人事・労務のコンサルタント
若山誉
Mybestpro Interview
人事・労務のコンサルタント
若山誉
#chapter1
企業の発展の根幹を担う雇用、保険、労働条件などの人事・労務の専門家である社会保険労務士。「これまでのように書類の手続きだけを行うのではなく、人事・労務のコンサルタントとして経営者をサポートするのが、これからの社会保険労務士の求められる姿だと思います」と語るのは、横浜市で社会保険労務士として12年間活躍している若山誉さんです。
労働に関するルール作りや労使間のトラブルに対応する労務と、評価制度や賃金制度、退職金制度など人事に関するルール作りを行う人事。この二つは切り離して考えることはできません。
「解雇や残業代の未払い請求などの問題は労務になりますが、その解決には人事の部分である賃金制度や評価制度の見直しが必要です」
これまでの豊富な経験により労務と人事、両方の分野に精通していること、また、特殊な人事・労務システムを持つ社会福祉法人など多種多様な業界に対応した人事・労務の相談に対応できるのが若山さんの強みです。相次ぐ労働法令の制定や改正など、経営者が日常の業務の中で気付かないような部分にも敏速に適切に対応。リスクを回避できるよう対策を取り、労使紛争などで経営者がトラブルに巻き込まれることを事前に防ぎます。
「トラブルが起こった後に対応を依頼されることもあります。その場合は経営者、従業員、どちらもできるだけ納得できる方法で解決するよう力を尽くします」と若山さん。ただし、あくまでも経営者のパートナーとしての支援というスタンスは忘れません。
#chapter2
若山さんの元に寄せられる相談で最も多いのは、解雇によるトラブルだそうです。
「企業側としては、解雇はやむを得ない手段だったかもしれませんが、従業員が納得のできる手順できちんとした手続きを踏まないと、不当解雇や残業代未払い請求などのトラブルを引き起こしてしまいます」
近年、従業員を対象とした相談窓口が増え、インターネットでも手軽で情報収集ができるようになったことから、従業員が経営者を訴えるケースが急増しています。こうしたトラブルを事前に回避するために必要なのが、就業規則をはじめとした社内の規則や制度、労働契約の見直しです。中小企業の場合、創業時にとりあえず形だけ作った就業規則をそのまま使い続けていたり、それを社員にきちんと示していなかったりする場合も多いといいます。
そこで、賃金制度、人事評価制度、退職金制度、雇用制度を、さまざまなトラブルを想定しながら法改正にもしっかりと対応した見直しを行い、社員にもきちんと示して互いに納得した上で雇用契約を結ぶこと。それがトラブル回避につながります。
「さらに、採用時の労働契約書や労働条件通知書、身元保証書から退職した場合の就業規則など、入社から退職までのすべての契約をきちんと書類で残すことが大切です」
#chapter3
外資系の証券会社でトレーダーとして11年間、第一線で活躍していた経験を持つ若山さん。体力的にも精神的にも過酷な業務に限界を感じるようになったそうです。
「これからは、長くじっくりと取り組める仕事をしたい」と考えた若山さん。第二の人生をかける仕事として社会保険労務士を選び、資格を取得。2000年に開業しました。
自らも会社員として働いてきた若山さん。社会保険労務士として、顧客である中小企業の経営者と接する上で大切にしているのが「相手の話をとことん聞く」ということだそうです。
「一つの問題に他の問題の原因が絡んでいることが多くあるのです。絡み合った原因を一つ一つ丁寧に解決していくためにも、じっくりと話を聞き、多角的な視点で判断することが重要です。」
また、経営者にとってなんとなく気にかかっているけれど、まだ重要視していない問題がある場合、それが後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。そうした漠然とした問題点を見つけ出し、事前に対策を練っておくためにも、ヒアリングを重視しています。
「対策を提案するときも、ワン・ツーで即答するのではなく、できればいくつかの方法を提案し、その中から経営者自身に選んでもらうようにしています」。押しつけるのではなく、あくまでも経営者のサポートとして人事・労務のプロの視点から支えます。
企業が事業を縮小する方向に向かっている現代社会で、人材と組織を活性化させることで企業経営の発展を実現する。それがビジネスマンとしての経験を活かした若山さんの人事・労務コンサルタントの姿です。
(取材年月:2012年1月)
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Profile
人事・労務のコンサルタント
若山誉プロ
社会保険労務士
若山社会保険労務士事務所
労働時間、解雇、セクハラやパワハラ等、従業員と会社間で発生するトラブルを解決。企業経営をサポートする人事労務のコンサルタントして活躍しています。
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