家庭犬から警察犬、救助犬作りも行うドッグトレーニングのプロ宗平博士

家庭犬から警察犬、救助犬作りも行うドッグトレーニングのプロ

宗平博士

経験豊富な訓練士がお客さま一人一人に合ったトレーニングプランを提案

　「噛み癖に困っている」「散歩のときに引きずられるのをなんとかしたい」など、飼い犬のしつけに悩んでいるのなら、専門家のトレーニングを受けるのも一つの方法です。三木市にある「六甲警察犬訓練所／六甲ドッグスクール」は、そんな飼い主の悩み解決をサポートしてくれる施設。同施設の所長を務める宗平博士さんは、警察犬や災害救助犬の育成訓練も手がけるベテラン訓練士です。愛犬を預かり生活全てをトレーニングする「預託訓練」のほか、日中のみ預かる「通所訓練」、ご家庭まで伺う「出張訓練」など、訓練メニューも充実しているため、目的に合わせた利用ができます。

「当施設では『飼い主さんも犬も楽しみながらトレーニングをすること』を心がけています。テクニックを使って犬を従わせる方法もありますが、それだと訓練士の言うことしか聞かないケースが多いうえ、長続きしません。私が行うトレーニングでは、まず『飼い主の側が楽しい』と思ってもらえるよう犬に教える。『待て』と言わなくても座っていることが楽しければ長く座っています。そうやって、犬が楽しんで自発的にトレーニングに参加できるようになることを目標にしています」

　六甲警察犬訓練所は、家庭犬のしつけトレーニングをはじめ、警察犬や災害救助犬の育成訓練、競技会への参加経験も豊富なため、お客さまのさまざまな要望に対応可能。犬の個性や飼い主のライフスタイルに合わせ、1組1組に最適な利用方法を提案できるのは、幅広い分野に精通している同施設の強みの一つです。

ドッグスポーツ「アジリティー」に愛犬と参加

　父親が開業した訓練所を二代目として引き継いだという宗平さんは、小さい頃から身近なところに犬がいる環境で育ちました。農業高校の畜産科に進み、朝早くから動物の世話をする生活も経験。「学生時代に学んだことが今の仕事に役立っています」と語り、朝5時から犬の世話をすることにも慣れている様子。そんな今の宗平さんのトレーニングの基本には、二十数年前のヨーロッパ旅行が大きく影響しているそうです。

「海外では『人間の指示を忠実に聞きなさい』という指導法ではなく、犬にきちんとやるべきことを理解させて、自ら行動するようなトレーニングを行なっていました。そのとき犬が生き生きとしている様子を見て、『これだ』と思ったんです。旅先のベルギーから連れ帰った犬の訓練が、今のスタイルの基盤になっていますね」

　警察犬や災害救助犬の育成には、どちらかというと厳しい訓練が必要なイメージも。ところが、宗平さんは「やはり能力を最大限に発揮するには、そのこと自体を楽しいと思えることが大事」と、どんな犬でも楽しくトレーニングに参加することの重要性を説きます。ちなみに、お客さまの中には、愛犬と一緒に競技会への出場を目標に通われている方もおられるとか。専用グラウンドのほかに障害物などが揃うアジリティーグラウンドもあり、広々としたスペースで訓練に集中することができます。

お客さまによるグループレッスンの様子

　六甲警察犬訓練所で今、一番力を入れているのが災害救助犬の育成。豪雨や地震が多発する昨今、行方不明者の捜索で、今後も災害救助犬の需要が高まるのは間違いないでしょう。とはいえ、災害救助犬の出動は基本的にはボランティアになるため、あまり収入には繋がらない仕事であることも事実。それでも、宗平さんは「災害救助犬を育てるためには時間が必要。もしもの時に今から備えておくことが大事だと思います」と力強く語ってくれました。

「犬種によって性格や知能も違うので、警察犬や災害救助犬に向いている犬と、そうでない犬がいます。そういった点でいうと、飼育環境を考えた上で飼う犬を選ぶことも大切です。例えば、ボーダー・コリーは活動的な犬なので、散歩をしたり走り回ったりと定期的な運動が必要になります。飼育環境上それが難しいと、犬を人間の生活に合わせることになるため、犬がストレスを溜めてしまうケースもある。犬選びはそういったことも含めて考慮した方がいいので、できれば初めて犬を飼うときには事前に相談に来ていただければ。また、当施設ではさまざまな選択肢があります。他の訓練所でうまくいかなかった飼い主さんも、『もう一度チャレンジしてみたい』と思われたら、ぜひお気軽にご相談ください」

　トレーニングの様子を見ていると、犬が宗平さんの目をキラキラとした表情でじっと見つめ、指示を待つ姿が印象的でした。ペットとしてではなく、犬とパートナーになり、共に楽しい生活を送ってみたいと考えているのなら、ぜひ宗平さんを訪ねてみてはいかがでしょうか。

（取材年月：2020年6月）

ペットとしてではなく、パートナーとして飼い犬との暮らしを楽しんでもらいたい

経験豊富な訓練士がお客さま一人一人に合ったトレーニングプランを提案

ドッグスポーツ「アジリティー」に愛犬と参加

お客さまによるグループレッスンの様子

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