依頼者の思いに寄り添う遺品整理とおかたづけのプロ赤澤知宣

依頼者の思いに寄り添う遺品整理とおかたづけのプロ

赤澤知宣

関西・中部・関東エリアを中心に遺品整理・おかたづけサービスを展開

　「故人さまが暮らしていたお家やお部屋の片付けは当方にお任せいただき、心身の負担を和らげてもらえればと願っています」と話すのは、「リリーフ」代表の赤澤知宣さん。遺品整理・おかたづけサービスを手掛け、関西・中部・関東などで25店舗以上を展開。経験豊富なスタッフが、年間6000件を超える用命に応えています。

　「遺品整理の最終的な目的は、故人さまの住まいをきれいにすることですが、私たちは家財を仕分ける工程にこだわりを持っています。単に捨てればよいというわけではなく、故人さまに敬意を払い、ご家族の心情をくみ取り、一つ一つ丁重に扱っています」

　故人が大事にしていたものや、長年使っていた生活用品を目にすると在りし日がよみがえり、懐かしさや悲しみなど複雑な感情が伴います。分別に時間を要する場合があり、1日1現場を徹底しています。

　「スタッフが見つけた古びたかばんを念のためお客さまにお知らせしたところ、探していたお母さまの愛用品だったこともありました。思い出の品を誤って処分してしまうことがないよう細心の注意を払い、お客さまとコミュニケーションを図りながら作業にあたっています」

　赤澤さんのもとでは定期的にミーティングを実施し、改善点などを共有。社内認定の遺品整理マイスター制度などを通じて、サービスの品質向上に力を入れています。

　「『気持ちが追い付かない』『何から手をつけたらいいのか分からない』など、お客さまの悩みはさまざまです。一人一人の思いに寄り添いながら、故人さまの最後のおかたづけを誠実に、丁寧にお手伝いいたします」

家財の中から価値ある品を見つけ出し、買い取りやリユースで活用へ

　赤澤さんは2014年に「リリーフ」へ入社。2016年、27歳のときに取締役に就任しました。
　「弊社は、1960年に祖父が産業廃棄物の収集・運搬業を主軸に立ち上げました。ちょうど私が入社したころ、父が新規事業として『遺品整理サービス』を考案し、事業のかじ取りを一任されました。ご遺族のお力になるべく志をもって臨みましたが、『遺品整理』という言葉自体が浸透しておらず、認知度もないため集客には苦労しました」

　当時は、故人宅の片付けを不用品回収業者が請け負うケースも多く、タンスの中に隠されていた現金や、箱に収められていた希少な工芸品などが、焼却施設のゴミの中から見つかることもあったそうです。

　「お客さまが気づいていない価値のある品を見極めてお伝えすることも、私どもの重要な役割の一つです。宝石などの貴金属や、陶磁器、茶道といった骨董品は査定・買い取りも承っています。また、ご希望があれば不用品を海外へ輸出して必要としている人に届けることも可能です。資源を再利用するリユース業はゴミを減らし、地球環境に配慮した取り組みとして注目されています」

　時には、依頼者も把握していなかった多額の現金が見つかったり、故人の趣味の品の買い取り価格が見積もりの金額を上回ったりするケースもあります。

　「故人さまの大切な財産を扱う可能性があるからこそ、すべての工程を自社スタッフが担っています。適切な判断ができるように専門知識を養い、責任をもって対応します」

ハウスクリーニングやお仏壇の回収など、オプションメニューも拡充

　赤澤さんには、今でも忘れられないエピソードがあります。先祖代々、大阪で大地主として暮らしてきたあるじの自宅を片付けた際のことです。

　「昔は地主さんが、その土地に住む人々の名簿や地図、地域で起こった災害などの史実をまとめた書物を管理していたそうで、お伺いしたお宅からも大量に見つかりました。歴史的な資料ではないかと思い、お客さまの承諾を得て地元の博物館に持ち込んだところ、とても貴重な記録だと感謝されました。ご家族も、故人さまが長きにわたり守ってきたものが『地域の財産』として評価されたことを、喜んでくださいました」

　心づもりがなく、ある日突然、遺品整理に直面して戸惑う人も少なくありません。住居の明け渡しといった事情も踏まえ、オプションメニューも拡充。業者と提携して、ハウスクリーニングや消臭・消毒作業、仏壇や位牌のお性根抜きや処理を行うほか、空き家の管理なども請け負っています。

　今後は、店舗やエリアを拡大するなど、遺品整理を気軽に利用してもらえるような仕組みづくりも進めていきたいと言います。

　「かけがえのない人を亡くし、途方にくれるのは無理もありません。お別れの日は必ず訪れるものですから、遺品整理を身近に感じてもらうことで、いざというときの心の支えにしてほしいですね。業界全体の成長を図って皆さまの信頼を築くとともに、遺品整理といえば『リリーフ』と言っていただけるよう、サービスのさらなる向上に努めてまいります」

（取材年月：2025年10月）

故人を敬い、家族の心情をくみ取り「最後のおかたづけ」を細やかにお手伝い

関西・中部・関東エリアを中心に遺品整理・おかたづけサービスを展開

家財の中から価値ある品を見つけ出し、買い取りやリユースで活用へ

ハウスクリーニングやお仏壇の回収など、オプションメニューも拡充

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