老舗写真館の技術でクオリティの高い映像制作・配信のプロ田中孝和

老舗写真館の技術でクオリティの高い映像制作・配信のプロ

田中孝和

老舗写真館の技術を引き継ぎ、映像制作会社へ転身

　長野市の篠ノ井駅から徒歩5分のところに映像制作会社ルックスはあります。120年続く写真スタジオ田中写真館の2階です。「曽祖父は新しいものが好きだったようで、明治時代に写真館を始めたそうです。私で4代目になります」と田中写真館の社長であり有限会社ルックスの社長でもある田中孝和さん。

　田中さんは高校卒業後ほかの写真スタジオで修行し、家業の写真館でカメラマンとして働いていました。当時は写真の需要は多かったそうですが、平成以降変わりゆく時代を見据えて多角的な経営を模索していたそうです。
もともと結婚式の撮影やDVD制作を行っており、映像の可能性を感じていた田中さん。一念発起して社内に映像制作部門を作り、その後独立。「最初は一人で始めましたが、今はスタッフが8人まで増えました。映像を始めてもうじき30年、メトロポリタン長野での写真スタジオも合わせて、ここまで続けて来られたのも地域の皆様のおかげです」と謙虚にほほ笑みます。

　ルックスで需要が多いのは、ステージ発表会やダンス、音楽会などの舞台撮影です。一般的にはビデオ撮影をお願いするとスタッフは一人、カメラは1台で臨むことが多い業界ですが「うちの強みは何といってもスタッフ層が厚いこと。複数人でカメラ数台を使うのでクオリティの高いメリハリのある映像が撮れるのです。長野市や千曲市など北信エリアでの仕事が多いですが、お教室の先生方の口コミで広がるらしく、山梨県や新潟県に呼ばれることもありますよ」

　また動画だけでなく同時にスナップの撮影や音声収録など、記録に関することは一括して対応しています。写真館が基礎になっている映像スタジオですので安心して依頼できますね。

大切に残したい思い出は「デジタルアーカイブ化」がおすすめ

　コロナウイルス感染症対策を機に自宅で過ごす時間を工夫したい今。大切な思い出の保存方法を検討してみるのはいかがでしょうか。ルックスでは「写真のリフォーム」「データのデジタル化」、「デジタル電子ブック」の3本柱で大事な記録を上手に残すお手伝いをしています。
「写真のリフォーム」は色が褪せたり破損してしまった写真を、鮮やかに蘇らせることができます。1枚2000円からとリーズナブルです。

　また、ラジオ番組をダビングした懐かしいカセットテープや、子供の運動会などを撮影したビデオテープなど発見することもあるでしょう。当時はそれぞれ専用のプレーヤーを使って再生していましたが、今はパソコンで楽しむ時代。「データのデジタル化」ではそのようなテープを現代に対応させるサービスです。

　そして「デジタル電子ブック」とはパンフレットやカタログ、マニュアルなどをデジタル化し、インターネット経由で閲覧できるようにしたものです。
「最近では篠ノ井地区住民自治協議会さんのガイドブックや史跡マップなどを手がけました。百聞は一見に如かずです。ぜひインターネットでご覧ください」と田中さん。クライアントからは「今の時代に合っていてこれなら後世に残していける」と喜ばれるそうです。
対応している媒体は書籍、古文書、写真などの紙ベースから、8mmや35mmのネガフィルム、VHSテープやレコードなどの記録媒体まで、幅広く相談に乗れるそうです。「紙や磁気テープはどうしても劣化してしまいます。カビなどで切れてしまわないうちに再現性の高いデジタル化をおすすめします」

時代を見据えてインターネットライブ配信にも対応

　日頃はホテルメトロポリタンでの撮影スタッフも含め、社員と積極的にコミュニケーションをとるように努めている田中さん。現場のムードメーカーで親しみやすい社長さんのようです。ブライダル、入学式、卒業式から家族撮影、七五三、成人式など人生の節目に記録する仕事として、「お客さまの立場に立って、喜んでもらえるにはどうしたらいいか。当たり前の喜びではなく、感動してもらえる仕事を常にチームで考えています」

　日々学んでいく気持ちを忘れず新しい技術にアンテナを張っているルックスでは、田中さんが新しい機材が好きなこともあり、今は4K映像に対応しています。「新しい技術を取り入れるのは、最初はノウハウがなく苦労します。大変だけどそれが楽しくもあります」とやりがいについて話してくれました。田中さんのYouTubeチャンネルでは、篠ノ井地区の民話が紙芝居風の動画で観られるので、チェックしてみてください。

　最近では社会の要望にこたえようとインターネットによる生中継（ライブ配信）を始めました。早速幼稚園の卒園式の生中継を企画しました。“笑顔は一日の原動力”をモットーに、これからも新しい分野に飛び込んでいきます。「映像は受け手にたくさんの情報を与えることができるツールです。なんでも相談してみてください。一緒にステイホームな時間を有効活用していきましょう」

（取材年月：2020年4月）

ハイクオリティな映像でインターネットライブ中継を提供

老舗写真館の技術を引き継ぎ、映像制作会社へ転身

大切に残したい思い出は「デジタルアーカイブ化」がおすすめ

時代を見据えてインターネットライブ配信にも対応

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