PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

初心者から経験者まで、技術と経営力を兼ね備えた人材を育てるネイリスト・アイリスト育成スクール

技術と経営の両面からネイリスト・アイリストを育成するプロ

佃奈美

佃奈美 つくだなみ

#chapter1

一人一人の目標から逆算する、オーダーメードの技術指導

 「ネイリストやアイリストは一人でも始められ、活躍の幅が広い仕事です。思い切って一歩を踏み出しませんか」と呼びかけるのは、高知市愛宕町にサロンを構える「Crambe(クランビー)」の代表・佃奈美さん。ネイル、まつ毛パーマ、エクステの施術を行いながら、ネイリスト・アイリストの育成にも力を注いでいます。

 生徒は未経験者から、すでに現場で活躍する経験者、検定合格を目指す人、コンテストに挑戦したい人まで多様。美容師が施術メニューの幅を広げるために学びに訪れるケースもあります。幅広い生徒を迎えるにあたり、指導の最初に必ず行うのが、一人一人と向き合い「目標」を確認することです。

 「着地点がどこなのか。そこが定まらないと、どこをスタート地点にすべきかも変わってしまうんです。技術を磨きたい、指名を増やしたい、いずれは独立したい。やりたいことはあっても、どう実現すれば良いのか分からない人がほとんどです。だからこそ、点ではなく“未来までを見据えて線で考える”ことが大切。漠然とした思いを整理し、現実的な道筋へとつなげていくのが私の役割だと思っています」

 希望があればマンツーマンでの指導にも対応し、理解度や個性に合わせてカリキュラムを柔軟に組み立てています。考え方や手先の器用さ、目指す客層、伸びやすい分野は人それぞれです。

 「上達のポイントもつまずく理由も人によって異なります。その違いを見極めるのが講師の役目ですね」と佃さん。等身大の目標設定と段階的な成長を大切にしています。

#chapter2

スタッフを育てる責任が、技術を磨く力に。20年以上にわたる現場経験

 佃さんが美容の世界に足を踏み入れたのは、細かい作業が好きで独学で始めたネイルがきっかけでした。友人に頼まれて施術を重ねるうちに、指先の変化に喜んでもらえることが励みとなり、「もっと上手になりたい」という思いが自然と芽生えていったといいます。当時の高知ではネイルサロン自体がまだ珍しく、これが仕事として成り立つとは想像していなかったそうです。

 そんな折、つけ爪を買おうと初めて訪れたサロンとの出会いが転機になります。佃さんは「ここで働きたい、と思い切ってお願いしました」と振り返ります。こうして始まった美容のキャリアでは、ネイルに加えてまつ毛施術も学び、約三年間にわたり二つの店舗で技術を磨きました。しかし、勤務先が閉店することに。

 「困っているお客さまや後輩たちを置いていくことができなくて、自分で店を出すことを決めました」

 一人で始めなかったからこそ、スタッフを育てる責任が生まれ、自身の技術向上への原動力になりました。さらには、まつ毛施術の安全性が問題視され、法改正で美容師免許が必須となった際には、国家資格の取得にも挑戦しています。

 「サロンを経営しながらの勉強は本当に大変でした。ですが、お客さまの負担を少しでも減らせる、安全な技術を提供したい一心で続けました」

 現在まで20年以上にわたり美容業界に携わってきた佃さん。「お客さまのお子さんが大人になって、来店してくださることもあります。長年にわたる世代を超えた関係は、何よりの誇りです」と微笑みます。

#chapter3

「ありがとう」が原動力。人に寄り添う美容の仕事

 佃さんは、2008年にサロンを開業し、2022年には2号店をオープン。その経験を生かし、施術技術だけでなく、メニューの金額設定や集客方法など、経営面についても実践的なアドバイスを行っています。

 「技術が上手でも、必ずしもお店が繁盛するわけではありません。そこに悩む方が本当に多いんです」

 スクール卒業後も、施術を受けながら相談に訪れる人は少なくありません。さらには、サロンに出向いてスタッフ向けの講習を行ったり、美容学校で講義を行ったりと、育成の場はサロンの外にも広がっています。

 日々の業務で大切にしているのは、お客さまの背景や事情を理解したうえで施術に臨むことです。仕事の都合で選べるネイルカラーが限られる人、妊娠中で体に負担がかからない方法を求める人、汗をかきやすい、目をこするくせがあるなど、まつ毛施術に不安を抱える人の事情はさまざまです。
 「しっかりとした技術を提供するのはもちろん、お客さまのプライベートに寄り添いながらも、入りすぎない距離感を大切にしています」

 直接受け取る「ありがとう」の一言が、大きなやりがいにつながっているのだとか。また、異業種から転身する人や、子育てが落ち着いてから新たに挑戦する人も増えているといいます。

 「たとえ不器用でも諦める必要はないんですよ。不器用だと思っている人ほど作業が丁寧で、その丁寧さが評価されることもあります」と背中を押します。一人一人の良さを見つけ、長く活躍できるよう支え続けることが、佃さんの変わらぬ思いです。

(取材年月:2025年11月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

佃奈美

技術と経営の両面からネイリスト・アイリストを育成するプロ

佃奈美プロ

ネイリスト・アイリスト

Crambe

20年以上の現場経験と二店舗運営の実績を生かし、技術と経営の両面から、ネイリスト・アイリストを育成。一人一人の目標に寄り添い、将来まで見据えた実践的なスクールです。サロンでの出張講座も行っています

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ高知に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または高知放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO