企業の資金繰りや黒字化経営に精通する税務のプロ山根敏秀

企業の資金繰りや黒字化経営に精通する税務のプロ

山根敏秀

経営者と共に未来を描く新時代の税理士

「うちのサービスを知らずして倒産、廃業はさせません」。そう力強く語るのは、税理士法人「マネジメント」の代表社員税理士である山根敏秀さん。その言葉は、数多くの経営者を救ってきたからこそ言えるもの。山根さんはいま、顧客と一緒に未来を描く税理士として、次のステップを踏み出しています。

2016年4月から稼働した新社屋。グループ全体で「マネジメントコンサルティングファーム」と名付けられたその建物に足を踏み入れると、税理士事務所とは思えない空間が広がっていました。

一階はとにかく明るいセミナースペース。ガラス張りの透明さは信頼性の証。ロボットのペッパーくんも接客してくれましたが、その様子はシリコンバレーのIT企業かと思うほど。そこで、若い人はもちろん、即戦力として採用した60代のベテラン社員が意気揚々と仕事をしています。

“悩める経営者の駆け込み寺”として取材したのが四年前。その後も「資金繰りが苦しい」「人材が集まらない」「跡継ぎがいない」「もう再建できない」といった経営者を立ち直らせてきました。そんな実績を積み重ね、山根さんは“経営者と共に未来をつくる新しい時代の税理士”とも言うべき存在へとシフトしていました。

「税務会計をこなすのは当たり前。“過去計算”をしているだけでは経営が成り立たない時代になりました。つまり、コンサルティングの力が求められているのです。新社屋は、私たちが未来を見据えながら、どのようにして仕事に取り組んでいくのか、その姿勢を示したものなのです」。山根さんはそう力強く語ってくれました。

新社屋は人、仕事、情報が集まる拠点

新社屋を「人、仕事、情報が集まる拠点にしたい」と考えている山根さん。中小企業を支援するため、弁護士や社労士、中小企業診断士なども関わって企業をトータルサポートする構えです。

「中小企業の多くは融資を受けられても高い金利に苦しんでいる。私はいかに低い金利で、赤字補てんではなく事業発展のために借りられるのか、そのノウハウを知っています。そのためには、正しい決算書を早く作ることと、達成度の高い経営計画書を作って会社の信用力を高めなければなりません。そういった情報をここから発信していきたいと思っています」

お話していると、経営改善のヒントが次々と飛び出してきました。「赤字になると自分の役員報酬を下げようとする社長がいらっしゃいますが、それはNG。売上を上げて経費を抑え、黒字を出すことに専念すべき」ときっぱり。「再生したい会社の社長は社内にこもっていてはダメ。お得意先を回り、自分で会社をPRしなければいけません。会合や展示会に出向くのも仕事。ライバルを観察してそれを営業に伝える…といった動きをしないといけないのです」と背中を押します。

さらに、中小企業の戦略は大企業とは異なると指摘。「業績が悪化すると安い材料を仕入れ、品質を落としてしまうケースが多いのですが、価格が高くても良質の材料を仕入れて、いいモノを作る。それを適正価格で販売し、同じ顧客から何度も購入してもらうという戦略が必要です」と中小企業再建の鉄則を説いてくれました。

「七千万円足りない」九期連続の赤字を黒字転換

山根さんとタッグを組んで再生した企業は数知れません。七千万円の運転資金が足りないと発覚したある会社は、銀行から「もう貸せない」と言われていました。しかし山根さんは、九千万円の融資を取り付け、九期連続の赤字だった経営を黒字に転換。「あなたと会っていなかったら今の会社はない」と言われたそうです。

またある企業は、取引先からのクレームで四億円の請求を受けましたが、状況を精査。その結果、クレームが取り下げられたばかりか、逆に信頼が増して受注が増えたのだとか。その社長からは「命を救ってくれた恩人」と感謝されました。

「経営の本質は何かを見極めて助言できるかどうか、それにかかっています。数字を見るだけでなく、これまでの経験則と、人の心に配慮することが大切なのです」とにっこり。孤独で不安な経営者からいつ連絡があっても大丈夫なように、夜は携帯電話を耳に当てながら寝ていることも明かしてくれました。

改めて経営者に問い掛ける山根さん。「何のために会社を始めたのですか？本音は『儲けたかった』からでしょう。私たちは共に歩み、励まし合い、一緒に検証しながら黒字経営に導くお手伝いをします。十個指導するうち一つでもやってもらえれば成果は出ますから」。そんな言葉から、山根さんは、企業が改革に成功した時の喜びを、社長、そして社員と心から分かち合える真のパートナーなのだと実感しました。

（取材年月：2016年4月）

うちのサービスを知らずして倒産はさせない

経営者と共に未来を描く新時代の税理士

新社屋は人、仕事、情報が集まる拠点

「七千万円足りない」九期連続の赤字を黒字転換

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