人事労務コンサルティングのプロ
粂ゆかり
Mybestpro Interview
人事労務コンサルティングのプロ
粂ゆかり
#chapter1
〝楠公さん〟のおひざもと、神戸市中央区に社会保険労務士・粂ゆかりさんの「社会保険労務士 粂ゆかり事務所」はあります。にっこりとほほ笑み、柔らかな物腰で話す粂さんに、すぐ北側に鎮座する湊川神社の杜のような懐の深さを感じました。
社会保険労務士として10余年のキャリアを生かし、中小企業の労務管理のアウトソーシングに対応するほか、人材採用や育成のためのコンサルティングを行う粂ゆかりさん。「人材は企業の宝」と話し、女性ならではのしなやかな感性と細やかな心づかいで、雇用問題に悩む経営者をサポートしています。
「中小企業の経営者の中には、業績を上げることに精一杯で、従業員の労務管理に目が行き届かないという方もいらっしゃいます。従業員とのほんのわずかな意識の違いから、労使関係に不平不満がつのり大きなトラブルになってしまうことも……。事態が深刻化する前に、また表面化して企業のイメージを傷つける前に、私ども社会保険労務士にご相談いただきたいですね」
粂さんは、良い人材がなかなか集まらないと悩む経営者にもコンサルティングを実施。「募集をしても見つからない理由。それは、企業が望む人が応募していないからでしょうか。あるいは、優秀な従業員が社内にはいないというのは本当でしょうか。必ずしもそうではないと思います。まず内側から変えていきましょう。新規雇用者や既存の従業員が力を発揮できる労務体制を整えることで、大きな成果を生み出せると思います」
#chapter2
粂ゆかりさんは、人と人の縁を上手に結び、手をかけて育んでいくことこそが企業発展の道と考え、各企業に合った労務体制の構築や、従業員の能力を生かした人員配置、賃金・評価制度についてコンサルティングしています。
「今いる従業員の適切な配置、仕事に専念できる環境を作ること。そしてその評価の基準を明らかにすること。従業員は、自分の職能が正当に評価されることで労働意欲が向上します。モチベーションアップを目指すためにも、労使間のコミュニケーションはとても大切ですね」
従業員の会社への貢献は良いサービスを生み、顧客の満足度を上げる。ひいてはそれが個人、企業レベルでの社会貢献につながり「三方よし(笑)」と粂さん。
最近では、医療法人、社会福祉法人へのコンサルティングにも力を入れ、経営者に向けたセミナーなども開催準備中。人事制度の面で、ほかの企業よりも留意すべき点について次のように話します。
「医師や看護師、介護士など、有資格者が多く従事していることが医療や福祉業界の特徴。賃金には、資格手当が加算されます。同じように志を持って患者さんを看ているにもかかわらず、それぞれの手当には大差があります。行える医療行為にかんがみても仕方のないことですが、所有する資格や年齢だけで安易に賃金を決めてしまうのは好ましくありません。職責や業務への姿勢を十分に考慮して、わかりやすく賃金の内容を示すことが雇用の定着や継続にきっとつながりますよ」
#chapter3
ハードな勤務に耐えきれず仕事を辞めてしまうなど、医療・福祉の現場では離職率の高さも深刻。シフトのローテーションを見直すほか、専門家と連携した精神面への手厚いケアも重要課題となっています。
「私は、労務管理といった企業運営にまつわる法的業務を通じて、生身の人間をフォローすることが社会保険労務士の任務だと考えています。働くみなさんには与えられた権利を賢く行使し、健やかに労働の義務を果たしてほしい。そのためにも、制度をきちんと理解してもらうことが必要です。こらからも、労務にかかわる法律や制度の改正について情報提供に努めていきたいですね」
社会保険労務士は、年金や各種保険の手続きといった実務の中で、従業員の生活環境の変化に向き合う機会が多い仕事。一人一人の事情をきちんと把握した上で、経営者と労務について熟議。前途あるコンサルティングをしたいと粂さんは願っています。
粂さんは、ある著名な経営者の言葉を座右の銘にしているそう。「〝雨が降ればカサをさせばいい〟というシンプルなものですが、とても奥が深いと思って……。私は〝つねに備えをしておきなさい〟というふうに解釈しています。問題が起きないように策を講じて、対処法を用意しておくということ。まさしく社会保険労務士にぴったり」
初心を忘れず、慎重かつ丁寧に相談に応える粂ゆかりさん。「人を生かし、人とともに成長する企業を応援したい」と話してくれました。
(2011年6月 現在)
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