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特許取得から知的財産を踏まえた会社経営までを、幅広くサポート

特許出願から知的財産に関するアドバイスまで、知財のプロ

加島広基

加島広基 かしまひろもと
加島広基 かしまひろもと

#chapter1

「知的財産ってどんなこと?」から優しくレクチャー

 「知的財産」という言葉を聞いたことがありますか? 略して「知財」も呼ばれる大切な財産なのですが、あまり知られていない、または、知っていても面倒臭そうと思っている方も多いかもしれません。
 例えば、商品製造のノウハウ、営業リストなど、誰かが外部に持ち出すと問題になるものも知財です。「秘密にしたいもの、ライバル会社に奪われると損をしたり、自社に不利益が出るものを管理することを“知的財産を守る”と言います。広い意味でいうと、世の中のあらゆる情報を管理することになりますが、その中でも特許庁に申請(出願)することにより権利を得られるものとして特許、意匠(デザイン)、商標があります」と教えてくれたのは、弁理士の加島広基さん。

 「弁理士」という仕事も聞きなれないかもしれませんが、実は毎年の合格率が10%にも満たない最難関レベルの国家資格なんです。
 弁理士の主な仕事は、知的財産を守るために各種の権利を特許庁に申請すること。特許や意匠、商標の権利を特許庁に認めてもらうために、書類を揃えて申請し、依頼者の代わりに特許を代行して取得してくれます。というと、「難しくて自分とは関係なさそう」と思ってしまいますが、加島さんは知的財産についてのアドバイスや、「そもそも知的財産ってどんなこと?」というところから分かりやすく説明してくれる、知財のアドバイザーとしても活躍しています。

#chapter2

発明者から弁理士となり、海外でも活躍

 出身は、兵庫県神戸市。灘中学校、高校と進み、東京大学へ入学しました。大学では「下水処理場から出た水が、どういう風に処理されていくのか」という、水質調査や研究などを行っていたそうですが、就職した『株式会社クボタ』では、実際に機械を触ったり、新しい機械の開発に携わることになります。
 「実際に工具箱を持って現場に出て、機械を分解したり組み立てたり。仕事の中で、機械の知識を得ていきました」。様々な研究開発に関わる中で、自身が発明者となることも。自分が書いた発明提案書を元に、外部の特許事務所の弁理士と打ち合わせをする機会も増えたそうです。それまでは、加島さん自身も弁理士の存在を知らなかったそうですが、「アイデアや発明を聞いて文章にして、権利にする。知財を取り扱う仕事に魅力的に感じました。自分が発明者として弁理士さんと接する中で、『頭がキレる人だな。かっこいいな』という憧れを持ったのが、弁理士の道を目指した一つのきっかけなんです」と、加島さん。

 その後『クボタ』辞め、小さな特許事務所で修行をしながら弁理士資格を取得し、大手特許法律事務所に入ります。そこでは国内の有名企業を担当し、日本だけでなく海外での特許取得についても幅広く経験と実績を積み、8年前、前職の同僚と2人で、東京都に『マクスウェル国際特許事務所』を開きました。
 大分と関わるようになったのは5年ほど前。日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、中国などのアジア圏での特許取得も得意としている実績や豊富な人脈を買われ、県内でも知財について先進的な企業である『株式会社トライテック』の国際特許取得に関わったことがきっかけでした。現在でも、『株式会社トライテック』の知財戦略は加島さんに一任されています。

加島広基 かしまひろもと

#chapter3

大分で、知財に困っている会社をサポートしたい!

 そんな加島さんが、2020年1月、大分市内に『インキュラボ』を開設。それまでも、企業の相談やセミナーなどで度々訪れていましたが、「中小企業さんやベンチャーの方など、大分にはまだまだ知財で困っている方がいらっしゃるので、本格的にサポートできれば」と、大分にも拠点を置くことになりました。
 最近では中小企業でも、ライバル会社や、思わぬ競合相手から、特許を侵害したという警告状が送られる事例が増えています。大手企業からの下請けの仕事で、知らず知らずのうちに不利な契約を結ばされていることも。知財を管理できていれば、未然に防げることも多いんです。「製品開発の分野では、権利をとっていなければ、コピー商品が出たり、技術を真似された時にも手を打てないんですよ」。

 そんな時に頼りになるのが、自身も発明者としての経験を持ち、大手特許事務所で豊富な実績や経験を積んでいる加島さんのような弁理士の存在。海外での経験も多く人脈も豊富なため、「海外に進出したい」という時にも心強い存在です。
 加島さんの場合は、「権利取得」だけにこだわる弁理士ではないことも、大きな魅力。「権利がとれればいい。ではなく、知財や権利を踏まえてビジネスをどう組み立てていくかを、クライアントさんと一緒に考えていきたいと思っています」。実際にベンチャー企業については、「どうやってビジネスを作っていくのか」というところから、一緒に考えていくこともあるそうです。
 「あれ?うちの会社の知財ってどうなっているんだっけ?」と思ったあなた、まずは加島さんに相談してみては?

(取材年月:2020年11月)

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加島広基

特許出願から知的財産に関するアドバイスまで、知財のプロ

加島広基プロ

弁理士

INCULABO(インキュラボ)

知的財産権(特許、意匠、商標)の申請(出願)だけでなく、知的財産を活用したビジネスの組み立てまで幅広くサポート。「知財は予防医療」とも言われています。ぜひ、ピンチが訪れる前にご相談ください。

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