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土木・水道工事業者としてインフラを整え、暮らしの基盤をつくり、地域社会に貢献

公共事業から住宅の水道・外構工事まで幅広い工事に対応するプロ

菅野弘一

菅野弘一 かんのひろかず
菅野弘一 かんのひろかず

#chapter1

道路や河川、宅地の整備、給排水設備や水回りのトラブル、外構工事に対応

 「道路や水路など、生活やビジネスを営む上で不可欠なインフラを構築、改修する土木事業者は世の中に欠かすことができません。業界に対し『きつい』とのイメージもありますが、労働環境を整え、後進を育てることで、地域社会を支える存在であり続けます」

 力を込めるのは、岩手県奥州市に拠点を置く「水土環境」の代表取締役・菅野弘一さん。県内の道路や河川の整備、宅地造成など暮らしの基盤づくりに従事しています。

 「分譲地開発では、重機で土地の表面をならしたり、上下水道を配置したり、作業は多岐にわたります。通常は複数の業者が入りますが、弊社ではすべてを一貫して請け負うことが可能です。工程の調整が不要で、問題が発生しても迅速に対応できると発注元から重宝されています」

 誰もやりたがらない難しい内容ほど「やってやろう」と気概が湧く菅野さん。「困難な工事こそ、プロの腕が試されます。自分が納得できるまで技巧を凝らす職人のようなものです」と意欲を示します。

 依頼主の意向を理解し、先を見越して提案する姿勢や精密な技術力が評価され、公共事業から一般住宅の水道工事まで実績は多数。

 家庭やオフィスの給排水設備や水回りの漏水トラブルにも対処。駐車場やスロープの舗装、門扉やブロック塀、ウッドデッキの設置、植栽を行う外構・エクステリア工事も手掛けています。

 「主に下請けとして幅広い案件を受けていますが、個人のお客さまから直接ご用命いただくこともあります。『きれいにしてくれてありがとう』と感謝の言葉を頂戴することがあり、やりがいを感じる瞬間です」

#chapter2

誰かに必要とされ、役に立ちたい思いが会社設立と事業の原動力に

 高校卒業後、地元の建設会社に就職した菅野さん。いわゆる「就職氷河期」で、求人枠1人に対して10人以上が応募するほど、狭き門でした。

 「入社してもすぐに実務につけるわけではなく、『あっちの現場へ行け』と方々に駆り出され、現地に行っても仕事をさせてもらえず。できるのは道路の掃除だけでしたがくさらず、真面目にやっていたある日、現場監督が『これをやってみるか』と作業を任せてくれたんです。声を掛けてもらい、本当にうれしかったですね」

 菅野さんは誰かに必要とされ、役に立つ喜びを実感。何事も一生懸命に取り組めば報われる原体験となっているのが、高校時代の部活動です。

 「泳げないのに体が大きいという理由で水球部に勧誘されました。やめたい気持ちがよぎるも、最後まで練習に出て競技を続けました。『やればなんとかなる』という成功体験を得たことが、今日に至るまで自分の糧になっています」

 2011年の東日本大震災では、勤めていた建設会社が小規模で十分な人員もなく、すぐに復興に携わることができなかった悔しさが会社設立の原動力となりました。

 「会社の業務がストップしてしまい、1週間ほどテレビで被災状況を見るしかできませんでした。『多くの方が困っている時こそ力になりたいのに、何もできない』という無力感がありましたね」

 2019年に起業し、水球部の後輩2人も従業員として加わり、地域に必要とされる事業者を目指してともに歩んでいます。

菅野弘一 かんのひろかず

#chapter3

働きやすい環境を整備し、若手を育成することで業界を存続・発展

 菅野さんが建設会社で働いていた当時は、休みは日曜日のみ、手当もほとんどつかない厳しい労働条件でした。

 「業界全体で後継者の育成が進まなかったことが原因で人手不足が深刻化し、事業を継続できない会社もあります。社会インフラの保守管理を担う土木事業者がいなくなってしまえば、地域の衰退につながります。若手が働きやすい環境をつくり、業界を存続・発展させることが使命だと思っています」

 自身の経験を踏まえ、土日祝日を休日とし、住宅手当や家族手当を支給。異業種からの転職者も受け入れ、工事のノウハウを丁寧に教えています。
 「安全管理や技術面の基本は指導しますが、実地についてはそれぞれのやり方を尊重しています。自ら創意工夫する方が、よい仕事につながると考えています」

 菅野さんのもとに集うのは若手が多く、「現場で『楽しそうだね』と言われることもあります。雰囲気の良さを評価されるのは最高の褒め言葉ですね」と目を細めます。

 事業にまい進するも、2023年に会社の倉庫が全焼し、資材や重機をすべて失うという大きな試練に直面しました。
 「順調に成長していた中での出来事でショックでしたが、従業員が『一緒に頑張りましょう』と言ってくれたんです。人材の大切さを痛感し、一から会社を立て直しています」

 上下水道の老朽化に伴う修繕工事の増加を見据え、機動体制を強化。地域に貢献する一環として、個人の困りごとにも応えていきたいと抱負を語ります。

(取材年月:2025年2月)

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菅野弘一

公共事業から住宅の水道・外構工事まで幅広い工事に対応するプロ

菅野弘一プロ

土木・水道工事業

株式会社水土環境

土木工事をはじめ、上下水道工事や一般住宅の外構、舗装工事など、幅広い分野で対応。難易度の高い工事にも柔軟に対応し、長年培った技術で仕上げます。現場には若手社員も多く活気のある雰囲気で取り組んでいます。

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