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発泡プラスチックの特性を生かす「人にも環境にもやさしい製品」を生み出す会社

発想力と設計力で新たな価値を提供する発泡プラスチックのプロ

片岡孝次

片岡孝次 かたおかこうじ
片岡孝次 かたおかこうじ

#chapter1

容器や梱包材のほか、住宅・家電用断熱材、モビリティの軽量化材、医療用固定具、クッションなどで実績

 「容器や梱包材として目にすることの多い発泡スチロールは、体積の約98%が空気でできた省資源材です。保温・保冷性や衝撃吸収性に優れ、暮らしを支える“黒子”のような存在でもあります」

 そう語るのは、兵庫県たつの市にある「龍野コルク工業」代表の片岡孝次さん。同社は食品容器や梱包材にとどまらず、「住宅・家電用断熱材」「自動車の軽量化材」「ヘルメット用衝撃吸収材」「土木用の軽量ブロック」など、日常生活では目に触れない発泡プラスチック製品を幅広く生産しています。

 湿気の多い環境やシロアリ被害で短期間に傷みやすい木製鳥居に代わり、発泡スチロールや他のプラスチック、木材を組み合わせたシロアリ・台風・地震に強い長寿命の鳥居も製造。全国の神社から注目を集めています。

 新たなニーズや技術の種は、異業種企業や大学との交流から得ることが多いと片岡さんは言います。縁あって、父の出身大学では人力飛行機製作用の発泡スチロールも採用されています。

 医療分野では、空気を抜くと硬く固まる固定具を開発。放射線治療や画像撮影、カテーテル治療時の前腕固定など、医療現場で活用されています。

 また、3DNC切削機(立体形状を高精度に加工する機械)で製作する発泡プラスチック加工品は、形状確認や性能評価に用いられ、評価後の金型製作・量産立ち上げをスムーズにする点が取引先から高く評価されています。従来のやり方にとらわれず、常に改善と効率化を追求する姿勢が同社の強みです。

 「私たちの仕事は、発泡プラスチックの特性を生かした提案で、お客さまの困りごとを解決すること。環境負荷を小さくできる素材としての有用性を、もっと多くの方に知っていただきたいですね」

#chapter2

コルクから発泡プラスチックへ。ものづくりの技を受け継ぎ、業容を拡充

 龍野コルク工業のルーツは、江戸時代から続く履物商。片岡さんはその10代目にあたります。戦後、祖父が大阪で履物店を開業し、コルクボードやサンダル芯材の製造会社を設立しました。

 しかし天然素材のコルクは気候で流通量や価格が大きく変動します。安定供給できる素材を求め、父が京都大学でのちのノーベル賞受賞者に相談したところ、当時海外で量産が始まったばかりの発泡スチロールでした。1956年、国内で初めて発泡スチロール製品の量産を開始します。

 片岡さんが家業に携わったのは1991年。大手電機メーカーを辞し、グループ企業を経て1993年に龍野コルクへ入社。ほぼ全ての部門を経験し、2001年に代表取締役に就任しました。

 当時、テレビはブラウン管から薄型パネルへ急速に移行し、梱包材需要は激減。原料メーカーの受注生産が中心で、下請け体質からの脱却が急務でした。

 片岡さんは異業種交流会や展示会に積極的に参加し、技術や情報を吸収。「こんなことできない?」「あそこに相談すればできるよ」といった声が業容拡大のヒントとなり、会社に新たな風を吹き込みました。

片岡孝次 かたおかこうじ

#chapter3

オリジナルブランド「キュービーズ」で、体にフィットするクッションを展開

 一般消費者向けには、オリジナルブランド「キュービーズ」を展開。看板商品は椅子用腰楽ビーズクッション「CuCu(キュッキュ)」です。神戸学院大学の研究者と連携し、椅子と体のすき間を埋めて筋肉の負担を軽減する機能性クッションとして開発。オフィスチェア用、車のシート用、車いす用など幅広く展開しています。

 「座る姿勢が楽になった」「長時間座れるようになった」といった声が多く寄せられ、無縫製ニットの側地を使ったシリーズも拡充中です。

 産業分野では、より高温環境で使える発泡プラスチックの加工にも着手し、プラント配管用製品の供給も開始しました。

 「発泡プラスチックは体積の90%以上が空気でできた省資源材で、リサイクル率も90%超。人にも環境にもやさしい製品を届け、快適で健康に暮らせる社会、低炭素社会の実現に貢献していきます。皆さまとのご縁を大切に、まだ世の中にない価値を生み出したいですね」

(取材年月:2026年4月)

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片岡孝次

発想力と設計力で新たな価値を提供する発泡プラスチックのプロ

片岡孝次プロ

発泡プラスチック製品メーカー

龍野コルク工業株式会社

設計から試作・加工・製造まで一貫対応。異業種やアカデミアとの交流をもとに、発泡プラスチックの特性を生かした新たな価値を提供しています。

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