心理学をベースに、心身両面からのサポートと自己啓発を導くプロ椎結子

心理学をベースに、心身両面からのサポートと自己啓発を導くプロ

椎結子

自身の内なる声を聞き、変化を阻む要因を見つけて前に進めるようサポート

　「『現状を変えたい』『今より上を目指したい』と思っているのに、なかなか一歩を踏み出せなかったり、結局変われなかったりした経験はありませんか。それは変わろうとする心と、阻もうとする心があるから。私たちの体に異物が侵入すると免疫機能が働いて排除するように、心にも似た働きがあります。それを可視化し、変化を阻む固定観念に気付くことで変化を促します」
　
　こう語るのは、神戸市と明石市でカウンセリングやコーチングを行う「Yu-cocoro office」の心理カウンセラー・椎結子さん。「なぜ人と組織は変われないのか～ハーバード流自己変革の理論と実践」（英治出版）の著者の一人で、生涯発達理論の権威・ロバート・キーガン氏が開発したメソッド「Immunity to Change®（変化を阻む免疫機能）」をセッションに取り入れています。

　また、神話学者のジョーゼフ・キャンベル氏が、世界各地の神話を収集・研究して気付いた共通パターン「英雄の旅」にも言及します。英雄の旅とは、主人公が日常の世界から飛び立ち、向かう先々で出遭う試練を乗り越え、成長して帰ってくる物語。そこには天からの召命、葛藤、師や仲間との出会いがあり、映画「スターウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」の脚本の基になったともいわれています。

　「これはヒーローだけの話ではありません。『個人の人生にも当てはまる』とキャンベルは説いています。召命は、自分の内なる声でもあり、どの人の人生にもあります。自らの真意に気付き、受け入れて新しいステージに進んでいけるよう、内なる自分の意識と繋がるワークやコーチング等でサポートしていきます」

人生の危機をプラスに変える発想で、挫折経験や目の前の障害を乗り越える

　椎さんを心理学へと導いたのは、夫の赴任先での体験でした。見知らぬ土地で頼れる人もなく、子育てをしなければならない孤独感と、子どもが同年代の子どもと触れ合えない不安から、子育てボランティア養成コースを受講。子育て支援サークルの立ち上げに携わりました。中学時代に心理学への興味を持ったこともあり、数々の親子と接する中で心を理解する心理学への関心が再燃します。
　3年間カウンセラー養成講座に通い、日本カウンセリング学会の会員に。高い倍率を突破し、某機関のカウンセラーとして働き始めたのもつかの間、体調を崩して退職を余儀なくされます。

　「職場の環境が合わなかったのです。何を食べても味がせず、眠れなくなっていきました。物事もマイナスにしか考えられず、本当に苦しかったですね。心の不調が体に影響することを実感しました。でも、あの経験があったから、心も体も大切にしなければと気付くことができました」

　以降、健康心理学や陰陽五行学説、江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた「養生訓」などを学びます。心と体のバランスを整えることや、日々の生活を丁寧に生きることの重要性を知り、心身両面からサポートを目指すようになりました。

　「心と体は一体を意味する『心身一如』という言葉があります。自身のストレスに早く気付いて、心身ともに健やかでありたいですね」と椎さん。自身の経験から、挫折や目の前にある障害を歓迎してみてはどうかと提案します。

「人生の危機と思える事態も、裏を返せば、自分が変わるためのチャンスでもあるのです」

この世に存在する意味を問い掛け、より良い人生を歩むお手伝いを

　「結婚や出産、子育て、退職、介護、肉親との別れなど、ライフステージごとに直面する悩みや葛藤をどのように捉えていくのか。自身の物差しを見直すことが、自分の人生を目覚めさせるきっかけにもなります」

　椎さんは、人生で起こるさまざまな問題に対して多くの人に道しるべを示せるよう、コラムの執筆やセミナー活動にも注力。契機となったのは、母親の死に向き合ったことでした。

　「母を亡くした喪失感は想像以上のものでした。なかなか乗り越えられずにいたのですが、母の人生を振り返ることで、生きているこの瞬間が大切なのだと気付くことができました。さらには私自身の人生を振り返り、これまでどんな価値観を持って生きてきたのか、これから何をすべきかを考えることもできました。それは、自分がこの世に存在する意味を問う時間でもありました」

　心の持ち方次第で、誰もが人生という物語のヒーローやヒロインになれると呼び掛ける椎さん。その人が持つ能力や可能性を見つけることを心掛けています。それぞれが持つ資源を引き出すことが、人生の岐路に立った時により良い方向へと導いてくれると考えているからです。

　「母の最期を見て思ったんです。この世を去る時には何も持っていけない。良い人生だったと思えることが大切なのだと。ご自身の魂が喜ぶ生き方を見いだし、より良い人生を歩んでもらえるよう、お手伝いするのが私の使命。実体験を基にして話せることも強みです。気軽にお声掛けください」

（取材年月：2024年8月）

心を見つめ、人生を見つめるカウンセリングやコーチングで、誰もが人生の主人公に

自身の内なる声を聞き、変化を阻む要因を見つけて前に進めるようサポート

人生の危機をプラスに変える発想で、挫折経験や目の前の障害を乗り越える

この世に存在する意味を問い掛け、より良い人生を歩むお手伝いを

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