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おひとりさま・おふたりさまが「自分らしく最期まで安心して暮らせる」体制をつくる行政書士

おひとりさま・おふたりさまの様々な悩みに寄り添う行政書士

加藤俊光

遺言・相続専門の行政書士、加藤俊光さん
遺言・相続専門の行政書士、加藤俊光さん相談風景

#chapter1

単身者・子どものいない夫婦と、人生をどう締めくくるか、寄り添いながら一緒に考えたい

 「相続まちなかステーション」代表である行政書士の加藤俊光さんは、これまで相続・遺言に特化した活動をしてきました。2010年の開業から現在まで、多くの高齢者の相談を受けてきましたが、ここ数年「相続・遺言だけでご高齢の方々の悩みや不安を解決し、サポートするには限界がある」と強く感じたそうです。

 その理由を加藤さんはこう語ります。
「現代はご高齢の方の単身世帯である”おひとりさま”と、子どものいないご夫婦世帯の”おふたりさま”が増えています。最期をどう迎えるか、自分が受ける医療はどうするのか、死後の事務処理をどうするのか、など様々な不安を抱えていらっしゃいます。また、75歳の4人に1人は認知症にかかると言われている昨今、存命中に日常生活や財産管理ができなくなる可能性が高くなっています。『頼る人がいないが、どうして良いか分からない』というお声を多くいただいたのです」

 こうした「切実な不安を解消したい」「住み慣れた地域で、最期まで安心して自分らしく暮らせる環境と体制をつくりたい」という強い想いのもと、加藤さんは業務を拡大し、「任意後見契約」「死後事務委任契約」「墓じまい代行」も行なっています。加藤さんのモットーは、相手の心に寄り添うこと。遺言・相続はもちろんのこと、相手の意思を最大限尊重し、すべての業務に取り組んでいます。

 「遺言、契約と聞くと機械的で冷たい印象を持たれますが、実はそんなことはありません。遺言には”付言”といって、『なぜその内容にしたのか?』というその方の想いを綴る箇所があります。また、任意後見契約にしても、ご希望が万全に行われるための法的効力のある書類です。それがあることで、ご高齢の方の暮らしを守ることができますし、必要な時に必要なことが実行できる管理体制が整います」

#chapter2

地域の医療・福祉の専門職と信頼関係を構築、密接な連携で高齢者の生活をさりげなく見守る

 平塚にあるオフィスは加藤さんの地元でもあり、地域の医療機関や居宅介護支援事業所のケアマネジャーさんとも密な連携をとっています。この連携が、「たとえおひとりさまでも、孤独の中で最期を迎えることのないサポート体制ができる」と加藤さんは手応えを感じています。

 「あるおひとりさまの方は、3年ほど前からサポートを開始し、訪問介護の方や医療機関とも連携をとっていました。私も事あるごとに様子を見に、お話をしに足を運んでいました」
1年ほどしたある時、いつものように介護ヘルパーの方が帰り、翌日いつもの時間に訪れるとすでにお亡くなりになっていたそうです。すぐに加藤さんにも連絡が入りました。しかし、そのお顔はとても安らかで、主治医も驚くほどだったといいます。
「状況としてはひとりでお亡くなりになったと思いますが、最期まで地域の方々に見守られながら人生の幕を閉じられました。決して、孤独死ではないと思うのです」

 こうした経験を多くしている加藤さんは、今後さらに地域の医療職・福祉職と連携を強化し、ひとりでも多くの「おひとりさま、おふたりさま」の暮らしを支える意欲に燃えています。

 「最期までその方らしく暮らしていただく。そして、安らかな旅立ちをお見送りする。私の役割はこれに尽きる、と思っています。そのためには、法律の専門家と医療・介護の専門家がタッグを組んで取り組むことが必須です。そうすれば、ご高齢の方の不安も解消できますし、医療・介護の方たちの不安も解消できます。特に介護の方たちは、自分たちがどこまで介入していいのか判断に困っています。例えば、『死後に身寄りの方を自分たちで探すのだろうか?』など…。法律の専門家である私が死後事務委任契約を結んでいれば、そうしたことも一手に請け負うことができます」

業務風景(区役所)

#chapter3

最期まで寄り添うからこそ見えてくる”その人の想い”を分かちあえる喜び。それがやりがい

 使命感の強い加藤さんは、この仕事を「一生の仕事」として誇りを持ち、情熱を傾けています。「生まれ育った街の中で、人々が安心して暮らせるための知恵として、自分の法律知識や経験を、ひとりでも多くの方にご提供したい」という想いで開業したそうですが、高齢者との温かい関わりあいの中で、さらなる「やりがい」に巡りあったそうです。

 「私の仕事は、ご高齢の方と最期までお付き合いさせていただく仕事です。その月日は、人によってさまざまですが1、2、3年…と長く、その間、その方の”辿ってきた人生の軌跡”を垣間見ることもあります。多くを語らない方でも、ご一緒に過ごす時間を積み重ねれば積み重ねるほど、それを感じることができます。また、誰にも明かされない本心に気付くことがあります。ご依頼いただいた時点で信用していただいた証拠ですから、それだけでも嬉しく、ましてや人生の軌跡や心の奥底にある本心に触れ、最期まで寄り添えることに深い喜びを感じます」

 地域密着で、安心して高齢者が住める環境・体制づくり。加藤さんの取り組みはこれからさらに広がっていくでしょう。

(取材年月:2018年8月)

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専門家プロフィール

加藤俊光

おひとりさま・おふたりさまの様々な悩みに寄り添う行政書士

加藤俊光プロ

行政書士

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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