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中古住宅の品質を公正に診断――中立的な住宅診断で安心を届けるホームインスペクター

ホームインスペクション(住宅診断)のプロ

松田貞次

ホームインスペクション(住宅診断)のプロ 松田貞次さん
松田貞次さん 床下作業風景

#chapter1

住宅の劣化状態や欠陥を発見し、改修費用やメンテナンス方法などをアドバイス

 ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所や時期、費用などを総合的に見極め、管理方法をアドバイスする専門業務です。

 京都市伏見区の「有限会社マツユウ住宅」代表を務める松田貞次さんは、ここ数年で100件以上のインスペクションに対応。建築に携わって30年以上の豊富な実績と専門的な知識をもとに、「欠陥住宅ではないのか」「いつ頃改修が必要で、いくらお金がかかるのか」といった不安や疑問に応えています。

 「中古住宅を購入する前や売り出す前に、ホームインスペクションを行うと、買い手側は購入後のリスクを軽減でき、売り手側は売却後のトラブルを防ぐことができます」。松田さんは、依頼者の立ち会いのもと、家の骨格(小屋組、柱、梁、床、基礎部分など)、雨漏りや水漏れ(屋根、外壁、天井など)、設備配管(給水管、給湯管、排水管、換気ダクトなど)を目視で確認。依頼者に口頭で説明しながら調査を進めてくれます。

 オプションで床下や屋根裏の診断にも対応。状況に応じて点検口から侵入して調査しています。「家の傾きの原因は床下を見るとわかります。また、天井裏に雨漏り跡や、床下の土台・大引きなどにシロアリの被害、湿気による劣化が見つかることもあります」

 調査にかかる時間は、100平方メートルの家で約2~3時間。調査後は、各部の状態を詳細に記載したレポートを顧客に提出します。「住宅に欠陥が見つかっても、リフォームをすれば住むことができる場合も多いです。もし欠陥が見つからなくても改修が必要になる時期がわかるので、先々の計画に役立ちます」

#chapter2

幅広い知識を生かした信頼性の高いインスペクション

 松田さんは、地元の大手建設会社で現場監督として活躍した後、木造住宅建築やリフォーム事業を展開する「松雄建設」の専務に就任、1000件を超えるリフォーム工事などを手掛けます。そして1988年に「有限会社マツユウ住宅」を設立。「松雄建設は、私の父親が約50年前に向日市で創業した会社で、マツユウ住宅の母体でもあります。私が生まれ育った土地でもある向日市寺戸町近隣の住宅約300戸のうち、約3分の1は何らかの形で松雄建設が関わっています」。忙しい仕事の合間を縫って地元の剣道道場のコーチも務めていると楽しそうに笑います。

 また、二級建築士、宅地建物取引士、2級施工管理技士、木造耐震診断士など、さまざまな資格を保有。建築・不動産に関する幅広い専門知識を生かした信頼性の高いインスペクションに定評があります。「屋根の形状が不自然だったので調べてみたら、雨漏りが見つかったことも。家の傾きや雨漏りは、特に入念にチェックします」

 利害関係のない第三者として、中立・公正なインスペクションに徹している松田さん。購入後にどのようなリフォームをすればいいのか、その場合に必要となる資金についてなど、コンサルタント的なアドバイスも提供して喜ばれています。

 「ホームインスペクションは、主に中古住宅を売り買いする時、中古住宅の売り手が手配することがありますが、買い手が購入前にインスペクターに直接依頼することをおすすめします。また、インスペクターを選ぶ時は、利害関係のない第三者に依頼することが大切です。リフォームの際にも、第三者にインスぺクションをして貰うと、不要な改修箇所が判断出来るので安心ですよ」

松田貞次さん セミナー風景

#chapter3

あらゆる悩みに対応する“住まいのコンシェルジュ”

 「私は地域の皆さまの“住まいのコンシェルジュ”です」と松田さん。インスペクション以外にも、住宅に関する悩みがあれば何でも相談してほしいと穏やかな笑みを浮かべます。「いろいろな会に所属して役員も務めているので、会に所属する工務店や不動産業者などの得意分野や経験、実績を把握しています。弊社で対応できない案件に関しては、お客さまのご希望に最も適した信頼できる業者をご紹介しています。『町家を改修したい』『家の傾きを修復したい』など何でも気軽にご相談ください」

 現在は、NPO法人「日本ホームインスペクション協会」が開催するセミナーの講師としても活躍。協会の会員にインスペクションで使う道具の解説や、住宅診断の手順などの情報を提供しています。また、一般消費者向けのセミナー講師も務め、インスペクションの普及にも貢献しています。

 「中古住宅を購入する方で、インスペクションを行っている方は約1割に留まっています。住宅の劣化は専門家でなければわからないことも多いので、ぜひインスペクションをご依頼いただきたいですね」。最後に、これからは若手インスペクターの育成に力を注ぎ、業界全体の技術レベルを高め、誰もが安心して住宅を売買できる環境をつくりたいと話してくれました。

(取材年月:2018年3月)

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専門家プロフィール

松田貞次

ホームインスペクション(住宅診断)のプロ

松田貞次プロ

建築士

有限会社マツユウ住宅(一級建築士事務所)

二級建築士、宅地建物取引士、2級施工管理技士、木造耐震診断士など、さまざまな資格を保有。長年の経験を生かし、公正で丁寧なインスペクションを実施する。

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