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「大腸肛門科に特化した医療を極めたい」。思いを共有する2人の医師が実践する負担の少ない診療

地域のおしりとおなかを守る大腸肛門科診療のプロ

前多力

前多さん正面
はっとりさん

#chapter1

一人一人の症状や生活に合わせた、患者ごとのオーダーメード治療を提案

 円い窓が目を引くユニークな外観の「はっとり大腸肛門クリニック」。全国的にも数少ない大腸肛門病学会の専門医師で、同院の名誉院長・服部和伸さんが、2005年、金沢市大友町の市街地に開院しました。

 「当院では、苦痛の少ない胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査のほか、肛門機能検査、肛門超音波検査など専門機関ではなければ行うことのできない検査により、精度の高い診断と治療を目指しています。入院が必要なケースでは、提携病院での出張手術も行っています」と話すのは、外科医として20年以上の臨床経験がある大腸肛門病専門医の前多力さん。2022年から院長を引き継ぎ、服部さんとともに診療にあたっています。

 「肛門の病気というと、『恥ずかしい』と誰にも相談できず、悩んでいる方がたくさんおられます。そんな方にも受診してもらえるようプライバシーに配慮し、診察は予約制にしています。水曜日の午前中は女性外来とし、同伴者も女性のみと徹底しています」

 一般的に肛門の三大疾患といえば、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔瘻)ですが、その他にも腹痛や便秘、便漏れ、肛門のかゆみ、臭いが気になるなど、受診する人の悩みはさまざま。 
 「症状によって治療法は全く異なります。肛門専門でなければ診断、治療が難しいものも多く、肛門科医としての長い経験が必要です」

 「症状にもよりますが、おしりにはむやみにメスを入れるべきではないというのが、私たちの考え方。同じ疾患でも患者さまの状況によって治療法、ケアの仕方は違います。高齢者、働き盛りの人、妊婦や妊娠を希望する人、小さい子どもを持つ人など一人一人に合った治療法を提案していきます」

#chapter2

故郷金沢にUターン、不思議な縁で繋がり、志を引き継ぐ

 金沢市で生まれ育った前多さんは、高校卒業後、進学のために東京へ。
 東京の大学病院では大腸肛門外科を専門としており、勤務の合間に日本有数の肛門外科で手術の勉強をする日々を送っていました。そこで金沢から見学に訪れていた外科医とも交流、縁が広がり、2009年に自然豊かな故郷に戻りました。

 北陸の肛門専門医が集まる研究会で、服部さんと出会います。
 研究会では北陸だけではなく、全国から著名な肛門科医が講演に登壇。メンバーも同席して夜遅くまで語り合う一方、前多さん自身が先方へ足を運んで学びの機会を得るなど、さらに縁が広がっていきました。
 
 「服部先生といえば、全国的に知られる大腸肛門科の権威です。同じ分野を志す者として、以前から憧憬の念を抱いていました。北陸肛門疾患懇談会で同席した折には、難解な医療分野の話や医療者としての理念など、重いテーマでよく話し込みました。先生の見識の深さに興味は尽きませんでしたね」

 肛門科医としての独立を視野に、思い悩んでいた頃、服部さんから「私のクリニックを任せたい」と声を掛けられます。
 「その時の言葉、声は生涯忘れられないでしょう」と、思いもよらない提案に、今でも不思議な巡り合わせを覚えずにいられない前多さん。

 「肛門科を志してから、多くの良き先輩方との出会いがあり、縁に導かれて成長することができました。今後もこの縁を大切にして生きていきたいですね」

外観

#chapter3

生活の質を左右する「腸活」は、大腸の窓であるおしりのチェックから

 腸内環境を整える“腸活”が、美容や健康に関心を寄せる人たちの間でキーワードとなり、話題になっているようです。腸は食べたものを消化、吸収するだけではなく、ウイルスなど外敵から体を守る免疫機能や体に有害なものを分解、解毒する役割を担っています。おしりの調子やお通じは腸の機能低下を見逃さないためのバロメーターとも言えるでしょう」

 前多さんは「食事や運動習慣と併せて、おしりやお通じも気にかけてほしい」と日々のチェックを促します。

 「『おしりに痛みや違和感があり不快』『最近、お通じが整わない』」といった症状は、生活の質を低下させてしまいます。さらに腸に大きな病気が隠れていることもあります。当院では、苦痛が少なくなるよう配慮し検査や治療を行っています。がまんをせず、私たち専門家に相談してください。ご自分の生活や体調に合った治療法を見つけましょう」

 同クリニックには県内外の医療機関からも問い合わせがあり、大腸肛門科の中心的な存在となっています。「それだけに責任の大きさを痛感しています」と表情を引き締める前多さん。
 学生時代にはバスケットボールに青春を費やし、現在は空手道場に通って鍛錬。始めてから数年ほどで「腕前はまだまだ」と謙遜しますが、何事にも果敢に臨む姿勢がかいま見えます。

 「挑戦にはいつでもワクワクします。医療の道も武道も、良き師に恵まれました。今後も精進を続け、どちらの道も“黒帯”を目指したいですね」

(取材年月:2022年6月)

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専門家プロフィール

前多力

地域のおしりとおなかを守る大腸肛門科診療のプロ

前多力プロ

医師

はっとり大腸肛門クリニック

全国的にも数少ない大腸肛門病学会の専門医師で、「硬化療法」の第一人者である服部和伸名誉院長とともに、大腸肛門科に特化して診療。疾患や患者の生活に合わせた治療方法を提示し、地域のおしりとおなかを守る。

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