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エクセルなど広く知られたソフトウエアを使い、業務の効率化を支援

ITに関する豊富なノウハウをもとに業務効率化を支援するプロ

柳井康伸

柳井康伸 やないやすのぶ

#chapter1

システムエンジニアとしての経験をもとに、企業や医療機関に向けてIT活用をコンサルティング

 「当方は、エクセルなど一般的に知られたツールを使って、企業や医療機関の業務改善を支援しています」

 そう話すのは、高知市で2020年4月に創業した「Digi&Dev」の代表、柳井康伸さん。コンピューター関連事業を展開する日本IBMをはじめ、外資系IT企業に勤務。約30年にわたるシステムエンジニア(SE)としての実績をもとに、特に紙を使い情報共有している業務をシステム化することで効率化するコンサルティングをしています。

 「エクセルには、入力した数字を計算するだけでなく、指定した条件で合計したり、最大値や最小値を算出したりする関数や、操作手順を自動実行するマクロ、データの取得や加工を自動化できるパワークエリなど多彩な機能が備わっています。これらを使えば安価に、事務処理の効率化を図ることができます」

 インターネット上でファイルを保管するドロップボックスを導入すれば、社内共有も簡単で、在宅ワークの際もアクセスが可能。誤って消去しても、一定期間であれば復元できると言います。

 「日頃から入力作業の簡略化にこだわっています。例えば報告書で、空欄を設けるだけでは長々と作文する必要がありますが、重要な項目を細分化して箇条書きで済むようにしたり、定型文を選択できるようにしたり。いかにお客さまがストレスなく入力できるかを重視しています」

 実際に現場で働く人たちの声を丁寧に集めながら仕組みを構築する柳井さん。ある病院では別々に稼働している受付システムと超音波診断装置間を簡単に連携できるよう、患者番号をバーコード化しスキャナーで読み取るだけの入力方式にしたり、電子カルテの患者情報をQRコード化してレセコンへの手作業での入力を不要にしました。

#chapter2

東京の大学に進学し、SEとしてキャリアを構築したのち帰郷して61歳で独立

 1958年に高知市で生まれ、高校までを過ごした柳井さん。筑波大学理工学群社会工学類へ進学し、数学が得意だったことから、統計学の研究に打ち込んでいました。

 大学卒業後は日本IBMに入り、SEとしてのキャリアをスタートさせます。「当時は『何でも屋』だと見なされていましたから、大小さまざまなプロジェクトに参画でき、よい経験になりましたね」

 母親が体調を崩したのをきっかけに、55歳で高知へ戻ることに。帰郷後は、知人の紹介でメディカルサービス法人に就職します。「3年目からは社長の重責を担いました。経営は安定していましたが、私の専門であるソフトウエア関連の分野に携わりたいという気持ちが日に日に強くなり、入社から6年を迎え、60代になったのを機に起業することにしました」

 2019年末頃に独立の意志を固め、少しずつ準備をしていましたが、しばらくして世の中はコロナ禍へ突入。「まさかでしたね。ただ、お客さまが一社付いてくださることは決まっていましたし、年齢からしてもここで決断しなければチャンスはないだろうと考え、立ち止まらずに会社を立ち上げることを決めました」

 柳井さんが事業を営む上で大切にしているのは、常に謙虚な姿勢でいること。「地元に帰る前に読んだある本のなかに、『昔のことは忘れなさい。東京で大きな会社に勤めていた人が地方で仕事をしようとすると、変なプライドが邪魔をしてうまくいかない』と書いてありました。その通りだと妙に納得した覚えがあります」

#chapter3

経験を重ねた今が人生で一番パワフル。持てる力を生まれ育った故郷のため役立てたい

 長年東京で忙しい日々を送ってきた柳井さんには、持てる技術で生まれ育った故郷を元気にしたいという思いがあります。「会社員時代は、毎日が精いっぱいで余裕もありませんでしたが、現在は自分の裁量で働くことができるようになり、心にゆとりが生まれました。地元はシャッター街も散見されて寂しいですし、都会に比べればDX(デジタルトランスフォーメーション)化も進んでいるとは言えません。高知のために、自分ができることでお役に立ちたいのです」

 還暦を過ぎた柳井さんですが、職業人としてはまだまだ現役。「今が人生で一番パワフル」だと感じているそうです。

 「年齢を重ねると人は守られるべき存在だと見なされるようになりますが、私はそれが嫌です。最近は革新的なAI(人工知能)がどんどん誕生していますし、テクノロジーの進化によりIT業界はますます盛り上がり、私がお力になれることも多いと考えています。何より、体が衰えているとも思っていません。自分はまだ100%力を使い切っていないという気がしているので、果敢に挑戦してビジネスを広げたいのです」

 柳井さんは外資系企業に勤めるなかで海外のエンジニアと交流してきました。彼らの口ぐせが、「チャレンジこそが重要だ」というもので、エネルギッシュに活動する姿に大いに刺激を受けたと語ります。

 「同世代の人には、『年齢を理由に諦めるな。俺たちはまだまだいけるぞ』と言いたいですね。私自身がそれを示していきたいですね」

(取材年月:2023年7月)

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柳井康伸プロ

ITコンサルタント

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