不妊症で悩む女性に「周期調整法」を使って治療するプロ吉田としみ

不妊症で悩む女性に「周期調整法」を使って治療するプロ

吉田としみ

何でも相談できる「街のお母さん」だから安心

　女性が社会で活躍する時代になり、晩婚化や高齢出産化が進んでいます。出産率が低下する一方で、また不妊に悩む女性も少なくありません。先進国のなかでも、日本は体外受精の実施数が非常に多く、また不妊治療の専門クリニック数も群を抜いています。しかし実際には治療に成功し、無事出産できる方は、それらの数に比較してかなり少ないのが現状です。『薬局ヘルスショップとしみ』では、そのような不妊で悩んでいる女性たちに向けて、漢方薬を使った「周期調整法」という治療法でサポートしています。
　伊賀市の歴史ある城下町の一角で、薬剤師の吉田としみさんが『薬局ヘルスショップとしみ
』を開業して早40年が経ちます。街の薬屋さんとして、処方せん応需薬局で地域に貢献し、地域の皆さんに愛されています。特筆すべきは、ご自身が勉強を続けてこられた中医薬学を活かし、漢方薬を使った「周期調整法」という不妊治療で、子宝に恵まれない女性たちに希望を与えています。不妊の原因は、おひとりおひとり異なります。女性の身体は毎月の排卵周期が乱れていると、なかなか受精しにくいそうで、その体質を妊娠しやすい体質に改善していくのが、「周期調整法」なのです。基礎体温計を駆使して、漢方薬と食事の改善で妊娠しやすい体質に改善していきます。
「不妊治療だけでなく、現在、体に何かしらの不調をお持ちの方は、ご遠慮なく、なるべくなら早めにお訪ねください。漢方薬治療や体質改善は時間がかかりますが、あきらめることなく続けてこそ効果が出てきます。不安をひとりで抱えるのではなく、お客さまと一緒になり、問題点を一つずつリセットしていくことが、とても大切なのです。」と吉田さんは語ります。
健康な体を維持するためには、病気の治療を目的とする近代医療と、体質から改善していく漢方薬治療、それぞれの良い面を活かすことが大切なのだそうです。

同じ女性だからこそ、理解しあえる心でアドバイスを

　「周期調整法」を学び極めるために全国を駆ける吉田さん。普段は、伊賀にある店舗で、カウンセリングを中心に顧客の相談に乗っています。背筋がまっすぐ伸びる立ち姿からは、とても70歳近い年齢とは思えません。「若いときからクルマの運転が好きなんです。今でも名古屋あたりならクルマで出かけますよ」なんとも頼もしいお母さんという印象です。
　吉田さんは関西の大学で薬学を学び、薬剤師の資格を取得しました。その後、大手薬品会社勤務を経て、薬の知識をさらに深化させ伊賀に戻ってきました。そしてご自身のお店を始めたのが昭和48年、40年も昔のことです。
「結婚は晩婚でした。そして残念ながら子宝に恵まれなかったのです」と話す吉田さん。現在不妊治療に一生懸命になる理由はこのエピソードがきっかけだったのかもしれません。不妊治療に悩まれて相談にこられるのは、ご本人のみならず親御さんからの相談も多いのだとか。「ご自分のお孫さんを抱きたい思いは、子どもを持つすべての親の思いではないでしょうか。一生懸命に仕事に打ち込んできましたが、唯一、子どものことでは親不幸な娘でした」と今は亡き御両親の思いを回想する吉田さんでした。親身になって相談に乗る吉田さんのもとには、信頼を寄せて集まってくる大勢の女性たちがいます。「不妊のことだけでなく、いろんな相談にアドバイスしてあげることで、その方が前向きに生きていただけることが大切ですから」と話す吉田さんの笑顔は輝いています。

漢方を効果的に使った治療で、心身ともに元気になる

　漢方薬を扱うきっかけは、お店を始められた頃までさかのぼります。「お店を始めるときに、薬の問屋さんに、何も考えずに開局にあたって必要だと思う薬を全部持ってきてって頼んだんですね。それが始まりなんです（笑）」。一般的に西洋医薬は決まった病気に対して処方されますが、漢方薬の処方はアプローチが違います。患者の体質や特徴がまずありきで、そこからどのように体質改善を図っていけば、効果的な治療が可能かと、1人ひとり処方が違うことも珍しくありません。
　「漢方や中医薬の奥深さを学ぶために、毎年10日余り中国に勉強に行きました」。思い立ったら即行動するアクティブな吉田さんならではのエピソードです。平成12年から、南京中医薬大学付属病院　夏・桂成　教授のもとに10年余り通い、中医薬の食事や薬まで、不妊に対する考え方を学びました。「月経周期調整法」は、ここでのスキルがあってからこそなのです。
　「医食同源って言うでしょ？　病気は未然に防ぐのが一番なんです。そのためには食事が一番大切。きちんと体に合った食生活で体調を維持管理するお手伝いをするのも、私たちの仕事ですね」吉田さんのやさしく温かいお話を聴いていると、それだけで体が元気になってくる。からだに不安のある方は、ぜひお店をたずねてみてほしいです。
(取材日：2014年10月)

「不妊症」に悩む女性に「周期調整法」をアドバイス

何でも相談できる「街のお母さん」だから安心

同じ女性だからこそ、理解しあえる心でアドバイスを

漢方を効果的に使った治療で、心身ともに元気になる

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