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「高齢者が賃貸物件に入るハードルを下げたい」との思いから生まれた生活サポートを展開

高齢者の住まい探しと暮らしをサポートする専門家

宮路常幸

宮路常幸 みやじつねゆき
宮路常幸 みやじつねゆき

#chapter1

見守りシステム「ドリームセンサー」と、入居から終活までを支える「20のサービス」で包括的に支援

 「近年、単身高齢世帯が増えています。体調の急変や転倒によるケガなど、ご本人はもちろん、お子さんやご親族も心配が絶えないでしょう。私どもでは、高齢の方々の住まい探しをお手伝いするだけでなく、暮らしの中のお悩みや困りごとに応えています」

 こう話すのは、神奈川県大和市で不動産業を営む「MYJホーム」代表の宮路常幸さん。「見守りシステム あんしん居住推進事業」を創業し、その一環として自社で扱う高齢者向けの賃貸物件すべてに、「ドリームセンサー」を装備しています。
 「トイレのドアなどにセンサーを設置しており、一定時間開け閉めがないと、お身内の方にメールが届きます。救命を保障するものではありませんが、入居者の方が脳梗塞で倒れ、異常を知らせて助かったケースも実際にあります」

 さらに、高齢者の“入居から終活まで”を支える「20のサービス」を用意。生活や健康上の課題にそって医療・福祉機関につなげたり、任意後見制度や家族信託の活用、公正遺言証書作成について案内したり、内容は多岐にわたります。
 「財産状況、近親者の有無など、取り巻く環境はそれぞれ異なります。ご自身に必要なメニューを選んでいただき、一人一人に寄り添った支援をいたします」

 取り組みが業界紙などで取り上げられたこともあり、社会福祉協議会や行政、介護事業者、弁護士らとの連携が進み、手厚いサポートが可能となりました。宮路さん自身も、高齢者住まいアドバイザー、終活カウンセラーといった資格を保有。「一通りのことはアドバイスできます」と意欲を見せます。

#chapter2

物件オーナーにも配慮したサービスを提供。住まなくなった一戸建ての売却もお手伝い

 宮路さんが「20のサービス」を構築したのは、高齢者とその家族に安心を提供したいというのが大きな理由ですが、マンションやアパートを所有・運用している側の不安を解消する目的もあります。

 「孤独死や事故死で物件の資産価値が下がることを危惧し、高齢者との契約に難色を示す仲介業者やオーナーさまもいらっしゃいます。前向きにご検討いただけるよう、家賃滞納のリスクに備える家賃債務保証を採用しています。これは、入居者が病院で亡くなったり、認知症で所在がわからなくなったり、外出時に事故に遭った際も対象となります」
 借り主、そして貸主にも配慮することで徐々に理解が深まり、高齢者が賃貸を利用するハードルは少しずつ下がっていると言います。

 「売却のご相談もたまわります。例えば配偶者を亡くし、一人で一戸建てに住むには広すぎるとお考えの方、身寄りがないので元気なうちに自宅を手放し、新たに部屋を借りる方など、事情はさまざまです。中には、離婚による財産分与のために持ち家を処分するご夫婦もいらっしゃいます。いずれにおいても賃貸同様、ご要望に応じて柔軟に対応しています」

 地方にある不動産を売りたいという場合も、「当方にお任せください」と宮路さん。「ただ、市場の動向や社会情勢などタイミングが悪い時は、焦らず、いったん据え置くよう助言することもあります。お客さまにとってベストな方策を見極め、有用なご提案をしたいですから」と力を込めます。

宮路常幸 みやじつねゆき

#chapter3

信用金庫に勤めた「お金のプロ」だからこそできる財産管理も強み

 自然豊かな鹿児島県薩摩川内市で生まれ育った宮路さん。人と交わる仕事をしたいと考え、高校卒業後に上京し、信用金庫に就職しました。

 「前職では、営業、債権回収、広報といった業務に携わりました。支店では、相続でもめる取引先の姿を目の当たりにするなど、お金の良い面も悪い面も見てきました。現実に即した実務経験が、高齢者の財産管理をサポートする上で生きているなと感じます」

 三十余年にわたって勤めた信金を55歳で退職。さらなる社会貢献を目指し、2003年に起業しました。
「当初は、幅広い層を対象に不動産の賃貸・売買の仲介を行っていました。しかし、年齢を重ねると住まいを確保することが難しいという問題に直面し、高齢者に向けた住宅あっせんの事業を主体にしました」

 金融、不動産について豊富な知見を持つ宮路さんのもとには、講師の依頼も多く寄せられます。これまで、エンディングノートの書き方に関するセミナーや、東京ビッグサイトでの賃貸住宅フェアなどに登壇。全国宅地建物取引業協会連合会が主催する、弁護士・司法書士らとの意見交換会にも赴きました。
「高齢者に特化した不動産業者はまだ少ないようなので、お声がかかるのでしょうね」と笑顔で語ります。

 「日本は、2035年には3人に1人が65歳以上になると言われています。今後ますます私どものサービスが求められるでしょう。ご高齢者さま、オーナーさまがウインウインの関係になれるよう、これからも尽力してまいります」

(取材年月:2022年6月)

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専門家プロフィール

宮路常幸

高齢者の住まい探しと暮らしをサポートする専門家

宮路常幸プロ

不動産業

有限会社MYJホーム

体調の急変に備え、見守りシステムを導入した高齢者向けの住宅をあっせんし、任意後見や相続の相談サービスを用意。高齢者とその家族に安心を提供し、オーナーの不安軽減のお役にも立ちます。

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