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家財を必要な人へつなぐ生前整理・遺品整理で、心の負担や環境負荷を軽減

依頼者の心に寄り添った不用品回収・片付けのプロ

林洋輔

林洋輔 はやしようすけ

#chapter1

家電や家具などまだ使える不用品は買い取り、リユースやリサイクルへ

 「一つ一つの品に敬意を払い、無駄にすることなく活用することで、ゆとりある空間づくりをお手伝いします」と話すのは、「関西エコアシスト」代表の林洋輔さん。京都府宇治市を拠点に不用品回収業を営み、家庭や事業所、店舗などに赴いています。

 「当方は、まだ使えるものや資源として利用できるものは、リユースやリサイクルに回しています。国内だけでなく、海外でも家電や家具、着物、おもちゃなど、日本の中古品はニーズがあります。お見積もりの段階で買い取りできる品物があれば金額をご提示し、メニュー料金から差し引かせていただきます。お客さまのコスト軽減に加え、環境への負荷を少しでも抑えたいと考えています」

 捨てるのではなく、必要としている人に引き継ぐことで心理的な負担も和らげたいと語る林さん。細やかな心配りで生前・遺品整理も請け負っています。

 「『親が施設に入居するので実家を片付けたい』など、生前整理はお子さん世代からのご用命が中心です。本来は親御さんのご意向に添って作業するのが理想ですが、ご本人が不在でも『家族のアルバムを探してほしい』といったご要望があれば、取りまとめてお渡しいたします」

 また遺品整理の現場では、きょうだいが高価な遺品を巡って言い争うケースも。相続でもめることがないよう、林さんは生前整理の普及に力を入れています。

 「前もって財産の扱いについて決めておくことは、子どもたちへの思いやりだと感じています。残された家族が気持ちよく前を向いて歩んでいけるよう、元気なうちに家を整理整頓することをおすすめします」

#chapter2

それぞれの心情や事情に寄り添い、「ゴミ屋敷」の清掃も迅速に対応

 20年以上にわたり運送業に携わってきた林さん。「人の役に立つ仕事をしたい」と、2022年、41歳のときに不用品回収業を始めました。

 「高齢者のゴミ屋敷問題や、遺品整理で困っている人たちのニュースを目にするたびに、何か力になれないかと考えていました。事業を通じて、多くの方が『片付け』で悩んでいることを実感しています」

 敷地の外にまであふれたゴミを放置すると、悪臭や害虫が発生する恐れがあり、近隣にも迷惑がかかります。林さんは、心身の不調などにより、図らずも物をため込んでしまった本人の心情や事情に寄り添います。

 「ゴミ屋敷の清掃は、ご家族からのご相談が多いです。自治体の勧告に従わない場合、行政代執行によって高額な費用を請求されるリスクもあるため、ご連絡を受けたらできる限り迅速に対応します。ご本人がいらっしゃる際はコミュニケーションを重ね、『清潔で快適な生活につながる』ということを理解していただけるよう努めています」

 時には、一戸建て住宅で2トントラック6台分の不用品を搬出。作業の中で、家族や本人も把握していなかった宝飾品や現金が見つかることもあるそうです。

 「遠方に住むご家族から、『全て処分してください』と言われることもあります。しかし、価値のある品物や、ご家族の思い出の品はきちんと分別し、必ずお客さまへお伝えしています。作業を終えたあと、『心まで整理されたようです』『気がかりが解決して心が軽くなりました』と、お声をいただくと疲れが吹き飛びます」

#chapter3

生前整理やエンディングノートの普及に努め、「空き家整理」にも尽力

 かけがえのない人を亡くし、途方に暮れる人を数多く見てきた林さん。悲しみの中、故人の愛用品に触れるのはつらいものです。

 「死は思いがけず突然訪れることもあります。ご遺族が、何が大切で、何を誰に託すのかを判断するのは容易ではありません。終活の一環として、生前整理の意義をもっと多くの人に知ってもらいたいですね」

 林さんは、希望する依頼者にはエンディングノートを手渡しています。気力・体力が十分なうちに家財を仕分け、子どもたちと「死」について話し合うことはタブーではなく、人生をどのように締めくくりたいのか、自身の意思を示す機会になると言います。

 「生前整理にはメリットしかありません。部屋が片付けば、転倒事故のリスクが減り、必要な物も探しやすくなります。何より、家族の負担を減らすことができます。エンディングノートに感謝の思いとともに、自分が亡き後、物事の進め方についてメッセージを記しておけば、子どもや親族間のトラブルも避けられるのです」

 近年は日本全国で空き家の増加が深刻化。高齢化や人口減少などが背景にあり、社会全体で解決すべき課題とされています。林さんも、空き家問題の解消に取り組みたいと意欲を見せます。

 「管理が行き届かず、家屋が荒れると防犯や衛生面などで地域に悪影響を及ぼします。残置物を撤去し、建物や土地を有効活用できる状態に整えることが重要です。今後は『空き家整理』サービスを提供し、地域に貢献していきたいと考えています」

(取材年月:2025年9月)

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林洋輔

依頼者の心に寄り添った不用品回収・片付けのプロ

林洋輔プロ

生前整理・遺品整理

関西エコアシスト

京都府宇治市を拠点に、家庭や事業所などで不要になった不用品を迅速に回収。また、生前整理や遺品整理などの経験も豊富。依頼者の心に寄り添う対応を心がけ、不用品の中から思い出の品を見つけ出すお手伝いも

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