「働くを楽しく」をテーマに労使関係づくりを担う労務のプロ
小笠原利枝
Mybestpro Interview
「働くを楽しく」をテーマに労使関係づくりを担う労務のプロ
小笠原利枝
#chapter1
「労働・社会保険手続きや毎月の給与計算、就業規則の作成・変更、助成金の申請他、コア業務に集中していただけるよう、労務管理をサポートさせていただきます」と語るのは、盛岡市で「社会保険労務士小笠原事務所」を開く特定社会保険労務士(社労士)の小笠原利枝さん。労務管理に関することを一手に引き受け、地域の中小企業をサポートしています。
「労働保険・社会保険手続きや給与計算は生活に直結し、適正に行うことは従業員を守ることと同義です。手続きにミスがあった場合などは従業員に不利益をもたらすこともあります。法律を知らなかったではすまされません。コンプライアンスが重視される今、業務の精度が求められています」
全ての業種について時間外労働の上限規制が適用され、また労働条件明示ルールについても明示事項が追加されるなど、労務管理に、より厳格さが求められています。その他にも副業・兼業、リモートワークなど働き方が多様化し、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
「就業規則を実態に即して整えていくことはとても重要です。また助成金を申請する際の要件となっている場合もあります。各種制度について分かり易くお伝えしていきますので、是非ご相談ください」
手続き業務は、10年以上前から電子申請を導入。結果として、手続控えを「紙での保存」ではなく電子保存ができ、『DXの推進に繋がっている』いう声が寄せられています。
#chapter2
以前は企業に勤めていた小笠原さん。学生向け採用セミナーのサポート、給与計算などの人事労務に、経理もあわせて約16年携わりました。
「安定した会社員生活を送っていましたが、世の中をもっと知りたい、会社員ではなく違う視座で社会とかかわりたいという思いもあり、これまでの経験と親和性の高い社労士を次のキャリアとして考えるようになりました」
在職中に資格を取得し、2008年に事務所を開設。会社員経験だけで独立したため最初は大変だったといいますが、国の委託事業などで少しずつネットワークを広げ、地域に基盤を確立しました。
ターニングポイントとなったのは開業4年目。職員を雇用するようになり、事業主としての責任が増してきた時だそう。
「人を雇用するという責任の大きさを身をもって知りました。自分が会社員時代に目の前の仕事に専念できたのは、会社が制度を整え不安を抱くことがなかったからだと。いかに会社に守られていたかを改めて思いました」
そんな思いもあり、小笠原さんは「人にかかわる仕事」に携わる一社労士として、「企業で働く人が安心して能力を発揮することができる職場環境づくり」のテーマとして「働くを楽しく」を掲げます。
「従業員が安心して能力を発揮することができる職場環境を整えることは、ひいては生産性の向上へとつながることでしょう。また個々のパフォーマンスが上がることは、事業主だけではなく、サービスの提供を受ける顧客にとっても、さらには社会にとってもプラスに作用します。買い手よし、売り手よし、世の中よしの『三方よし』を目指しています」
#chapter3
最近は就業規則の作成・改定の依頼が増えていると話す小笠原さん。正社員のみで、パート・アルバイト等に向けた規程がない、または長年手を加えずに形骸化している規程もあるとか。
「賃金や退職金制度、休暇といった労働条件を明確にして周知することは、従業員が働くうえでの安心につながり能力を発揮しやすくなります。また服務規律を定め懲戒処分の対象となる行為を示すことで、従業員の行動規範が明確になります。このように就業規則は職場のルールブックなのです」
小笠原さんは事業主が法的義務を果たし、従業員が働きやすい環境を整えることが健全な企業経営のベースになると信じて、双方の懸け橋になるべく尽力してきました。しかし企業への社労士関与率は5割程度にとどまっており、まずは地元盛岡でこの関与率を引き上げることが目標だといいます。
「人にかかわることはセンシティブな問題をはらむため、自分たちでどうにかしようと考える企業も多いかもしれません。しかし労使関係のトラブルは双方の感情による部分も大きいからこそ、第三者による客観的視点が必要なのです」
顧客からは「就業規則で権利・義務をクリアにしたことで納得性が高まり、企業全体の生産性が上がった」、「事業主の法的義務や必要な配慮について確認することができ、建設的な従業員とのかかわり方を模索することができるようになった」などの声も寄せられているとのこと。
「笑顔でいきいきと働く人が増え、企業が発展していくことのお手伝いをすることが私たちの役目です。みなさまのパートナーとして一緒に考え、より良い職場づくりをしていきたいですね」
(取材年月:2024年8月)
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「働くを楽しく」をテーマに労使関係づくりを担う労務のプロ
小笠原利枝プロ
社会保険労務士
社会保険労務士小笠原事務所
労働保険・社会保険手続きや給与計算、就業規則の見直しなど労務管理をサポート。「働くを楽しく」をテーマに、健全な職場環境づくりを支援します。
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