介護業界で働く人を「笑顔」にするプロ
松本孝一
Mybestpro Interview
介護業界で働く人を「笑顔」にするプロ
松本孝一
#chapter1
「今、介護業界に大切なのは、事業者やスタッフの方々が笑顔になれる仕組みづくりです」と話すのは「オフィス松本」の代表で介護事業専門コンサルタントの松本孝一さんです。阪神甲子園球場を望む今津巽町(西宮市)に構えたオフィスを拠点に、西宮市を中心とする阪神エリアで介護事業の運営全般、研修、人材育成、独立・創業、買収・合併や営業譲渡に関するコンサルティングを行っています。
「現場スタッフが不足している、ヘルプのため教育や採用に管理者の手が回らない、環境や条件に不満が募りやる気のあるスタッフが辞めていく…そんな悪循環に陥っていませんか。今の介護業界に不足しているのは、人事、給与面のマネジメントです。就業規則や雇用契約の整備、人事考課の導入など、一つ一つ解決していけば、組織運営が安定する可能性が高まります」
松本さんの強みは、9年間で23の在宅介護事業所を開設した実績。スタッフのモチベーションを上げるためのアイデアも豊富で、成功の裏には必ず各施設の従業員の笑顔があったといいます。
「働く人の笑顔が増えれば、おのずと会社もよくなっていき、いい人が集まれば、スムーズに事業が拡大していきます。そのため事業者、スタッフ、介護を受ける人すべてが笑顔になれるような環境づくりを目指しています」
#chapter2
松本さんは阪神電鉄、三井のリハウスで営業を担当した後、異業種である介護サービス会社に転職。「介護が奥の深い、究極のサービス業であることに驚きました。にもかかわらず、サービス業であるという認識はまだまだ薄い業界なのだということもわかってきたのです」
他業界での経験から、「サービスを提供する人が心から笑顔になれてこそお客さまにも笑顔になってもらえると確信していたため、介護の現場でもその信念を貫いてきました」と話します。
入社まもなくで介護施設を管理する立場に。スタッフが気持ちよく働けるよう、地道な努力を続けたといいます。
「現場のヘルプにも積極的に入り、お客さまと笑顔を交わせる関係づくり。その上でリーダーから的確な情報を集め、それをスタッフとのコミュニケーションに活用し、環境をより良く変えていくよう心がけました」
その結果、現場の信頼を得ることができ、働きやすさを実現。兵庫県内で次々と拠点を新設し、事業拡大を果たしました。
ところが同業他社を見渡せば、管理者が足りず、介護スタッフも定着せず苦しんでいる例が少なくありませんでした。
「廃業に追い込まれた事業者から、営業譲渡に関する相談を受けたこともあります。お客さまのためにがんばろうとしている介護スタッフが、条件面や人間関係の悩みで辞めていくケースが目立っていたのです」
組織づくり、人材育成などの面で、外部のサポートが必要なのでは…そうした実感が、独立につながりました。
#chapter3
「介護業界で仕事をしていく中で、人と人のつながり、そして与えることの見返りを求めない『ギブ&ギブ』のスピリットが大切であることを学びました」という松本さん。「出会って、学んで、吸収する」をモットーに、各地の介護事業者にその経験を伝え、介護保険の改正などニーズに応じたセミナーや勉強会を定期的に開催することで、コミュニケーションの機会を増やしています。
教える内容には、異業種で吸収したサービスの基本や経営ノウハウが生かされています。「お客さまから同じことを繰り返し聞かれても、笑顔で対応できてこそプロ。信頼を得られるかどうかは、接し方次第です。またスタッフのモチベーション維持には、配置転換が有効です。環境が変われば人間関係をリフレッシュでき、ステップアップのチャンスも増やせます」
松本さんは、阪神沿線活性化のサポートをしたいというビジョンを持っています。「親を自宅で介護したい、それには地域コミュニティーが大切だと考える方は多いのではないでしょうか。介護、医療、自治体、地域活動などがつながりあえば、可能性は高まります。そんな役割を担いたいと私は考えています。また、プライベートでは少年野球のコーチもしているため、子どもたちの健全育成を通じて、地域の人と人とをつないで、元気で安心な街づくりにも貢献していきたいですね」と思いを語ってくれました
(取材年月:2019年1月)
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Profile
介護業界で働く人を「笑顔」にするプロ
松本孝一プロ
経営コンサルタント
株式会社オフィス松本
不動産、介護事業の経営を通じ、今後の高齢化社会に必要な仕組みづくりを「地域」ごとで作ることが強みです。具体的には、介護事業所の経営コンサル、高齢者の生活を支えるサポート、高齢者住宅・施設の斡旋等です。
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