利用者の自立を促す介護予防と在宅生活支援のプロ西山未姫

利用者の自立を促す介護予防と在宅生活支援のプロ

西山未姫

専門家として結果にこだわり、全社員が自身の能力を最大限に発揮できる職場環境を作る

　観音寺市の「株式会社双歩会」が運営する「LEAF」は従来のデイサービスのイメージとは異なる、機能訓練（リハビリ）特化型の半日入替型のデイサービス。LEAFのコンセプトは「Life area support（地域生活支援）」「Even connection（対等な関係の重視）」「Active rehabilitation（積極的リハビリ）」「Free play for everything（すべての人に心身の自由を）」の頭文字をとったもの。こちらではまず利用者の心身機能面の評価と既往歴などを確認。そして住環境などをヒアリングし、その人に合った訓練のプログラムを作成してくれます。例えるなら、高齢者のためのパーソナルトレーナーです。

　代表取締役の西山未姫さんは、作業療法士として病院や施設で働いていました。患者は慢性期や終末期の高齢者も多く、その時に「介護予防」の大切さを痛感。また、心身機能が低下した高齢者は社会的弱者になってしまうことが多い現実を目の当たりにし、ショックを受けました。そんな時、自身も大病を患い、これからの人生において子供に誇れる仕事がしたいと思い起業を決意しました。

利用者それぞれのために作る、オンリーワンの個人プログラム

「高齢者は弱者ではなく、これまでに我々が歩む道を切り開いてくださった先駆者であり、今後私たちが歩む道の一歩先を進んでいる人生の先輩です。私たちは人間同士という関わりを重視し、私達だからできることは何かを追求したサービスに努めています」と話す西山さん。

　「LEAF」では初年度から毎年、利用者一人一人に1年間の写真をまとめたアルバムをプレゼントしています。これは利用者が喜ぶことをしたいという思いで始めたもので、そこには訓練の様子や誕生日をお祝いした時の写真など、利用者の笑顔がたくさん収められています。また、数年前にこちらのデイサービスを利用していた方の家族が今でも庭で育てた花を届けてくれ、介護や状況の相談しに訪れるそうです。西山さんは以前の利用者の近況が分かると安心できるからとても嬉しいと話します。

　機能訓練特化型デイサービスの利用は、まずはバイタルチェックから始まります。血圧、脈拍、体温、血液中の酸素濃度を測定、自覚症状などの聞き取りをした上で15分の体操を行います。その後、個人メニューのリハビリを適度な休息をとりながら2時間行います。その後、バイタルチェックと整理体操をして終了です。足腰などを全体的に鍛えるベーシックな筋トレはスタッフがマンツーマンで行います。それぞれの筋力に合わせて行うので、利用者の細やかな変化にも気づくことができるメリットがあります。それぞれに個人メニューを用意するので、利用者同士で他の人は何をしているのかという関心が生まれ、一緒にやってみようという意欲が生まれるそうです。すると「今日も○○しなければ！」という利用者の「役割」ができます。介護予防はもちろん、この「役割」がとても大切な部分で、これが利用者の生きる意欲と活力に繋がります。

誰もが自分らしい人生を楽しむために何ができるかを追求

　西山さんは利用者が安心・安全で誰もが互いを尊重し、大切な存在として毎日を過ごすためには心身の健康と役割の獲得、社会参加が必要不可欠だと考えています。
　
　機能訓練特化型の「LEAF」では、可能な限り結果にこだわっています。以前、もう歩けないとリハビリを放棄された利用者がこの施設を初めて訪れた時、西山さんはまだ歩ける可能性を感じました。そしてリハビリを行った結果、自宅で昼間に1人でトイレに行けるまでに回復。個人に合った適切なリハビリ、自宅での活動、家族の支援、環境整備など必要な要素がすべて揃った時、劇的に回復する人が多いそうです。

　西山さんは長年介護の現場を見てきたからこそ、高齢者理解や介護者支援活動の普及にも力を入れています。介護は24時間365日ずっと続くもので、介護による疲労に加え、仕事や家庭とのバランス、職場・家庭環境のストレスなど介護者が抱えるストレスは計り知れません。介護者のボディ・メンタルケアとワークライフバランスの改善は必要不可欠だと考え、介護者ケアとして在宅介護者向け、介護従事者向けの2つのプログラムを用意しています。また「株式会社双歩会」では被災地などのボランティア活動をはじめ、地域における介護予防や健康増進活動のさらなる普及にも力を入れています。医療福祉分野におけるサービスの質の向上や地域における連携・基盤強化を図り、誰もが安心して過ごせる体制を築き上げるため、西山さんをはじめ創業当初から共に働く信頼できるスタッフが同じ方向を向き、日々邁進しています。

（取材年月：2019年11月）

機能訓練特化型デイサービスで利用者に生きる活力を

専門家として結果にこだわり、全社員が自身の能力を最大限に発揮できる職場環境を作る

利用者それぞれのために作る、オンリーワンの個人プログラム

誰もが自分らしい人生を楽しむために何ができるかを追求

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