カッコイイ！と思わせる家の骨格造形が得意な建築士小林正一

カッコイイ！と思わせる家の骨格造形が得意な建築士

小林正一

美しい骨組みが、美しい家を造る

　「“住まいの夢無限大”という気持ちで家を造っています。家を建てる方は必ず夢を持っています。その夢は、その方のこだわりと、ご家族のライフスタイルによって、全て違うオーダーメイド。どんな家にご家族と一緒にくつろぎ、どんなすてきな夢を作っていきたいのか、ご家族ごとや一人一人それぞれ違っています。だから、“夢無限大”なのです」とは、小林正一建築事務所の小林正一さん。

　建築主よって変るオーダーメイドの家でも、小林さんの作る家の多くは共通したある特徴があります。それは、美しい木造住宅、それも“木の空間構成造り”の家であること。家の中の天井となる梁や小屋組という構造部分が見える造りになっていることです。今、一般的に建てられている家とは一線を隔す、美しい和モダンの家というべきカッコよさ。小さな平屋でもそのカッコよさは変らず、室内のむき出しの梁や小屋組が、洒落た雰囲気を演出しています。

　「建物の構造部分は木を使っているのですが、その構造部分、いわゆる骨組みを綺麗に見せたい。上棟の時に美しい建物であることを目指しています。骨組みが美しければ、そのまま仕上げた方がカッコイイと私は思うわけです。だから骨組みであっても美しさへの手は抜けません。実は、屋根を持たせる小屋組は、割とどんな入れ方でもできます。天井を貼ってしまえば見えませんし。でも、天井を見上げると骨組みが見える作りにするには、美しく整理されていなければカッコ悪くなってしまいますからね」

建築事務所での衝撃「設計士が造る家は何てカッコイイんだろう！」

　小林さんが木の空間構成造りで骨組みを綺麗に見せる造りに取り組んだ理由は、ひとえに“カッコイイと思った”から。その思いは、小林さんが小学生の頃にまで遡ります。

　「建築業を志す最初のきっかけは小学生の頃、両親が家を建てた時、施工している大工さんを見て“カッコイイ”と憧れたことです。そのイメージもあって中学時には、進路に高校の建築科を選びました」。高校を卒業した小林さんは建設会社に入社。現場に立ちながら二級建築士を取得し、その後、設計事務所に勤め一級建築士を取得、2003年に独立をします。

　「設計事務所には18年勤務しましたが、入社して初めて“建築士が設計する住宅”を見て、何てカッコイイんだろう、と感動したんです。こんなに素敵な家が出来上がるんだ！と。その事務所で、数奇屋風造りの家や、木の美しさについて学びました」
　
　さまざまな事を教えてくれた事務所から独立したのは、造ってみたい家ができたから。「その事務所に住宅設計を依頼されるお客様は社長クラスの方が多く、建坪も大きくハイレベルの住宅が多かった。でも私は、どなたでもすてきな夢が実現出来る、平均価格で言ったら2000万～3000万の家を希望される方の住宅を造りたいと思ったんです。建坪は一般的になり、コンパクトながら使いやすさが重要で、それでいて木の風合いを生かし骨組みの美しさを室内に表し…難しいけれど、取り組みがいがあるし、何より完成した時にお客様の笑顔が見られると、よかったなと思うんです」

ご家族の夢を、予算内で形にする

　小林さんのスタイルは、お客様の家にかける夢をきちんと聞き出し、それを予算内でなるべく実現させる、というものです。

　「ある方がリビングもダイニングキッチンも力を入れたい、と要望されたのですがコスト面で合わなかった。でも、よくお話しをお聞きすると、ダイニングキッチンが一番家族の集まる場所だったんです。小学生のお子様が帰ってきて、夕食を作る母の横で宿題をする。勉強のしやすいテーブル、カバンを置けるスペースを用意して、とイメージが広がり、最終的にダイニングキッチンが広くなり、リビングはコンパクトなものになりました。そのご家族が本当に住みたかった家は、お母さんを中心に家族が自然と集まる家だったんです」

　また「敷地の真ん中に井戸がある土地で、建築主は最初から井戸を潰しその上に建築しようと考えていました。でも、井戸を潰しその上に住宅を造るのはあまり良くない、ということでその井戸を避けたコの字形の夢の家を提案しました。これは土地が家の形を決めた例です」

　「家を建てたいと思ったとき誰に頼んだら良いかわからないという話も耳にしたことがあります。家を建てるには、建設地である希望の土地を求めること、建設費の住宅ローンのこと、不動産表示登記、所有権保存登記など建物本体のほか、建築にかかわる様々な相談に対応しています。建築費は建物本体の他にこれらの諸費用も含め、トータルでご家族の夢の予算を考えて形にするお手伝いをしています」

　お客様の夢、その土地の状態、風土…それら全てに合わせて造られる、オーダーメイドの木の風合いが美しい家。「これからも変わらず、お客様の夢を叶えていけると嬉しいです」と小林さん。あなたの無限大の夢、叶えてみませんか。

（取材年月：2012年11月）

むき出しの梁や小屋組が洒落た雰囲気を演出する、木の空間構成の家

美しい骨組みが、美しい家を造る

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ご家族の夢を、予算内で形にする

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