子育て世帯のセーフティーネットをめざすシッター派遣のプロ
花田亜弥
Mybestpro Interview
子育て世帯のセーフティーネットをめざすシッター派遣のプロ
花田亜弥
#chapter1
「育児中は、お子さんが体調を崩すことがありますし、お母さんが小休止したいこともあるでしょう。私どもは、可能な限り依頼を断らないことをモットーに、24時間365日体制でご訪問し、お子さんのお世話をいたします」
そう語るのは、「Bambitz(バンビッツ)」の代表・花田亜弥さん。大分県別府市を拠点にベビー・キッズシッターの派遣事業を営み、2023年には福岡県に2店舗目を出店しました。
「対象は生後半年から小学6年生まで。朝6時に『発熱した子どもの看病をしてもらえませんか』と電話が入ったときも、家を飛び出すように利用者さまのご自宅に駆けつけます」と花田さん。併せて家事代行業も展開しています。
「キッチン・バス・トイレと水回りをきれいにする定期プラン、お部屋の片付けや庭の草取りといった単発プランのほか、洗濯やアイロンがけ、換気扇・エアコンの掃除などオプションも用意しています」
子育て世帯の力になるため業務を拡充し、第2子以降を出産するにあたり「留守をお願いしたい」との声にも応えます。
「旦那さんが休みを取れず、両家のご両親も仕事をしている場合などは、頼みにくいこともありますよね。お母さんの入院中、上のお子さんをご自宅で見守ります。ずっとそばにいたママがいなくなることは心もとなく、戸惑いもありますから、せめて場所は変えずに日常を過ごせるよう寄り添います」
インフラサービスとして、シッター事業が生活に根差すことを目指す花田さん。経営者に向けて、会社の福利厚生として導入することも提案しています。
#chapter2
自動車メーカーに勤めていた花田さんが、シングルマザーとなり転職先に選んだのは保育施設を運営する企業。シッター事業も立ち上がりますが、条件が厳しく利用数は伸びなかったと言います。
「先生や子どもがたくさん集う園と異なり、1対1で向き合い密室性が高い点が懸念されていた上、いつ依頼が入るかわからないので人員を確保する難しさもあります。企業的にも積極的に稼働させるつもりはなかったのでしょうね」
施設長になった花田さんがシッター事業を見直したところ、利用者は増加。同時に自問自答することもあったそうです。
「例えば料金が1時間1500円だとして、時給1500円で働く人が活用するでしょうか。金銭的に負担が大きいと、ひとり親世帯、非課税世帯の方々にとってシッターは選択肢にすら入らないのです。配慮が求められる人たちに、援護の手が届いていない状況に歯がゆさを感じました」
まずは社会を変えるべきだと志を立て、「Bambitz」を創業。行政に提案を続け、別府市子育て世帯訪問家事・育児支援事業に参入することが決定しました。心身的な理由で子育てや日々の暮らしに不安を抱える家庭や、家族を介護する若者・ヤングケアラーの家庭に支援員を派遣して悩みを聞き取り、生活面を支えます。
「地域のセーフティーネットのような役割を果たしていきたいので、産前に安静にしたい、産後にゆっくり体を休めたい、忙しくて家の用事をする暇がないという時も、私たちを遠慮なく頼ってほしいですね」
#chapter3
花田さんは親子をサポートする上で、子どもが「楽しかった!」と思える時間を提供することを何より重視しています。
「シッターを利用する際、親御さんは少なからず申し訳なさがありますから、寂しいなんて感じる暇も与えないくらい、楽しい記憶で埋め尽くすことを心掛けています。帰宅された際に、わが子の晴れやかな表情を見て気持ちを軽くしていただければうれしいですね」
訪問時には、工作や絵本の読み聞かせなど、保育のプロならではの取り組みで満足感を引き出します。
「子どもの成長には愛情が不可欠ですが、出どころは親だけである必要はないと考えています。親だって余裕のないときもあります。周囲が深く関わり『いっぱい遊んでもらった』『じっくり話を聞いてもらった』など、大切にしてもらった体験が子どもの肯定感を育むもの。そのお手伝いをさせてください」
「すべての悩みは子どもに通じる」。これは花田さんが事業を運営する中で感じることです。仕事であれ経済面であれ、親の不安は何らかの形で子どもに影響を及ぼすのだそうです。
「園の先生や友人には打ち明けられず、抱え込んでしまう親御さんは多くいらっしゃいます。私たちはいずれにも属さない、絶対的な味方ですから相談だけでも大歓迎です。親御さんの心の平穏に寄与できれば、総じてお子さんのためになりますから」
「困ったときはBambitzが来てくれる」。花田さんは地域の子育て世帯にとって、お守りのような存在になりたいと語ります。
(取材年月:2024年4月)
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Profile
子育て世帯のセーフティーネットをめざすシッター派遣のプロ
花田亜弥プロ
シッター派遣事業
株式会社Bambitz
24時間365日対応のシッター派遣サービスを提供。子どもが「楽しい!」と思えることを重視した質の高いケアを提供。また、行政事業へ参入し、心身的・経済的理由から家事・育児に不安がある家庭の支援にも注力。
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