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介護保険事業・障がい者就労支援・子どもの発達ケアで盛岡に笑顔の輪を広げたい

障がい児から高齢者まで個性を尊重し支援するプロ

中村正博

中村正博 なかむらまさひろ

#chapter1

利用者の声にじっくり耳を傾け、介護・福祉分野で幅広くサービスを展開

 「介護や福祉の仕事は楽ではありませんが、人と人の触れ合いの中でしか味わえない発見、喜び、感動があります」と話すのは、盛岡市で「多機能型事業所 ちゃちゃまる」を運営する「アースプロジェクト」代表の中村正博さん。

 「介護保険事業所 ヘルパーステーションちゃちゃまる」「就労継続支援B型 ちゃちゃまる」「児童発達支援・放課後等デイサービス ちゃちゃまる」を展開し、地域にケアの輪を広げています。

 「高齢の方や障がいのある方、お子さんと対象は異なりますが、いずれの現場でも大切なことは一緒。スタッフ全員が利用者さんの話にじっくり耳を傾け、しっかり向き合うこと。これに尽きます」 

 中村さんは20代から遺影専門フォトスタジオ、30代で中古車販売業を営み、40代で現在の道へ。事業を拡充する原動力は「ひとえにご縁であり、人とのつながり、特にスタッフが私の宝」と語ります。
 「福祉車両を扱ったことから介護従事者との交流が生まれ、担い手が足りないと知りました。自分にできることはないかと考え、たどり着いたのが介護タクシーです」

 2015年にヘルパーステーションを開業。盛岡市だけでなく隣接する矢巾町、紫波町、花巻市、滝沢市と広範囲をカバーしています。
 「通院の際などは、初任者研修・実務者研修の修了者や介護福祉士資格、二種免許を持つスタッフがドライバーを務め、車いすで乗降できる福祉車両を運行しています。また、サービス提供責任者を置いてケアマネージャーとの連携を強化することで、一人一人に合ったサポートにつなげています」

#chapter2

スタッフの要望から就労継続支援B型事業を開始。利用者のニーズをかなえるべく職種拡大中

 中村さんが、身体・知的・精神などに障がいを持つ人に向けた就労継続支援を始めたきっかけは、介護タクシーのスタッフからの相談でした。
 「難病と闘う利用者さんが『得意のパソコン技術を生かしたい』と言っていたそうで、その願いをかなえるべく、2017年に事業所を開設しました」

 雇用契約を結ぶ就労継続支援A型に対し、契約を結ばないB型は、障がいの度合いや体調に応じ、自分のペースで働けるのが特徴。月給制ではなく、工房などで生産した物への成果報酬として「工賃」が支払われます。利用に年齢制限はなく、企業などに就職する一般就労や、A型への移行に必要なスキルの習得も目指せます。

 「利用者さんの多くが、福祉関係者からの口コミです。好評の理由は柔軟な対応にあるのかもしれません」

 雑貨などの制作・販売、果樹の栽培補助や食品加工、セレモニーホールの清掃、パソコン・プリンター、レーザー加工機・カッティングマシンを使ったノベルティグッズ作製、イベント出店など、作業のバリエーションが豊富。利用者のニーズをもとに企業と交渉するほか、スタッフが講座に通ってノウハウを得るなどして増やしてきました。

 「それぞれできることもペースも違うので、利用者さんに力を発揮してもらうために大事にしているのはヒアリング。傾聴の姿勢で、ちょっとしたことでも声に出してもらえる関係づくりをしています。出会った頃は外出もままならなかった方がうちに通い、自分で作ったクラフトを見せてくれたり、笑顔が見られたりすると本当にうれしいですね」

#chapter3

子どもは地域のみんなで育てるもの。経験を通じて社会を学んでほしい

 2019年には、児童発達支援・放課後等デイサービスをスタート。「発語に心配がある」「友だちとうまく交われない」など、発達や生活に不安を抱える未就学児から18歳までの子どもを、アットホームな一軒家で受け入れます。

 小さい子どもは知育玩具で遊んだり、学校に通う子たちは宿題を済ませたり。サッカーをはじめ、体を使う屋外での取り組みもあります。

 「保護者の方に利用予定日を提出してもらっているので、スタッフがその日集まるメンバーを見て活動内容を決めます。子どもの個性や成長に寄り添い、見守っていくことが重要な役割だと考えています」と中村さん。

 長期の休みにはバスや電車に乗ってレジャー施設に出掛け、楽しみながら社会への順応力を養えるよう工夫しています。また保護者の気持ちを受け止めることや、学校とこまめに情報を共有することも日々心掛けているとか。
 「かつては、隣近所の人が面倒を見てくれました。子どもは、地域のみんなで育てるものなんです」

 中村さんは、独学でソーラー電源を活用した水耕栽培設備を自作するなど、チャレンジ精神が旺盛。「教えたい、一緒にやりたいと思える人がいると勉強も面白いですよ」とほほ笑みます。
 「私自身、利用者さんやスタッフから学ぶことがたくさんありますし、支えられています。『ちゃちゃまる』の“まる”は“円”。支援される側とする側にきっぱり分けてしまうのではなくて、みんなで円を描いて仲良くやっていけたらいいですね」

(取材年月:2022年6月)

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専門家プロフィール

中村正博

障がい児から高齢者まで個性を尊重し支援するプロ

中村正博プロ

介護・福祉事業

合同会社アースプロジェクト

介護タクシーをはじめ介護保険事業、就労継続支援B型事業、児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する多機能事業所。しっかり見てじっくり聞く姿勢を大切に、利用者それぞれに寄り添った支援を行っています。

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