グローバルな視点で子どもの個性や想像力を育むプロ宗方美和

グローバルな視点で子どもの個性や想像力を育むプロ

宗方美和

必要に応じ夕食・入浴も提供。保護者に寄り添う企業主導型プリスクールを展開

　熊本市の中心街、中央区坪井と九品寺で校舎を構える「Emile International School（エミルインターナショナルスクール）」。保育と教育の要素を兼ね備えた、幼保一体型のプリスクールです。

　「英語を“学習する”のではなく、生活の中で自然に身に付けていけるのは幼児期ならではのメリット。特に0歳児からネ－ティブの英語に触れる体験は大きいと思います。当園では、自らの意思で行動する自発性や主体性を育むことを重視し、外国人講師と保育士が英語で子どもたちの心身の成長をサポートしています」

　そう話すのは園長の宗方美和さん。子どもたちが伸び伸びと過ごせる環境を用意しています。

　「英語はあくまでもツールですので、子どもたちが好きなものや興味を持っていることを軸に、『知りたい』『楽しい』と前向きになることで言葉を発し、コミュニケーションが生まれます。子どもたちが英語を通して国内外の人とつながり、異なる価値観や考え方に触れる中で、自分とは違う意見にも耳を傾けて、お互いに尊重し合える人になってくれたらうれしいですね」

　その子らしさを大切に、多様性の時代を生きる力を養うべく尽力する宗方さん。認可外が多い英語保育施設の中にあって、同園は内閣府が管轄する企業主導型保育園として展開。認可園と同様、保護者の就労などにより、0歳児から小学校就学前までの子どもを受け入れています。

　「延長は22時まで。必要に応じて夕食や入浴も提供しています。当方がお手伝いすることで、忙しい保護者さまに少しでも余裕を持ってお子さまと向き合う時間を提供できればと願っています」

ネーティブスピーカーのもとで、保護者も子どもと一緒に学ぶチャンスを

　宗方さんが英語教育に携わり始めたのは20年余り前。当時勤務していた熊本市の企業が東京で幼児英語塾を開き、責任者に抜てきされました。

　「事業としては軌道に乗りましたが、子どもたちの様子を見るにつけ、週に数回、数時間のレッスンでは言語の習得は難しいと痛感しました。会社に掛けあい、英語で教育を行うプリスクールへと業態を変更しました」

　宗方さんは園長と運営会社の代表取締役を兼務。当初1人から始めた園児が約70人に達するまでになり、地元熊本に関わる仕事をしたく2021年に退社しました。そして翌年、現在のスクールに入社。2023年春には創業者に園長の任を託されます。

　「幼児の英語教育に長く携わる中で、流ちょうに話すことより、自分らしい表現で、心を開いてコミュニケーションを取ることが重要だと気づきました。多様な人々とふれあい、広い視野で物事を見られるよう後押ししたいですね」

　園内には「I’m proud of you」「Great job!」「Thank you for listening」「You’re amazing !」など、子どもを温かく肯定するフレーズが飛び交います。

　「『語彙などが増えるにつれ、子どもが話す英語についていけなくなった』と悩む保護者さまも少なくありません。当園にはネーティブスピーカーの職員がおりますので、『身近に語学環境がありますから、一緒に学んでいきませんか？』とご提案しています。かくいう私も、仕事で使い始める前は自信を持って英語を話せませんでしたし、今も勉強中です」

小学生のための学童保育施設も運営し、地域に開かれた場所を目指して活動

　宗方さんのもとでは音楽・ダンス・体操・水泳など、外部講師による専門的なプログラムも実施。種目の上達を第一の目的とはせず、「自分が好きなこと、得意なことを見つけてほしい」との思いでカリキュラムを構築しています。

　「今後は、海外や日本の文化、自分たちの住む地域の歴史、相手に失礼のない礼節について学ぶ機会や、自然や季節を肌で感じる場を増やしたいですね」

　オンラインツールを使い、海外のスクールと互いの取り組みを紹介し合いながら交流を深めたり、親子留学制度なども準備中。また地域・国際交流も積極的に行い、子どもから大人まで、園外のさまざまな人と親交を深めてきました。地元の秋祭りに参加した際は、子どもたちのかわいらしいダンスが喝采を浴びたそう。

　「子育て世代だけではなく、地域に暮らす人々にとっても“開かれた場所”という役割を意識しています。子どもも大人も、それぞれの個性や国民性を大事にして相手の気持ちを思いやる、優しい心を育てる場所を目指しています」

　園内のフリースペースやホールを、サークル活動や習い事教室などに活用してもらい、ともに笑顔があふれる豊かな社会づくりをしていきたいと呼び掛けます。

　「小学生1年生から3年生を対象に、グローバル教育に特化した学童保育『Emile⁺ After School』もあります。熊本で子育てしている外国の方の相談に応じたり、コミュニティーを作ったり、皆さんの声を集めながら進めていきたいですね」

（取材年月：2023年10月）

個性を尊重する英語保育を通じて多様性の時代を生き抜く力を育む

必要に応じ夕食・入浴も提供。保護者に寄り添う企業主導型プリスクールを展開

ネーティブスピーカーのもとで、保護者も子どもと一緒に学ぶチャンスを

小学生のための学童保育施設も運営し、地域に開かれた場所を目指して活動

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