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依頼主へのヒアリングを通じて、予算内で満足度の高いリフォームを提案

ちょっとした“家の困りごと”を相談できるリフォームのプロ

小籔純平

小籔純平 こやぶじゅんぺい
小籔純平 こやぶじゅんぺい

#chapter1

工事のメリットやデメリットも伝え、誠実に向き合うことを大切

 テレワークが推奨されるなど家で過ごす時間が長くなり、住空間について考える機会が増えました。リフォームと聞くと、テレビ番組や雑誌などで紹介される家全体を改築する大規模工事を想像するかもしれませんが、簡単な改修工事を行うリフォームもあります。

 「あまりにも高額だと構えてしまいますが、数万円から100万円前後なら検討したいとう方もいらっしゃるでしょう。弊社が提案したいのは、背伸びをしない現実的なリフォームです」と語るのは、「アイム・トエンティファースト」(岡山県岡山市南区平福)でリフォーム事業を手掛ける取締役の小籔純平さん。

 「デザインにこったり、ワンランク上の設備をおすすめしたりするのではなく、お客さまがどのような不便を感じ、どういう暮らしをしたいかをじっくりうかがい、専門的な視点から予算内でできることを熟慮し、優先順位を明確にします」

 小籔さんが理想としているのは、業者が一方的に決めつけた工事をするのではなく、依頼主と対話をしながら進めるスタイルです。

 「例えば、リビングを広げると開放感はあるけれど空調がききにくくなる、住宅設備は価格によって耐用年数に差があるなどメリットとデメリットを包み隠さずお話しするようにしています。浴槽などを入れ替える時はショールームに同行してくどいと思われるほど説明します」

 コミュニケーションにこだわるのは、工事が終わった後に「聞いていない」「イメージと違う」といった不満につながるのを避けるためです。「派手な工事をするわけではないですが、事実を伝え誠実に対応するやり方が間違っていない」と自信をのぞかせます。

#chapter2

小さなリフォーム依頼にもフットワーク軽く対応

 アイム・トエンティファーストは、小籔さんの父親が洋服の輸入販売をするために1990年に設立した会社です。仕事関係者から、輸入住宅をやってほしいと依頼されたのをきっかけに建築事業をスタート。20年ほど前から建築士の資格を持つ小籔さんが、リフォーム事業を手掛けるようになりました。

 「既成産業である建設業に新規参入したので、同じようにやっても勝ち目はありません。昔ながらの良い面は取り入れ、改善すべき慣習は見直して、新しい会社だからできることにチャレンジしていきたいですね」

 新築工事は大手建築会社などの信用力がものを言いますが、依頼主のニーズに柔軟に対応するリフォームは、小回りが利く小規模の会社が力を発揮するといいます。小籔さんは車で2時間近くかかる地域で、ウッドデッキの板を数枚張り替えてほしいという依頼にもフットワークよく応じています。

 「営業と現場、それぞれ別の人が担当する会社だと情報が共有されず、お客さまの要望などがきちんと反映されない場合があります。弊社は私が相談を受け、設計、施工管理と全て責任を持つので、『打ち合わせ通りに仕上がっていない』といった問題が起きるのを防ぐことができます」

 工事最終日にあいさつをすると、依頼主から「きれいになった」という感謝の言葉とともに「明日から会えないのは寂しくなる」と言われるのが何よりうれしいとか。

 「家は一生ものです。お客さまが毎日暮らす場所に手を入れるのですから、信頼関係がないと成り立ちません」

小籔純平 こやぶじゅんぺい

#chapter3

便利さが全てではない。住む人が愛着を持てる家づくり

 小籔さんは現在の家の建て方に「将来のことを考えていない設計が多い」と不満をこぼします。例えば、配管や配線などを壁の中に隠すので、見栄えはよくスッキリしますが今後修理が必要になった時に壁を壊さなくてはいけません。そこで、先々のメンテナンスを視野に入れたリフォームを心がけています。

 さらに、住む人の思い出は大切に扱うべきという、リフォームならではのバランス感覚を持ち合わせる重要性も感じています。

 「撤去した方がいいような汚れた天井でも、小さい頃からいつも眺めていた懐かしい光景というケースもあります。何でも新しくすればよいわけではないので、見極めが求められます」

 また高齢になった両親のために、オールバリアフリーやオール電化住宅にしたいという相談があった場合、トラブルなく生活できているのであれば、手すりをつけるなどの簡易な工事で様子を見てはどうかと提案するそうです。なぜなら、高齢者は長年住んだ家に体がなじみ、毎日の動作が適度な刺激になっていることがあるからです。

 「できるだけ便利で快適にという流れがありますが、本当にそれが正解かどうか立ち止まって考えます。利便性だけでなく、情緒面に配慮する業者がいてもよいのではないでしょうか」

 小籔さんが目指すのは、家の困ったことを気楽に相談できる「町のリフォーム屋」。大掛かりなリフォームとは違う、住む人の目線に合わせた親身なアドバイスを聞くことができそうです。

(取材年月:2021年7月)

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専門家プロフィール

小籔純平

ちょっとした“家の困りごと”を相談できるリフォームのプロ

小籔純平プロ

建築士

株式会社アイム・トエンティファースト

建築士の資格を有し、調査診断から設計、現場管理まで責任を持って対応できるのが特徴。専門知識に基づき、予算内でできるリフォームのメリットとデメリットを説明し、依頼主と共に作り上げるスタイルを重視

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