“ヒト”に関する問題を解決。総務部業務のアウトソーシング

企業の“ヒト”に関する問題を解決。労務相談のプロ

菅原かおり

#chapter1

まずは社会保険労務士という存在を知ってほしい

　奥州市に事務所を構え、県内の様々な企業をサポートしている「かおり社会保険労務士事務所」の菅原かおりさん。「社会保険労務士」とは、採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題や年金など、企業経営の中の“ヒト”に関するエキスパートです。「岩手県内では社会保険労務士の関与率、知名度がとても低く、弁護士さんや税理士さんは知っていても、社会保険労務士は何をしているの？　という方も多いです。ですから、県全体として社会保険労務士の知名度をあげていきたいと思っています。会社の中で、ヒトに関わる問題についてはまず一度、私たち社会保険労務士に相談してほしいですね。これは誰に相談していいか分からない、ちょっとしたことでもいいので、まずは声をかけていただきたい。また、年金に関するプロは社労士しかいないので、困ったら是非相談してほしいですね」と菅原さん。

　現在、菅原さんがサポートしているのは社員数70名ほどの会社から1人や2人で経営されている会社など、中小企業がメイン。小さな企業では、従業員の皆さんとコミュニケーションを取ることも多く、会社に訪れた際には従業員から直接、相談をされることも多いそうです。「“社労士の先生”という感じではなく、より身近に相談できる人でいたいと思って仕事をしています。餅は餅屋さんではないですが、社長さんがお一人で全てをやってらっしゃる会社では、事務的な仕事は私に任せてもらって社長業に専念してほしいんです」と菅原さんは話します。

#chapter2

人生を変えるための資格取得

　菅原さんが社会保険労務士の資格を取得したきっかけは再就職のためでした。「再就職をしようと思った時に、なかなか就職できず、資格が必要だと思いました。行政書士と迷いましたが、自分の老後の年金についても勉強できると思い、社会保険労務士を選びました。資格取得の時は人生で一番勉強しましたね。あの時頑張って本当に良かったと思っています」。菅原さんが資格取得をしたのは32歳の時。子育てと仕事をしながらの受験でした。朝早く起きて、会社のお昼休みの時間、そして子どもが寝た後など、時間を作って勉強に励む毎日だったそうです。

　「本当におかしいくらい勉強しましたね。その時は子どものためにという気持ちと、合格したら人生が変わると思っていました。何かの転機があるんじゃないか、きっとバラ色の人生が待っていると。実際は何も変わらなくて、合格発表の次の日は普通の平日だったんですけどね」と菅原さんは笑って振り返ります。すぐにバラ色とはいきませんでしたが、資格を取得できたことで、社会保険労務士として事務所を設立し、たくさんのお客さんと出会い、毎日忙しく仕事ができるようになりました。菅原さんがあの時、イメージしていたバラ色の人生に、色が付き始めています。「もうちょっと色が欲しいところですが、まだ経験不足もあって、満開ではないですね。10年後くらいには満開にできたらいいですね」。菅原さんはとても前向きに、自身の10年後を見据えています。

#chapter3

フットワークの軽さが自慢。臨機応変に24時間対応

　菅原さんの強みは行動と情報の速さです。菅原さんは県内の社会保険労務士の中では“若手”。夜でも会社に訪問するなど、24時間、迅速に対応してくれます。また、ユーキャン社会保険労務士講座の非常勤講師も勤めているので、法律の改正に強いことも大きな強みです。「社長さん1人の会社ですと、夜に相談に来てほしいということがあるので、時間に関係なく対応しています。365日稼働している会社さんもありますので、お客さんに合わせると土日も無いような状態ですが、自分が好きで始めた仕事なので楽しくてしょうがないですね。皆さんと関わり合いが持てることに、非常に感謝しています。この仕事をしていなかったら、普通のOLをしていたら、社長さんにお会いすることなどなかったですからね」。菅原さん自身も事業所の経営者。経営に関する先輩方と接することは、同じ経営者としてもとても貴重な経験になっています。

　「社会保険労務士に合格したからそこで終わりではなくて、仕事を進める中で、もっと知らなければならないことが出てきます。法律だけでなく、裁判例から判断しなければならない事例もあるので、勉強も続けて行かなければなりません。色々なご縁のおかげでこうして仕事をさせて頂いています。いつかお世話になっている皆さんに恩返しをしたいですね」。菅原さんは今日も県内各地の社長さんの声を聞きに、忙しく走り回っています。

（取材年月：2013年12月）

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企業側の事情に合わせて24時間対応するフットワークの軽さが自慢。なんでも相談してもらえる社会保険労務士を目指し、社労士の守備範囲外の問題にはその道の専門家を紹介するなど相談窓口という意識を持って対応。

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