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認知症に備える財産管理対策として、家族信託や任意後見などの選択を

認知症に備えた財産管理や相続を支える「親の高齢対策」のプロ

仲島拓郎

仲島拓郎 なかじまたくろう
仲島拓郎 なかじまたくろう

#chapter1

認知症になる前にできる財産管理対策を専門に扱い、家族に応じたより良い方法をアドバイス

 もしも自分や親が認知症になったらと考えたことはありますか?「介護の心配をする人は多いですが、法律の問題も意識しておく必要があります」と話すのは、「仲島司法書士事務所」代表の仲島拓郎さん。「親の高齢対策」を事業の軸に掲げ、認知症に備えた法的支援である家族信託や任意後見業務に力を入れています。

 認知症などにより判断能力がなくなった場合、財産管理や不動産売買などの法律行為が「無効」とされます。例えば、預貯金の出し入れが自由にできない、自宅を売りたくても手続きが困難といった事態が起こります。
 「ほとんどの方がいざ困ってからどうしたらいいのかと駆け込まれます。『対策しておけばよかった』と後悔する方を減らしたいですね」

 本人が元気なうちにできる対策として、家族信託や任意後見制度があります。「家族信託」とは、信頼できる子などに財産の管理や処分を託すもので、家族・親族間での利用が一般的です。「任意後見」は、自ら後見人を指定して契約を交わし、将来判断能力が低下した時点から法律行為や身上監護を任せられます。判断能力がすでに低下している場合は、家庭裁判所が後見人を選ぶ「成年後見」があります。

 「財産内容や家族のあり方によって、どれを選ぶべきかは変わります。家族信託では、事情に応じてオーダーメードで内容を設計できるのが特徴で、財産の引き継ぎも含めて決められます。一方、任意後見では、業務開始後、裁判所により弁護士や司法書士などの監督人が定められ、毎月の費用が発生。メリット・デメリットをお伝えし、より良い選択ができるようお手伝いします」

#chapter2

「困らない・もめない」をモットーに、生前対策から遺産承継までトータルサポート

 「誰もが死を避けることはできません。〝いつか〟に備えて、あらかじめ家族で話し合っておくことは、安心して生活を続けるために必要なステップです」と仲島さん。後見業務だけでなく、遺言書の作成支援、相続登記、預貯金・株式の名義変更など、生前の財産管理から遺産承継までトータルでサポートします。相談の場では、できるだけ法律用語は使わず分かりやすく伝えることを心掛けているそう。
 「法律的な観点からだけではなく、終末期や亡くなった後をどうしたいのかを丁寧にお聞きし、ご本人の希望に沿った形を一緒に考えます」

 ある依頼では、夫に先立たれた妻から相談を受けました。
 「ご夫婦には子どもがおらず、一人残されたときのことを考えていなかったとのことでした。ご自身が亡くなったあと、財産を引き継ぐ親族もいなかったため、遺産を寄付する旨の遺言書を作成。『一人になり、どうしていいか分からなかったが、いざというときに相談できる相手がいると思うだけで安心した』と喜ばれました」

 大事にしているのは、万一の際に、「家族が困らない・もめない」ように導くこと。例えば、親子間の家族信託では、財産管理を託される〝受託者〟以外の兄弟姉妹にも事前に説明する機会を設けるそう。
 「特に兄弟間の仲が良くない場合はもめる要因になります。せっかく対策をしても後々家族がもめてしまっては意味がありません。経験からもめる可能性が高いと判断する場合は、手続きをお断りすることもあります」

仲島拓郎 なかじまたくろう

#chapter3

地域の身近な相談相手を目指し、セミナーなどを通して認知症対策の必要性を広める

 仲島さんは、家族の相続問題を機に司法書士を目指しました。司法書士事務所で経験を積み、累計500件以上の登記・相続・後見業務に携わりました。
 「独立以前は、不動産の売買手続きをメインに幅広い案件を担当しました。中でも相続関連の業務は、依頼者が抱える問題はさまざまで、一人一人に向き合う必要があります。数々の事例を扱ううちに、スムーズな相続には事前対策が重要と感じ、専門に取り組みたいと思うようになりました」

 2018年に、生まれ育った垂水区で開業。神戸西部・明石エリアに根差した活動を大事に、セミナー講師としても登壇しています。
 「最近も、認知症対策として任意後見をテーマにお話ししたところ、50代~70代の参加者から『言葉すら知らない』という声が聞かれました。制度を利用するかどうかに関わらず、選択肢として知ってほしいですね」

 開業6年目を迎え、紹介での依頼も増えているそう。
 「手続きが完了したときに『ありがとう』のお言葉や、『助かりました』と書かれたお手紙をいただくのはうれしいですね。地域の身近な相談相手でありたいと思っています」

 趣味は登山という仲島さん。資格取得の勉強の気分転換に始めて以来、登山歴は10年以上で、体力には自信があるとか。来所が難しい場合は訪問相談に応じるなど、フットワークの軽さも強みです。
 「先々に不安を感じていても、何から始めていいか分からないという方は多いでしょう。まずは気軽に胸の内をお聞かせください」

(取材年月:2024年4月)

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仲島拓郎

認知症に備えた財産管理や相続を支える「親の高齢対策」のプロ

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司法書士

仲島司法書士事務所

「親の高齢対策」として、認知症に対する法的支援である家族信託や成年後見・任意後見のサポートを専門に扱っています。あわせて、遺言書作成や相続登記など、生前対策から相続まで一貫して支援しています。

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