を軸にした接遇マナーのプロ

長澤さおり

長澤さん
講義風景①

#chapter1

ホスピタリティマインドを伝え、お客様、患者様満足度に貢献

 自然な所作の端々に感じられる立ち居振る舞いの美しさ、相手を包み込むような笑顔…。「ホスピタリティ&マナー・ラボ」(岡山県岡山市北区久米)を主宰する代表の長澤さおりさんは、「ホスピタリティ」をテーマに、岡山県や中国・四国を中心に、企業の新入社員教育や医療従事者、サービス従事者の接遇などの研修や講演会等を行っています。

 「『ホスピタリティ』とは『おもてなし』と訳される場合が多く説明もしやすいのですが、こちらから『おもてなし』や『思いやり』の心、すなわち「ホスピタリティマインド」を意識してお客様や社員、同僚などに接することで、その人の存在を認めることが大切だと考えています。そして、何を求められているのかを察知して応対するから、喜ばれる。喜ばれると自分もやりがいにつながっていく。自分の成長につながる…。こうした好循環をイメージして『ホスピタリティ』と表現しています」と長澤さんは話します。

 そして大切なのは、気づくだけではなく、行動を起こすことだともいいます。「研修では『ほめほめワーク』といい、『いつも信頼しています』『笑顔がいいですね』というように、相手のいいところを見つけ、気づいたことを言語にしたり行動化したりするところまでロールプレイやワークを行っています。研修やセミナーを通じて『ホスピタリティ』の極意をつかんでいただくことで、相手も自分も喜びを感じ、笑顔や働きがいといった満足度につながるいいスパイラルが生まれます」と「ホスピタリティマインド」がもたらす好循環について意欲的に語ります。

#chapter2

キャビンアテンダントとしての経験が、活動の原点

 「大切なのは自分で気づくこと。自分で気づくと行動が変わります。そのためには、チャレンジを恐れず行動化すること、一歩踏み込むことが必要です」と話す長澤さん。こうした考え方や思いは、元全日本空輸(ANA)のCAとしての長年の経験に基づいて培ってきたからです。

 名古屋市出身の長澤さんは、1993年に大学を卒業後、ANAに入社。国際線・国内線客室乗務員として国内外40都市へのフライトを経験してきました。入社3年目から全クルーを統括マネジメントするチーフパーサー業務を任命され、そのかたわら新人CAのインストラクターとして指導、育成も手掛けるなど、接客・接遇・育成・チームマネジメントの実績を重ねてきたそうです。

 「お客様は観光や慶事、弔事などさまざまな状況で搭乗されています。そのお一人お一人に関心を寄せ、ニーズやお気持ちを察して行動することを日々の業務で学びました。在職中はバブル崩壊後や湾岸戦争の余波などがありANAは苦境に陥った時期でしたが、クルー同士も互いを思いやり認め合うというホスピタリティ風土があったことが、今のベースになっているのだと思います」と振り返ります。

 2002年に退職以降は6年間専業主婦として子育てに専念し、ANA時代の同僚の会社に招かれて接遇マナー講師として活躍しました。その後、実家のある岡山県に転居し、2016年1月に「ホスピタリティ&マナー・ラボ」を起業。現在は、一般企業や銀行、医療機関、専門学校、商工会議所などの社員やスタッフ、学生を対象に研修やセミナー、講演会を多数行っています。

講義風景②

#chapter3

サービスの健康診断、オーダーメイド研修で「気づき」を引き出す

 長澤さんの研修では、「顧客に最高のホスピタリティを伝え、顧客応対力を向上させて差別化を図りたい」「経営陣が直接指摘すると、関係性の悪化や離職につながりそうで不安」などという悩みを抱えている法人に対し、サービス品質調査(覆面調査)を行っています。接客のプロである長澤さんが実際に覆面で現場を訪れ、顧客視点の客観性の高い調査を行うという、いわば「サービスの健康診断」。

 調査結果を点数化することで課題を明確にし、点数の根拠を文章にして明示するため理解がしやすいのが利点だといいます。それにより、どのような応対をすれば顧客サービスがよくなるのかという行動を示すこともできるといいます。「できていない点を指摘するばかりではなく、良い点をしっかり評価することで、社員・職員のモチベーションアップや社員間でのホスピタリティが高まる結果につながるのです」と長澤さん。希望があれば、現場でのウイークポイントを重点的にカリキュラムに組み込み、しっかり習得できるようプログラムしたフィードバック研修も実施。好評を得ているそうです。

 このような研修に加え、怒りの感情コントロール方法「アンガーマネジメント」なども取り入れている長澤さん。「これらの研修を通じて、企業や病院、サロン等のお客様、患者様の満足度向上を目指しています。思いやりやもてなしの心を持ち、働く喜びを感じられる『人財』を育成することでモチベーションアップし、イキイキ働ける「組織創り」につなげられれば」と呼びかけています。
(2021年5月取材)

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ホスピタリティ&マナー・ラボ

元CA(キャビンアテンダント)の「おもてなし接客マナーを伝え、お客様、患者様満足度の向上を目指します。スタッフが働く喜びを感じられる「人財」となり、イキイキ元気に働ける「組織創り」へとつなげます。

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