遊び心があふれた企業PR・商品紹介映像のプロ
太田裕司
Mybestpro Interview
遊び心があふれた企業PR・商品紹介映像のプロ
太田裕司
#chapter1
「動画にちょっとした遊び心を加えることで、見る人の印象に残るコンテンツを作り上げます」と話すのは、「GREENBOW」代表の太田裕司さん。企業PRや商品説明の動画、テレビやインターネットCMなど、業種、媒体を問わず多種多様な映像作品を制作しています。
地上波テレビのキー局の番組やミュージックビデオ(MV)など、若手の頃から数多くのエンタメコンテンツを手掛けてきた太田さん。ビジネス系の映像に力を入れる現在も「堅いものを柔らかく表現する」ことを得意としています。
その作風がよく表れているのが、九州の家具卸売り会社の要望で作った海外製の椅子の販促動画。全身黒ずくめの男性がアームレストや座面調整レバーを軽やかに操作し、リビングで女性が優雅に踊りながら椅子と一緒に回転します。ナレーションは一切なく、音楽と動きのみで製品の機能性を伝えています。
「性能を説明するために字幕やナレーションに頼るものが多いと感じていて、差別化を図ろうと、あえて車輪やリクライニングの動きだけで快適さを表現しました。スタイリッシュな仕上がりをお客さまも気に入ってくださり、海外の代理店でもプロモーションに使われているそうです」
行政など公共機関の案件を請け負うことも多く、大分県の介護施設の紹介や観光振興に関する動画も制作。働く人たちの姿や、施設・設備の特性などを真摯(しんし)に語り、実演する様子を捉えたり、四季折々の繊細な風情や雄大な景観を躍動感をもって描き出したり。さまざまな角度からアイデアを出し、満足度の高い作品を提供しています。
#chapter2
「小学4年生のとき、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』を観たことがこの業界に入ったきっかけ。映像に衝撃を受け、映画監督になりたいという夢を追いかけるようになりました」
学生時代にスタジオでアルバイトを重ねて制作スキルを磨いた太田さん。23歳のときに携わった大手メディアの情報番組を筆頭に、フリーランスのディレクターとして番組制作や、外資系衛星放送局(CS)のPRプロジェクトに参画しました。
「プロジェクトの上司はアメリカ人で、『番組宣伝であっても、クリエイティビティーを求めろ』と言われ、個々のクリエイターの視点や発想、方向性を尊重する姿勢に大きな影響を受けました。彼との出会いで制作に対する考え方が変わり、堅い映像にエンタメ系の要素を入れる作風が確立されたと感じています」
創造性を高め、要請を受けてMVを制作したことがきっかけで、数々の有名アーティストの作品も演出。メッセージ性のある映像で、クライアントの信頼を獲得してきた太田さんは、2011年に東京から大分県豊後高田市に移住。インターネットの環境が整い、支障なく仕事できる点が決め手となったそうです。
「移住後も、衛星放送局や大手外食チェーンのムービー制作など、東京時代から継続してご依頼いただけてとてもありがたいですね」
そして2017年に法人化。新しい地元・大分の行政や放送局からもオファーが入るようになりました。
#chapter3
太田さんがプロデューサーを務めた大分県の総合建設会社のCM。災害復旧に取り組む社員の奮闘をドキュメンタリータッチで描き、土砂崩れの再現や散水車による雨の演出など、スケールの大きい映像表現が特徴です。
「現場はキャストを入れて総勢30人と大規模な陣容で、カメラや照明などのスタッフは当方で手配しました。限られた予算でリアリティーを追求するのは大変でしたが、それだけにやりがいは大きかったですね」
メンバーと創意工夫する一方、SNSの普及により、映像制作の環境は大きく変わったと指摘します。
「YouTubeの台頭で、撮影から編集まで一人で行うケースが増えています。制作費が削減され、編集設備の縮減や閉業を余儀なくされる事業者もあるようです。映像は本来チームで作り上げるもの。ワンオペだと作品の世界が狭くなりがちです」
技術を勉強する場がないと嘆く若手の声も受け、クリエイターの交流の場をつくることを計画。別府市の商店街に事務所を借り、オフィスのほかに貸しスタジオやイベントスペースを整備しています。「共存ストアー」と名付け、太田さんらベテランが仕事についてアドバイスし、案件をシェアするコミュニティーとして育てたいと言います。
「別府はアートカルチャーが浸透しているまち。地方においてもハイクオリティーな映像が作れる環境を整えるのが目標です。今後はプロデューサーとしての役割を強め、若い人材にノウハウを提供する機会を増やしたいと考えています」
(取材年月:2025年3月)
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Profile
遊び心があふれた企業PR・商品紹介映像のプロ
太田裕司プロ
映像制作
合同会社GREENBOW
企業紹介や商品説明など、堅くなりがちなビジネス系の動画に遊び心を加えて柔らかく表現。テレビやインターネットCMなども手掛け、業種、媒体を問わず見る人の印象に残るコンテンツを作り上げます。
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