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働くことで幸せに導きたい。宮崎で輝く女性や活躍する人財を増やし、地元の企業と社会に貢献

女性の就労と自立を支援し、働くことで幸せに導くプロ

飯田珠紀

株式会社TMK corporationの代表、飯田珠紀さん
人が働くことで幸せに導くが、TMKの合言葉

#chapter1

自分の可能性を閉ざすフタを外してチャレンジを。派遣社員で働くことで物心の幸せを一緒に探す

 就職をしても、業務や能力とのミスマッチや人間関係によるストレスなどで辞める人は少なくありません。「仕事を探す時には『時給』という目先の損得ではなく、その先にある『やりがい』や『目的』に目を向けて」と語るのは、「TMK corporation」代表の飯田珠紀さん。

 とはいえ、「自分に合う仕事は?」「将来どんなキャリアを築きたい?」と問われても、すぐに答えられないもの。飯田さんは宮崎市や周辺(北部)エリアの企業を中心に人材派遣や職業紹介を行っていますが、ハローワークやインターネットなどの就職情報のように、「紹介や採用で終わり」ではありません。目指すゴールは、安定した職を得て活き活きと働き、物心両面で幸せになること。企業へエントリーをする前には、本人のやりたいことや価値観を一緒に考え、派遣社員として就労開始後もOJT(働きながら行う職業教育)を実施し、一人ひとりに寄り添っています。

 「生活のために時給を見て勤め先を決める方が多いですが、自分の人生は自分で決めることができます。女性だから母だからと可能性を閉ざすのではなく、そのフタを外してチャレンジし、やりたいことを見つけてほしい。地方では、派遣という働き方はいまだにイメージがよくありませんが、2020年4月には法律が改正され労働条件などが見直されました。いろいろな職種・業種で経験を積みながらスキルを伸ばし、自分に向いた仕事を探すことができます」

 企業にとっても派遣会社と提携することは、有能な人材を確保できるメリットがあります。「働く人と企業がwin-winとなるマッチングで双方を幸せに導き、地元の宮崎を盛り上げていきたいですね」

#chapter2

苦境の中で選択理論を知る。就活で苦しむ女性に、自分の人生は自分が決められることを伝えたい

 会社の代表として活躍する飯田さんですが、子どもの将来に蓄えるために試みた再就職はパートからでした。働く中で経理業務の知識を得、フルタイムでの仕事をハローワークで探していた時に年齢制限や資格要件の壁にぶつかりました。「大した資格やキャリアがない、子育て中の女性が35歳を超えると、書類選考でまず落とされるんです。不採用が続いて就活ストレスに陥りました」

 飯田さんは、シングルマザーとして働きながら子育てをする母の苦労を見て育ち、自身も学歴や女性ということを理由に、給与や昇進に限界を感じたことがあります。向上心や意欲はあっても、性別や年齢、学歴、子どもがいるなどが壁になる。そんな苦しい立場の女性でも自立できる人材紹介会社を立ち上げたいという思いが募り、2014年10月に「株式会社TMK corporation」を設立しました。

 しかし、「強い思いや会計業務の知識はあっても、経営がわからずに開業3年ほどであやうく倒産しかけました」と苦笑い。そんな苦境の中で知ったのが、アメリカの「選択理論心理学」という新しい学問です。これは、人は外側の刺激によって反応するのではなく、内側から動機づけられて行動を選択するというもの。「子どもに『手を洗って』と大人(外側)から言うより、『きれいな手とばい菌のある手はどちらがいい?』と問いかけ子ども(内側)から選択してもらうと、自ら手を洗うようになるんです」

 「それまでの私は人をコントロールしようとして、うまくいかないとその人のせいだと思っていました。他人と過去は変えられませんが、自分と未来は変えることができる」と気づき意識改革をしてから業績は回復。同社に登録する求職者に「自分の人生は自分で決められる」と伝えるのは、そんな経緯からです。

飯田さんは、講演会やセミナーでも活躍しています

#chapter3

惜しみない愛で人財育成やセミナーなど可能性に挑戦。新しいコミュニティーを作り輝く女性を増やしたい

 企業は人で成り立っているため、企業の成長は“人財”が鍵と考える飯田さん。“人財”となる派遣社員を育てるために、地元の企業と提携して人財育成や職業訓練にも力を入れたいと考えています。

 さらに、同社の経営理念に影響を与える選択理論を、働くことに役立ててもらいたいと、セミナーや講演会も開くようになりました。働く人や企業にとどまらず、主婦や学生など多くの女性が参加するコミュニティーを作って情報発信し、活き活きと働き輝く女性を増やすことが夢だとか。

 「家庭に入っていた時、まわりの独身女性がおしゃれを楽しみ快活に働く一方で、私は家で化粧をしない日も多くネガティブになりました。そのことが、子どもに悪影響を与えると思ったことがパートを始めたきっかけでもあります。親の不平や不満は子どもへの暴力となり、その子どもの不平や不満が違う子どもへの暴力とつながる可能性があります。そんな負の連鎖も断ち切ることで社会も良くなると思います」

 自らの可能性を信じて、挑戦を続ける飯田さん。その原動力は愛だと言います。「『愛』とは好き嫌いの『感情』ではなく、転んでいる人がいれば自然に手が差し伸べられるような『行動』です。自分にできる最善の行動をこれからもとっていきたいですね」

(取材年月:2021年2月)

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専門家プロフィール

飯田珠紀

女性の就労と自立を支援し、働くことで幸せに導くプロ

飯田珠紀プロ

人材派遣

株式会社TMKcorporation

苦労した就活経験と採用側の視点から、働きたい人の気持ちに寄り添い仕事を斡旋。選択理論心理学を用いたキャリアカウンセリングで、働く目的・やりがいを内面から見出すお手伝い。働くことで物心両方の幸せに導く。

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