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バックオフィス部門の参謀役として、中小企業の基盤づくりを支援

総務・経理などのバックオフィスから経営を支えるプロ

田丸伸二

田丸伸二 たまるしんじ
田丸伸二 たまるしんじ

#chapter1

総務・経理部長経験を発揮し、リスクマネジメントやコンプライアンス教育を実施

 「総務、経理などのバックオフィスは、企業の基盤を担う部門です。営業や現場業務と比べて、どうしても後回しになりがちですが、基盤を整えることで事業の持続可能性が高まります」と語るのは、「たまる中小企業診断士事務所」代表の田丸伸二さん。大手インフラ企業のグループ会社で総務・経理部長を務めるなど、30年以上にわたる豊富な実務経験を活かし、経営者を伴走支援します。

 主な対象は、従業員数30人未満で、さらなる成長を目指す企業。創業期は売上重視で、人材を営業や現場に集中させてきたものの、規模が拡大するにつれ、リスクマネジメントやコンプライアンス遵守などの、内部統制の整備の遅れに頭を悩ませる経営者は少なくありません。
 「そうはいっても、このような課題に対応できる経理や総務の専門人材を雇うのは、コスト的に難しいでしょう。私は、そんな企業の外部参謀役として、経営者の身近な相談相手となり、本業に集中できるようお手伝いします」

 まずは、業種に応じたリスク項目を洗い出し、現状を整理します。その上で、優先順位を検討し、具体的な取り組みを提案。中でも、会社規模や業種を問わず必須の課題が、コンプライアンスやハラスメント教育だと話す田丸さん。自ら講師を務め、研修や管理職向け教育を行います。
 「これらの対策が遅れていると、企業イメージが低下するだけでなく、不正の発生や職場環境の悪化などにもつながり、大きなリスクに発展する可能性があります。前職は大手インフラ企業のグループ会社だったため、高いレベルでのガバナンス体制を実現してきました。その知見をもとに、中小企業の実情に即したアドバイスができます」

#chapter2

経営理念の策定や、経理業務の効率化など、幅広いサポートを展開

 田丸さんが最近力を入れているのが、経営理念の策定支援です。経営理念を定めていない中小企業も少なくありませんが、明文化することを推奨されています。
 「経営理念がなくても事業活動は可能です。しかし経営理念は、企業の〝心〟や〝軸〟として、従業員の行動指針となり、経営判断のベースにもなります。また、人手不足が深刻化する中、企業の存在意義が伝わる理念を示すことで、採用活動での訴求力も高まります」

 創業10年未満の某企業では、今後の採用活動を見据えて、経営理念の策定に取り組むことに。価値観を共有するため、経営者や取締役とミーティングを重ねている段階だそう。
 「従業員に対する思いも含め、きちんと言葉にしたいというご要望でした。まずは、対話の中で、経営者が大切にしたい哲学や信念につながるキーワードを一緒に探り、企業として最も重視する価値観を、経営者に自覚してもらうことを大事にしています」

 また、経理業務の効率化も得意とする田丸さん。前職では、手作業・紙ベースだった業務フローを見直し、システム導入や不要帳簿の削減、データベース作成などを担当。形骸化していた月次報告業務も見直し、経営戦略に役立つ予実管理の仕組みを整え、社内で高い評価を得ました。
 「手作業や、同じ作業を複数回行っているなど、業務のムダを減らすことは重要です。また、売上管理など現金を扱う業務が属人化している場合は、不正や横領のリスクも高まるため改善は必要です。実務を熟知しているからこそ、業務全体の最適化を図ることができます」

田丸伸二 たまるしんじ

#chapter3

総務・経理のスペシャリストとして、大手インフラ企業のグループ会社での実務経験が強み

 もともと数字に強かったという田丸さんは、経理の仕事に対する興味から簿記3級を取得し、税理士事務所からキャリアを始めました。
 「税理士事務所では、完成した帳簿や決算書を扱うことが多いので、帳簿の記帳などゼロから学びたいと思い、一般企業に移り、経理事務や総務全般の実務経験を積みました」

 その後、キャリアアップのため、大手インフラ企業のグループ会社である、空調設備エンジニアリング企業に転職。経理を中心に、総務、人事、企画、情報セキュリティ、ISOと、多岐にわたるバックオフィス業務を経験。加えて、会計監査や業務監査など、各種監査の主担当や、コンプライアンス責任者なども務めました。
 「会社員時代に、先々に向けて、資格を取ろうと思い、業務経験を活かせる中小企業診断士を取得しました。ゆくゆくは独立したいという思いもありました」

 2025年に定年退職後、「たまる中小企業診断士事務所」を開業しました。
 「スタートを切ったばかりですが、長年培ってきた知識と経験には自信があります。中小企業が成長できるようお役に立ちたいという気持ちは強いです」

 周囲に相談相手がおらず、孤独を感じている経営者は多いでしょう。田丸さんは次のようにメッセージを送ります。
 「『これまで営業や現場一筋でやってきて、総務や経理のことはよくわからない』という経営者のお悩みを解決します。業績が安定している今こそ、次の成長戦略を描くための基盤づくりを一緒に進めましょう」

(取材年月:2025年8月)

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田丸伸二プロ

中小企業診断士

たまる中小企業診断士事務所

30年以上の管理部門経験を持つ中小企業診断士が、中小企業の内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス教育を支援。ガバナンスを整え、中小企業の経営改善と持続的成長を実現します。

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