労働問題からトラブルのない経営まで、企業経営の法的支援のプロ竹内克昭

労働問題からトラブルのない経営まで、企業経営の法的支援のプロ

竹内克昭

目先の利益よりも、将来の成長を守ることが企業にとっての一番の利益

　「金沢たけうち法律事務所」の竹内克昭さんは、経済団体職員、社会保険労務士、地方自治体職員などを経て弁護士となりました。現在、企業の経営者から労働問題に関する相談が多く寄せられているとのことです。「経済団体職員として、労働問題に向き合うことが多かったため、少しでも経営者の方々の助けになれるようにと社会保険労務士の資格を取得しました。さらに、法的な面からより充実した経営支援ができればと、自治体職員として働きながら司法試験に挑戦しました」

　あらゆる立場から企業経営に関わり、経営者との交流を経験してきたことから、物事を多角的に捉えることができるのが強みだと話す竹内さん。「労働者の不正や不当要求、競業や顧客の引き抜きなど、相談内容は多岐にわたります。トラブルのない経営を支援するため、就業規則や契約書のリーガルチェックをはじめ、組織を円滑に運営するための仕事も引き受けています」

　労働問題に関する訴訟は、労働者の生活を守る観点から、会社側が不利になるケースもよくあるそうです。しかし、「経営者は勝つことばかりにこだわらず、労働者のことも考えながら、会社の損失をいかに小さくするかということに目を向けてほしい」と力を込めます。「トラブルが長引けば長引くほど時間もお金も消耗し、本来、事業に向けられるべき資力が削られていきます。また、労働者の立場をおろそかにすると、対外的な信用を失う可能性も出てきます。ですから、目先の利益よりも将来の企業の成長を視野に入れて、アドバイスをするようにしています」

トラブルが起こる前に、気軽に弁護士を活用してほしい

　「問題解決の行動を起こすタイミングも大切」と指摘する竹内さん。「会社が必要な行動を怠ったり、曖昧な対応をしたりしていると、会社は被害者である労働者からの信頼を失い、責任を問われてしまうことがあります。どう対応すればいいのかわからない時は、放置せずにすぐに相談してください。トラブルの根本にある問題を掘り下げ、原因から解決し、同じことを繰り返さないように、しっかりと経営方針に合う対策をアドバイスします」

　「経営者のみなさんには、もっと気軽に弁護士を使ってほしいと思っています。例えば、新規事業にとりかかる際に、事業の概要や契約書のチェックを依頼するなど、トラブルとは関係のない場面で利用してもらえれば、何かあった時にも相談しやすいと思います。どのような企業でも、大なり小なりのトラブルは存在しています。訴訟になってから慌てて駆け込んでくるよりも、普段から『これは法的にはどうなるのかな？』など弁護士の知恵をちょくちょく借りることで、トラブルの芽を摘み、法的リスクを管理することが大切です」と話します。

　「訴訟が起こってしまうと、たとえ勝ったとしても満足のいく利益が得られるとは限りませんし、訴訟に使った時間やお金や労力を事業に注いでいたら、もっと大きな利益が得られたかもしれません」と竹内さん。「『過去』にばかりとらわれていると、『将来』がおろそかになってしまいます。『あいつだけは許せない。どうにかしないと示しがつかない』という感情もダメとはいいませんが、問題をできるだけ早く解決することによって生じた時間やお金や労力を『将来』のために向けることが、どれだけ有意義かは明らかです」

いろいろな経験をしたから、依頼者の気持ちが分かる

　「弁護士らしくない」と言われることも多いと笑う竹内さん。その親しみやすく、話しやすい人柄から、離婚や相続など家庭内でのトラブルに関する相談も多く寄せられているとのこと。「相談に来られるみなさんは、緊張のあまり顔がこわばってしまっておられます。だから、帰る時には少しでも安心した気持ちになってほしいと願いながら、お話をしています。問題解決のためにできることは何かを、お一人お一人の気持ちに寄り添い、一緒に悩み、考えていきたいと思っています。また、不必要な不安や孤独に陥らないよう、問い合わせにもできるだけ早く返信するよう心がけています」

　竹内さんは、国が全国に設置している中小企業・小規模事業者のための経営相談所でもアドバイスを行っています。「ここでの活動で、さまざまな専門相談員とのつながりができ、常に新しい情報を得て業務に活かすことができています」と、さらなる成長に妥協しない姿勢を見せます。

　「労働問題、経営相談など企業に関することから、相続や借金、離婚など個人の問題まで、依頼者の気持ちになって話を聞くよう心がけています。自分の多様な経験をもとに、相談者にとって今できる最善の選択を提案できるよう心がけています。いろいろな経験をしたからこそ、依頼者の気持ちが分かりますし、相談後に『相談してよかった』『少し気持ちがすっきりした』と言われることが一番うれしいですね」

（取材年月：2021年8月）

企業の将来を見据えた広い視野を持って、労働問題・経営課題の法的支援に取り組む

目先の利益よりも、将来の成長を守ることが企業にとっての一番の利益

トラブルが起こる前に、気軽に弁護士を活用してほしい

いろいろな経験をしたから、依頼者の気持ちが分かる

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