コンクリート住宅設計のプロ
浅井知彦
Mybestpro Interview
コンクリート住宅設計のプロ
浅井知彦
#chapter1
「建築材としてコンクリートは非常に優れた素材です」と話すのは、「レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所」の一級建築士・浅井知彦さん。
大学卒業後に大手の総合素材メーカーに勤務していた浅井さんは、コンクリートの耐久性などについて研究を行ってきた技術者で、約10年に及ぶ建設材料開発の知見、一級建築士としての設計技術をもとにコンクリート住宅の提案を行っています。
「柱や梁(はり)など鉄骨で組んだ基礎にコンクリートを流し込んで屋根や壁、土台を形作るため、建物全体を一体化することができます。ひとつの箱のような構造になるので気密性が上がり、部屋の空気が外に流れたり、外気が家の中に入り込んだりするのを防ぐことができます。夏の暑さ、冬の寒さといった外気温の影響を受けない住まいにするには、高断熱・高気密を実現することが大切で、コンクリートは建物の省エネ対策にも有効です」
またコンクリートは遮音性にも優れているため、騒音に悩まされたり日々の生活音が外に漏れたりする心配が少ないのも特徴のひとつ。室内の温度環境とともに音についても快適な住空間を目指すことができます。
「昨今は、台風や大雨など家に大きなダメージを与える自然災害が多発しています。コンクリートの家は強風で屋根が飛ぶ、外壁ボードがはがれるといったトラブルが起きる心配もありません」と浅井さん。
土砂崩れや洪水、高潮などで建物が倒壊する危険性が低い点でも、注目を集めているのが鉄筋コンクリート造の建物です。
「安全性についても高く評価されています。『命を守る家』としても、コンクリート住宅の良さを多くの人に知ってほしいと思います」と話します。
#chapter2
鉄筋コンクリート造の建物は柱だけでなく壁面で家を支えるため、木造住宅では難しい開放的な空間づくりにも適しています。自在にレイアウトできるため、視界を遮るものがない広々としたリビングや、開口部が大きいビルトインガレージを取り入れることが可能です。
「コンクリートの家はどこか冷たい印象をお持ちの方も多いと思いますが、内装材と構造材は違います。家の枠組み、つまり構造に鉄骨とコンクリートを用いますが内部仕上げは自由です。漆喰や珪藻土の壁、無垢のフローリングなど自然素材を取り入れた住まいにすることができます」と浅井さん。
「外観の仕上げとしてはタイル張り、塗装により色や質感のバリエーションも楽しめます。しかしメンテナンスの面から考えて、私自身はコンクリートの美しい素地を生かした打ちっぱなしをおすすめしています」
元技術者として、デザインだけでなく機能性を重視している浅井さん。施主の希望については、丁寧に打ち合わせを重ねたうえで設計に反映していきます。
「例えばレストランやバー、カフェなどは時代を先取りした斬新さや、際立った個性があっていいと思いますが生活の場となる家は違います。快適に、そして健やかに暮らしていけるかどうかが重要です。何をもって心地よいと感じるかは住む人によりさまざまなので、それをお伺いするためにも施主さまとのコミュニケーションは大切にしています」
浅井さんは採光や通風、広さ、高さ、明暗などあらゆる要素を十分に検討したうえで、施主にとって適切な住空間を導き出しています。
#chapter3
技術者の頃、開発に携わったコンクリート用資材がのちにJIS規格(日本工業規格)に認証されるなどコンクリートの特性を深く理解している浅井さん。「かっこいい」「おしゃれ」といった視点だけではなく、鉄筋コンクリート造の強度を生かしたプラスアルファの提案も。
「土地が狭い都心の家でも、屋上に土を入れて庭を設けることができます。芝を植えて屋上緑化をすることで断熱、遮熱効果も期待できます。道路に面していないのもメリットで、子どものプール遊びやガーデニング、バーベキューなどを人の目を気にせず楽しめます。あと私の感覚ですが、屋上庭園は雑草が少ない気がします」
プランニングから工事に移ると、建築工程の監理者として現場に足を運ぶ浅井さん。その意図は、施行の進捗確認だけではないと言います。
「実際に家を建てる業者さんは現場のプロなので、職人さんならではの実用的な知識を学ばせてもらうことも大きな目的です。また建築士と施工業者の信頼関係が成り立っていないと、施主さまの思いに応えることは難しいと思います」
技術者、設計士として豊富な知識と経験を備えた浅井さんのもとで、魅力あふれる家づくりをしてみませんか?
(取材年月日:2018年12月)
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Profile
コンクリート住宅設計のプロ
浅井知彦プロ
一級建築士
レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所
素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。
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