生活を楽しく豊かにするガーデンデザインのプロ
多田紳也
Mybestpro Interview
生活を楽しく豊かにするガーデンデザインのプロ
多田紳也
#chapter1
わが家にもすてきな庭が欲しい──そんな憧れを持つ人々の夢をかなえるため、「生活を10倍楽しくする庭づくり」をモットーに、ガーデンデザインを手がける空間設計SOBOの多田紳也さん。「お庭は毎日の生活に彩りと潤いを与え、暮らしに密着した空間です。この空間をどう生かすか。それが造園屋ではなく、土木屋さんでもない、ガーデンデザイナーとしての僕のこだわりです」
多田さんにとって庭づくりの基本は、家を中心にエクステリア、玄関アプローチ、塀などのハード(外構部分)と樹木や花壇などのソフト(植栽)のゾーン分けにあります。家のデザインと周辺環境などを考慮し、季節や数十年先を見越して、ハードとソフトをバランス良く設計しなければなりません。ガーデンの本場イギリスでは、自然の環境や素材など、さまざまな要素を組み合わせ、調和のとれた小宇宙を作り上げるガーデンデザイナーは、豊富な知識と経験を持った者でなければできないとされ、とてもリスペクトされています。
「ガーデンデザイナーが芸術家と異なるのは、そこで生活する人(お客様)をまず考えることです。お庭という空間の中でそこに住む人が生活を楽しめるような舞台づくりをする。それが、僕らの役割だと思っています」。舞台づくりの決め手となるのが「植栽です」と断言する多田さん。ハード部分はデザインがほぼ限定化され、エクステリアには流行り廃りがありますが、植物は成長し、変化していきます。「植栽を有効的に植え、配置することで暮らしの楽しさはぐんと広がります。お客様の家族とともにお庭も育つ。そういうのって、ホントいいですよね」と微笑む多田さんの表情には、庭づくりへの愛情があふれ出ています。
#chapter2
「庭は生活をより楽しく豊かにする舞台装置だ」と、多田さんは確信を持っています。なぜなら、両親が転勤族で団地住まいを何度も繰り返した少年時代、初めて庭のある家に住んだ時、芝生を引いた庭で父親と相撲を取ったり、犬と遊んだりした楽しい思い出がいつも心にあるからです。舞台装置を確実に機能させるために多田さんが一番大切にしているのは、顧客とじっくり話をすることだといいます。
「お客様の考え方やライフスタイルを知らなければ、その方やご家族の生活に合った空間づくりなどできません。僕らが勝手にこうかな、ああかなと思っても、お客様がどう感じるかがすべてですから。そして、実はお客様のおっしゃることが一番勉強になるんですよ。教えていただくものもたくさんあります。それが引き出しとしてストックされ、再びお客様にフィードバックできるんです」
空間設計SOBO開設から9年、施工実績600以上の庭と関わってきた多田さん。数多くの経験に裏打ちされた引き出しから、顧客の要望に応えるデザインを描き、世界にひとつだけの庭をつくる。まるでドラえもんの四次元ポケットのように、多田さんの引き出しには、顧客の夢をかなえ「生活を10倍楽しくする」アイデアが詰まっているのです。
#chapter3
奈良県生まれの多田さんは、信州大学を卒業後、大阪で広告代理店の営業をしていましたが、自然や山に誘われ信州にIターン。インテリア会社勤務をきっかけにガーデンの世界へと。2005年に今の事務所を立ち上げ、現在は2名のスタッフが多田さんを支えています。
そんな多田さんには、今もガーデンデザインの師匠として仰ぐ人がいます。「設計するどんな1本の線でも理由がなければいけない」「ガーデンはひとつの敷地にいろいろな木々や花を植えてすべての調和を保っている。ガーデンのように、日本はいろんな個性を出し合える社会をつくっていかなければいけない」といった師匠の話に、仕事に対しての自覚を深めることが多いとか……。「ガーデンデザイナーと名乗っていますけれど、例えば木1本植えるとかブロック塀の補修などもお受けします。お客様がお庭で困っていることならなんでもご相談ください。相談・プラン・見積りは無料です。お客様の暮らしがそれで快適になるのであれば、僕らもうれしいですから」
ところで会社名の「SOBO」の意味は? と訊ねると、実は山下達郎の「蒼氓(そうぼう)」という曲からきているのだそうです。「民、普通の人、市井の人々という意味です。あこがれや名誉はいらない。町の中にいるただの一人なんだけれども、そこで精一杯生きていきたい──というイメージの歌詞で、その世界観が好きなんですよ」。ちょっと照れくさそうに多田さんは答えてくれました。
(取材年月:2013年4月)
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Profile
生活を楽しく豊かにするガーデンデザインのプロ
多田紳也プロ
株式会社 空間設計SOBO
エクステリア、ガーデンの設計と施工の両方を一貫体制で管理。設計面では「顧客と何度も打ち合わせを重ねて納得がいく」までプランを詰め、後々のメンテナンス性も含め、生活スタイルに合わせて専用設計をします。
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