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新たな価値を生み出し、次の時代を生き抜く人と地域を育む

次の時代を生き抜く人、地域を育むプロ

齋藤俊介

齋藤俊介 さいとうしゅんすけ
齋藤俊介 さいとうしゅんすけ

#chapter1

コーチングで内なる原石を見出し、マーケティングで磨き、生きる力、稼ぐ仕事へと変えていく

 「一人一人が、自分らしく生きていくお手伝いをしたい」と語るのは、長野県伊那市に拠点を置く「DMC星巡る旅人」の代表・齋藤俊介さん。地域資源を生かした観光まちづくりや、特産品などの商品開発マーケティング、人と人がつながる仕組みを作るコミュニティデザインのセミナー講師など、手掛ける業務は多岐にわたります。

 また、個人や企業を対象に、人材開発などに用いられるコーチングも実施。誰のまねでもない、その人らしいリーダーシップで目標を達成していく「オーセンティック・リーダーシップ」という考え方を取り入れているのが特徴です。

 「一例ですとある在京企業では、マネジメント職の方を担当しました。周囲からは、自社の社長のようにぐいぐい引っ張っていくリーダーと期待されていました。しかし、対話を繰り返す中で自分らしいマネジメントは、チームの和を力に変えていくやり方だと気づかれたんです。そして、その方が自分らしいスタイルに移行した結果、チーム内のコミュニケーションが変わり、社員同士の情報が共有され、助け合うチームになり、成績も劇的に上がりました。ついには、社長から次年度のモデルチームとして表彰されるまでになったのです」

 組織内に多様なリーダーがいることで、この上司とは合わないけれど、別の人となら相性も良く、能力が発揮できるといった機会が生まれます。こうした多様性のあるリーダーがいる組織、チームは離職率が下がるだけでなく、その会社で働く誰もが幸せになれるはずと、齋藤さん。この自分らしい(オーセンティック)リーダーシップというスタイルは、新しい時代のモデルとして注目され、東京や大阪の企業からも依頼が相次いでいると言います。
 「今後は、長野県を拠点にする企業でもこの新しいリーダーとその組織づくりにも取り組んでいきたい」と、意欲を見せます。

#chapter2

被災地でのボランティアをきっかけに、心について学び、地域で生きることを決意

 齋藤さんは、長年東京で出版物やWebメディアの企画編集およびマーケティングに従事してきました。転機となったのは、2011年に起きた、東日本大震災の被災地でのボランティア。人手が足りない現地の役所に代わって、被災者が求めているモノ、コトを調査するために、各地の避難所を駆け回りました。

 「日々多くの方と向き合う中で、国境なき医師団のメンタルドクターに出会い、『傾聴』の必要性を痛感しました。被災された方々の明日が少しでも良くなるよう関わっていきたいと、メンタルコーチングを学び始めました。これまで携わってきたマーケティングも、お客さまの本当の心(インサイト)に触れるという、人の心に関わる仕事と言えます。そのせいか、コーチングの考え方も、私にはなじみやすかったですね」

 東京で会社勤めをしながらコーチングについて知見を深め、東北の被災地にも通うという、勉強と実践の日々を約2年間にわたって続けた齋藤さん。2014年に伊那市の「地域おこし協力隊」に採用されたのを機に、長野県にやって来ました。

 「地方で暮らしたいという気持ちはずっとあったものの、仕事への不安から踏み切れずにいました。ですが、震災から少しずつ立ち直って、自分の力で生きていこうとする被災地の方々の姿を間近で見て、移住を決意しました」

 3年間の任期中、学生向けのシェアハウスの立ち上げや、今も持続しているイベントの企画構築に奔走。複合施設「街宿 MILLE」を拠点に、地域おこし協力隊やローカルスタートアップの起業、定住自立支援も行っています。

齋藤俊介 さいとうしゅんすけ

#chapter3

一隅を照らす小さくとも輝く星々をつないで、未来を築く大きな力に

 周囲とうまく関係を構築できず悩んでいた、地域おこし協力隊をサポートしたケースでは、現状を整理し、役所に要望を伝えて活動が円滑に進むよう調整。さらに、本人が大事にしている価値観や、将来成し遂げたいことについて、掘り下げて目標を明確化。その達成へと伴走しました。

 「どこにいても自分の願う生き方ができるということ、また実現した人が交流の輪を広げることで、街のみんなの暮らしが彩り豊かになること。その事実を、これまで支援してきた多くの方々が証明しています」

 「DMC星巡る旅人」という印象的な社名について、「一隅を照らす人を増やしたい」という思いから付けたと話す齋藤さん。「DMCは、Destination(目的) Management Company の頭文字から取りました。コーチングも地域に関する事業も、その人がかなえたい生き方に向かって伴走して導くという点で、根本は同じです」

 世の中が夜空のようなものだとしたら、一人一人が小さいけれど確かに光る星に。そんなともし火のような一人一人がつながることで星座のように夜空を彩り、見る人々により大きなインパクトとなるように。そんな未来を描いています。

(取材年月:2022年12月)

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専門家プロフィール

齋藤俊介

次の時代を生き抜く人、地域を育むプロ

齋藤俊介プロ

メンタルコーチ

合同会社DMC星巡る旅人

東証プライム企業からスタートアップベンチャーまで幅広い支援経験があるメンタルコーチ。コミュニティデザインや地域おこし協力隊の定住自立支援等の地域ビジネスにも携わり、組織、個人の変革へと伴走します。

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