社会保険労務士としてお客様に向き合う障害年金のプロ
田中幸男
Mybestpro Interview
社会保険労務士としてお客様に向き合う障害年金のプロ
田中幸男
#chapter1
「傷害年金」は、病気やケガによって生活や仕事に支障がある人に対して支給される年金です。20歳以上の国民年金や厚生年金を納めている人で、条件を満たせば受給できます。が、そんな年金があること自体、あまり知られていません。
「年金事務所で説明を受けても、障害を持っているご本人が申請手続きをするのは、かなりハードルが高い部分もあるんです。『誰に聞いたらいいかわからない』という方がたくさんいるので、ぜひ相談してほしい」
社会保険労務士の田中幸男さんは、障害年金の申請から受給までをサポートしています。障害年金を専門に扱うノウハウを持った田中さんは、岩手県大船渡市に事務所を構えていますが、困った人がいればどこへでも飛んで行きます。
田中さんが社会保険労務士の資格をとろうと思ったのは、前職・警備会社で労務関係の仕事を担当したことがきっかけでした。
「労務管理の手続きは、労働基準法関係の法律を調べながら進めていました。その時、専門的な知識を持っておいた方がいいなと気づきました。そこで、40歳過ぎてから、資格取得の勉強を始めました。」働きながら学び、みごと試験に合格。その後、警備会社を退職し、2012年に独立開業しました。
開業して間もない頃、年金事務所の相談員として、来所者の話を聞くうちにあることに気づきました。
「障害年金申請は、お客様ご本人が請求するのはかなり難しく、丁寧な申請書類を作成しないと認定されないケースもあります。何をどうすればよいのかわからない、相談する人もいない、という方が多いのです。」
そこで、田中さんは、年金業務の中でも、特に障害年金の請求申請代行をメインの業務にしました。
「個人的に、障害年金の相談会も開いています。おかげさまで、多くの方々が相談にいらしています。」相談会では、申請方法をわかりやすく説明します。田中さんの専門性を生かした活動は、口コミや社会保険労務士仲間たちからの評判もあって、顧客からの信頼を集めています。
#chapter2
田中さんのこだわりは、どんな病気やけがの相談でも、丁寧に応対することです。「お客様によっては、何度申請しても不支給になってしまい、諦めている場合もあります。その方々には、まずきちんと病歴などを聞くことから始めます。」
申請にはノウハウがあります。そのため、話を聞き進めると、「もっとこうすればよかったのに」と感じることもあるそうです。それがわからずに年金事務所に書類を提出すると、不備があるという理由で戻ってきてしまうケースも多いのです。
例えば、診断書を医師に書いてもらう場合にも、依頼方法、日常生活上の困難さ等の正確な伝え方など、誰も教えてくれないノウハウがあります。田中さんは、これまでの経験から、書類作成上の注意点を指摘します。
「書類には、発病してからどういう状態だったかを記載するものがあります。本人が書いてしまうと、思いの丈を書き連ねる傾向にあります。ところが、審査する側は1日何百枚と読むので、やはり要点や重要な点を漏らさず記入することが大切です。」それでも伝えきれない部分は、「申立書」などを添えて提出できます。その際、田中さん自らが、医師に手紙を書いて、受給につながるための診断書を作成してもらうこともあるそうです。
田中さんはお客様との面談を大切にしていますが、障害年金を受けるための条件が揃っているか、保険料をきちんと納めているかなど、その要件で請求できるのかも徹底的に調べます。申請代行といっても、ただ書類をそろえて提出するという事務的なことだけをするのではありません。申請書を適切に処理してもらえるように、丁寧に書類を作成するのです。田中さんの細やかな気配りのおかげで、多くの人が障害年金を受給できるようになっています。
#chapter3
「最近は、精神疾患が増えている傾向があるように思います。うつ病などの精神疾患は、診断書ですべて決まります。中でも、最初に病院で診察を受けた日と、日常生活における支障の程度が大変重要になります。障害には等級があり、働けない状態、一人で家から出られない状態などにより、どの等級に該当するかが審査されます。」田中さんは、障害の状態も見極めながら面談します。
自分が障害年金の受給対象になっていることさえも、わかっていない人も多いそうです。例えば、大腸がんで人工肛門を付けている場合の障害等級は3級です。「該当するとは知らなかった」ということで、5年前までさかのぼって受給されたケースもあります。
「障害、病歴、仕事の状況は、人によって違います。よって、申請の内容も画一的になるはずがなく、人それぞれになるものです。働けないために収入がない方々は、障害年金を受給できるようになれば、多少なりとも経済的なバックアップになるので、治療に専念できるようになってほしいと思います」と語る田中さんは、「お客様=患者さん」に寄り添った心強い味方です。田中さんは、相談したい方が指定された場所なら、どこへでも出向きます。自宅はもちろんのこと、ファミリーレストランなどでも、個別面談に応じています。
田中さんは、職業訓練校の講師として、社会保険や労働法関係の講座の受け持ち、ユーキャン社会保険労務士講座の非常勤講師など、大忙しです。さらに、ご自身で岩手障害年金サポートセンターの運営、年金事務所の相談員、労働基準監督署の相談員なども担当しています。こうした活動は、障害年金の周知活動に繋がっています。
一方で、時代の移り変わりとともに障害や病気も変化していくため、医学書等も読んで日々の勉強は欠かしません。
「相談者の申請書が通った時に見せる喜ぶ姿をみると、自分の仕事が役立っていると実感します。これからも、常に新しい情報や知識を得て、より多くの人を丁寧にサポートしたいと思います。」
田中さんの真摯なプロの姿勢は、今度も障害を乗り越える人たちの助けとなることでしょう。
(取材年月:2019年12月)
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社会保険労務士としてお客様に向き合う障害年金のプロ
田中幸男プロ
障害年金に関するサポート・申請代行
田中幸男社会保険労務士事務所
病気やケガによる不安や心配を抱えた相談者にわかりやすく解説し、障害年金の申請から受給まで妥協のない手続きをサポート。相談会を定期的に開催し、障害年金の周知を図り、ノウハウを駆使して強力にサポート。
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