一人一人の心に丁寧に向き合うカウンセリングのプロ細島小都乃

一人一人の心に丁寧に向き合うカウンセリングのプロ

細島小都乃

傾聴をベースに、悩みに合わせた心理ケアを取り入れ、早期解決を目指す

　「風邪など体の不調を感じて、ドラッグストアに行くことはありますよね。同じような感覚で、心のモヤモヤを感じたら、気軽に立ち寄ってください」とやさしく呼び掛けるのは、「カウンセリング日向　こころのひなた」の細島小都乃さん。

　日向市を拠点に、心理カウンセラー、箱庭療法心理士として、一人一人の相談に丁寧に向き合う細島さん。1日に受ける相談は原則1件とし、質の高いカウンセリングを心掛けています。初回インテーク（面談）の上、傾聴をベースにした相談内容の聞き取りや、アンケートによる特性診断を行います。
　「家庭や職場などでの人間関係や、子育て・介護、キャリアに進路と、幅広い内容に対応できます。ご自身で問題は一つと感じていても、周囲との関係や環境などが複雑に絡み合っていることが多いです。お悩みに応じて適したアプローチ法を見極めます」

　箱庭療法士やFITファシリテーター、チャイルドカウンセラーなど、さまざまな専門知識を有する細島さん。例えば、「箱庭療法（ホワイトサンドプレイセラピー）」は、気持ちの言語化が難しい子どもに有効な場合が多いそう。箱庭療法は、砂が入った箱の中にミニチュアを並べて、自由に作品をつくる心理ケアです。ほかに、家族間の相互作用を図式に表し、関係性を見える化する「家族システム療法」や、これまでの人生の満足度をグラフで表現し、自己理解を深める「ライフラインチャート」なども取り入れます。
　「どんなケアを行うかも含めて、ご意向を尊重することを何より大事にしています。今の状態から抜け出そうと来られているはずので、早期に変化が実感できるようお手伝いします」

ホワイトサンドプレイセラピー体験会や、電話相談窓口のボランティアも

　細島さんは、もともと文化教室を運営しており、36年にわたる指導経験を誇ります。
　「子どもから大人まで1対1で教えるので、個人的な相談を受けることも多く、時に人生相談室のようになっていたことも。子育てに悩んでいる保護者や、職場の人間関係にストレスを感じている女性など、年代問わず幅広いお悩みに応えるためには、専門知識が必要だと思いました」

　当初は産業カウンセラーを目指したものの、一つの分野のみでは複雑な心の問題は解決できないと感じて、学びの幅を広げたそう。
　「時代とともに、生きにくさを感じている人が増えていると感じます。一人一人の心の問題に対応することで社会にも貢献できればと思い、カウンセリング業を立ち上げました」

　中でも、子どもや子育ての問題に力を入れたいと話します。取り組みの一つとして、小学生向けのサンドプレイセラピー体験会を開催しました。
　「子どもは、自分の気持ちを言葉で表現できないことが多いです。最初に保護者が気になっていることをお聞きし、箱庭を作る過程も含めて様子を見せていただきます。どのお子さんも、作り終わった後に、スッキリした表情になって明るく飛び回っていたのが印象的でした。今後も体験会を行う予定です」

　また、心の悩みに関する電話相談のボランティアも5年間続けています。
　「一期一会で表情が見えない分、声のトーンなども含めて〝聴く力〟が求められます。話すうちに心が落ち着いたり、衝動的な行動を思い留まったり、電話を切った後で『明日もがんばろう』と思ってもらえるとうれしいですね」

心に不調を感じたときに、誰もが気軽に立ち寄れる場所に

　「こころのひなた」という名前には、ひなたぼっこをしたときのように温もりを感じられる場所にしたいという細島さんの思いが込められています。
　「心がしんどいと感じても、カウンセリングを受けることにハードルを感じる人はまだまだ多いです。心身ともに疲弊してしまう前に、仕事帰りや学校帰りに立ち寄っていただける、街の保健室のような場所を目指しています」

　細島さんがカウンセリングのゴールとするのは、クライアントの人間的な成長を導き、自分で問題を解決する力を養うことです。「また同じようなことが起きたらどうしよう」と漠然とした不安が付きまとう〝予期不安〟に対応するセルフケアコントロールや、強みに焦点を当てて、ありたい姿の実現を導くポジティブアプローチなども用意しています。
　「物事をつい悪い方向に考えてしまうなど、思考のクセや行動パターンを理解することから始めます。次に同じような問題にぶち当たったときに、ご自身で対処できる力が身に付けば、常に心の状態をニュートラルに保つことができます」

　心理カウンセラーの活動を、ライフワークとして大事にしていきたいと力を込める細島さん。
　「不安や悲しみなどマイナスの感情を一人で抱え込んでしまうと、生活の質にも悪影響を及ぼします。心の内を誰かに話すだけで、気持ちは軽くなります。前に進む光を一緒に見つけましょう」とメッセージを送ります。

（取材年月：2023年10月）

心の内を丁寧に聴き、前に進む光を見出すお手伝いを

傾聴をベースに、悩みに合わせた心理ケアを取り入れ、早期解決を目指す

ホワイトサンドプレイセラピー体験会や、電話相談窓口のボランティアも

心に不調を感じたときに、誰もが気軽に立ち寄れる場所に

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