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社会保険労務士×公認心理師のダブルライセンスで、働く人に快適な職場づくりを支援

カウンセリング経験も豊富な人事労務のプロ

舩越克真

舩越克真 ふなこしかつまさ
舩越克真 ふなこしかつまさ

#chapter1

メンタルヘルスやハラスメント対策研修で「問題が起こりにくい」環境づくり

 働き方の多様化や人手不足が進む中、従業員が心身ともに健やかに働ける環境づくりが求められています。メンタルヘルス不調やハラスメントは離職やトラブルの要因にもなり、健康経営を進める上でも企業が主体的に向き合うべきテーマとなっています。
 こうした背景の中、「舩越社会保険労務士事務所」代表の舩越克真さんはこの分野を得意とし、研修にも力を注いでいます。社会保険労務士(社労士)の資格に加え、公認心理師としての専門性や教育職の経験を持つことが大きな強みです。

 「約20年のカウンセリング経験があり、実践的な話ができます。人事労務の仕組みは難しいイメージがありますが、一人一人が正しい知識を身につけられるようわかりやすく伝えることを得意としています」

 そんな舩越さんが目指すのは「問題が起こりにくい職場づくり」です。
 「メンタル不調やハラスメントは発生しないのが一番。そのためには、問題が起きていない段階から、従業員がストレスをためにくい環境づくりや、個人のストレスマネジメントなど、企業と個人の両輪で考えておくことが大切です。良い職場とは、働く人すべてが機嫌よく仕事に取り組める環境だと考えます」

 研修は、「仲良く楽しく」がモットー。ワークショップやロールプレイングを取り入れ、お互いに学び合える時間を大切にしています。従業員相談窓口の対応練習や、心理的安全性を作るワークなど、企業の課題に合わせて内容を柔軟に組み立てます。
 また、一人一人のストレスマネジメントにも注力。感情を数値化するツールや、マインドフルネスなど、カウンセリングの手法を取り入れたセルフケアの方法も紹介しています。

#chapter2

人事労務の支援を通して、経営者と働く人の双方に寄り添う

 研修に加え、人事労務コンサルティングや社会保険手続きの代行など、社労士としての業務にも幅広く対応しています。特に依頼が多いのが、就業規則の見直しです。
 「テンプレートをそのまま利用しているという声もありますが、就業規則は、経営者の思いが表現されたものです。例えば、アットホームな会社をつくりたいなら、従業員同士が交流する社内イベントや、相談窓口を充実させたり、プロ集団として技術を極めたいなら、成果報酬など評価制度を強化したり、会社をどうしていきたいかの考えをぜひ聞かせてほしいですね」

 また、人事労務の困りごとについて、相談を受けることも少なくありません。ある企業からは、遅刻やさぼりなど従業員の問題行動に困っているとの悩みが寄せられました。
 「ヒアリングをすると、本人の気持ちの問題もありましたが、一方でタイムカードの打刻漏れもそのままなど、企業側にも改善点が見受けられたので、タイムカードの打刻を徹底する、本人に注意する際は記録に残すなど、仕組みを整えることから始めました。その後、問題行動が減ったと聞き、お互いに改善されたことがうれしかったですね」

 舩越さんが社労士として大事にしているのは、「企業と労働者、双方の立場に立つこと」だといいます。
 「経営者か労働者か、どちらかではなくどちらもの味方であるという思いは強いですね。経営者と労働者の“こうしたい”が一致しない場合も、一方だけが我慢するのではなく、どちらも納得できる落としどころを見つけていく。人手不足の時代だからこそ、経営者も働く人も幸せになれる職場づくりが企業の力になります」

#chapter3

法務教官を経て、働き方の改善をサポートできる社労士へ

 少年院などで犯罪や非行歴のある少年に更生のための指導を行う法務教官としてキャリアをスタートした舩越さん。「少年院では、少年の更生のために、集団授業だけでなく、一対一のカウンセリングにも携わりました。農作業や野球など学習以外の時間も、子どもたちと共に過ごせたことは楽しかったです」と笑顔で話します。「けんかの仲裁やいじめ指導の経験から、こちらがどちらかの味方になってしまえば、お互い禍根が残って、うまく解決できません。どちらもの味方になって落としどころを見つけるやり方は、この経験から得たものです」

 しかし、長時間労働が続き体調を崩して退職。その後、介護士やカウンセラーとして働きながら社会保険労務士の資格を取得しました。社労士を志した背景には、自身の勤務経験への思いがあったといいます。

 「長時間労働による過労で仕事が続けられなくなり、別の職場では同僚の過労死を経験しました。また、少年院を出所した若者の受け入れ先も厳しい環境で、それに耐えられず仕事をやめてしまって、再び悪事に手を染めてしまう例を数多く見てきました。これらの経験から、働き方を改善し、より良い職場を増やしたいと思いました」

 そして2020年に「舩越社会保険労務士事務所」を開業。並行して、小中学校のスクールカウンセラーとしても活動し、子どもや保護者の悩みに向き合っています。
 「研修の場でも和気あいあいとした雰囲気がなければ、効果的な学びは得られません。同様に、働く人が良好な関係を築けない職場では、企業の成長につながる成果は望めないでしょう」と舩越さん。従業員が働きやすい環境整備を通して、組織力を高めます。

(取材年月:2025年11月)

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舩越克真プロ

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舩越社会保険労務士事務所

長年にわたるカウンセリング経験をもとに、実践的なメンタルヘルスやハラスメント対策研修を提供。誰もが快適に働ける「問題が起こりにくい職場づくり」を導きます。就業規則の見直しや労務支援にも対応

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