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資産の現金・株式化から農地開発、航空機活用まで。80代現役起業家の「負担を残さない」相続戦略

農地開発と資産の現金化で円滑な相続と事業承継を支えるプロ

清水三雄

清水三雄 しみずみつお
清水三雄 しみずみつお

#chapter1

自身の相続ノウハウを共有するべく新会社を設立。農家と企業をつなぐ土地活用の仕組み

 「私も80代となり、元気なうちに自身や関係会社の資産を現金化したいと考えてきました。不動産を保有したまま相続すると遺族が高額な相続税を払えず、従業員にも影響が及ぶと考えたからです。そこで、同様の悩みを持つ方々に私のノウハウを共有できればと当社を立ち上げました」

 そう語るのは、個人資産の管理や売却、事業用不動産の開発・仲介を手掛ける「マグマ」の代表・清水三雄さん。総合コンサルタントとして長く活躍しています。

 リスク回避の観点から、土地や建物を現預金や上場株式に変えておくことを提案。相続時、株式であれば短期間で現金化し納税資金を確保できる一方、不動産は売却までに時間を要する点が課題だといいます。

 「事情は一人一人異なるため、当社では法律や税務の専門家と連携して対応しています。中でも強みは、市街化調整区域の農地を企業向け事業用地として開発する知見です。調整区域では原則として新たな建物を建てられず、後継者不在の農家は売却も難しい状況にあります。一方で企業は用地を求めているものの、同区域では事務所や倉庫を建設できず取得を断念するケースも少なくありません。この課題を解消するため、40年以上奔走してきました」

 企業からの要望を聞き取り、条件に合う土地所有者と交渉し、農業委員会の許可を得るという一連の仕組みを構築。実効性のある解決策として機能しているといいます。

 「許可取得までに約1年、造成にも半年以上かかるため、参入をためらう事業者も多いですが、だからこそ取り組む価値があると考えています。また、航空機を活用した資産防衛の方法もあります」

#chapter2

無煙の魚焼き機や干物乾燥機を開発。経験を積み重ね「マグマ」を設立

 清水さんは1941年、かつて京都府にあった久世村(くぜむら)で誕生。「厳しい家庭環境で、兄2人は中学卒業後すぐに働きに出ました」と振り返ります。

 「私は小学校の担任から進学を勧められ、立命館中学校に進みました。母に相談すると『兄弟で頑張れば授業料くらいは出せる』と言ってくれ、無事に入学することができました。あのひと言が、今の自分の原点です」

 中学校では記憶術に影響を受け独自の方法を考案。高校では通学電車での学習のみで学年上位となり、20歳のときには記憶術の大会で日本一に輝きます。

 「大学時代、焼き魚の煙によるトラブルの記事を読み、プロパンガスを用いた無煙の魚焼き機を開発しました。京都市内の魚屋約150軒に納品し、ガス販売と組み合わせたビジネスモデルを構築しました。その後も、小魚を傷付けないようにくみ上げる揚魚機や、日照時間の短い地域向けの干物乾燥機などを開発してきました。困っている人を見ると、自然と解決策を考えてしまう性分なのかもしれません」

 その後も持ち帰り弁当、駐車場運営、土地のリースなどの事業や会社を立ち上げ、軌道に乗せては譲渡する戦略を展開。新たな挑戦を続けてきました。

 「そして、相続や事業承継に不安を抱える方の支援を目的に、2021年に『マグマ』を設立しました。社名には、これまで蓄積してきた夢を一気に形にしたいという思いを込めています」

清水三雄 しみずみつお

#chapter3

挑戦はいつまでも。「時間さえあれば何でもできる」という考えをもとに講演会も開催

 仕事のやりがいについて「課題解決のために行動し、喜んでもらえること」と語る清水さん。取引銀行の機関誌で自身の歩みが紹介されているのを目にしたといいます。

 「20歳の頃、京都の竹製品会社にプロパンガスを熱源とする竹の矯正機械を納めました。その設備が60年後の今も稼働していると記事に書かれていました。丁寧に使い続けていただいていると分かり、うれしかったですね」

 一つ一つの取り組みを着実に積み上げてきた姿勢は、現在の活動にもつながっています。プライベートでも挑戦を続け、ノーベル賞受賞者の言葉に触発され、79歳でゴルフを再開。エージシュート(年齢以下のスコアで18ホールを回ること)を達成するなど、取り組みを重ねています。

 「80歳で初めて達成し、その後も継続しています。技術だけでなく、全ホールを回り切る体力も重要です。また、ウクライナでヘリコプターのライセンスを取得し、現在も操縦しています。空飛ぶ車(eVTOL)の離着陸場整備プロジェクトにも関わっています」

 地域活動にも積極的で、向日市では囲碁・将棋クラブを設立し、子どもたちへの指導にも取り組んでいます。こうした活動について「仕事・趣味・社会貢献を並行して取り組むことが、自分らしい生き方」と語り、その姿勢を「複々線化人生」と表現しています。

 「時間があれば何でもできます。私の人生をテーマに講演会も行っているので、元気を出したい方はぜひお声がけください」

(取材年月:2026年3月)

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清水三雄

農地開発と資産の現金化で円滑な相続と事業承継を支えるプロ

清水三雄プロ

総合コンサルタント

マグマ株式会社

市街化調整区域の農地を企業向け事業用地として開発する仕組みを確立。40年以上にわたり後継者不在の農家と土地を求める企業を引き合わせる。法律・税務の専門家と連携し個人資産の現金化や株式化にも対応。

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