マンション管理組合運営と大規模修繕設計コンサルを熟知したプロ三村勝己

マンション管理組合運営と大規模修繕設計コンサルを熟知したプロ

三村勝己

管理組合運営を総合支援し、大規模修繕では、設計監理コンサルティングを実施

　マンション管理士・一級建築士の両資格をもって分譲マンション管理組合を総合的に支援する「株式会社マンションみらい設計」代表の三村勝己さん。豊富な実績とノウハウを持ち、マンション管理組合からも信頼が寄せられています。

　業務は多岐にわたり、管理組合顧問、外部役員就任、管理規約の見直し、長期修繕計画の作成、管理計画認定制度の支援等、管理組合が求める要望を明らかにできるマンション管理士です。

　「管理組合の目下の課題は建物の老朽化です。大規模修繕は通常、12年から15年に1回のサイクルで実施しますが、資材や人件費の高騰で予算が不足し、工事を先延ばしにしている物件は少なくありません。積立金だけでは足りず、1戸当たり100万円程度の自己負担が生じる事例も見られます」

　また、三村さんは一級建築士の知識を活かし、劣化状況や耐震性の診断、建材の数量などから工事費を算出する数量積算、施工業者の選定、設計監理にも対応。積立金の残高や資金計画を把握し、コストダウンを図る修繕案を提示しています。

　日常的に顧問として理事会・総会に出席し、議案や審議内容に対しアドバイス。住人の高齢化などで理事の就任が厳しい場合は、理事長代行や外部役員として組合運営を支援。管理委託契約の実施漏れによるトラブル、議事録の不備や会計ミスなどが起きないよう、管理会社に対して住民の立場から業務改善を厳格に提案・要望しています。

　「皆さまの快適な暮らしと、住まいという財産を守ることが私の使命です」

「プロポーザル方式」による選定方式で、工事費を縮減し実態に即した修繕を提案

　「いくらお金を積み立てても、工費が高くなれば資金はすぐに底を突きます。マンションの管理は会社の経営と一緒なんです」
　三村さんは大規模修繕において、価格面でも技術面でも優良な事業者を選ぶため、複数の業者を募り比較検討する「プロポーザル方式」を活用。多くの成果を挙げてきました。

事例1
「2024年から支援している管理組合さまでは、13年前に発注した工事会社に見積を依頼したところ、9,000万円という高額を提示されました。当社で設計監理コンサルを担当したところ、実工事費が5,000万円となり、あきらめていたインターホン更新工事も同時に実施でき、大変喜ばれました」

事例2
「インターホンの更新工事に関して、当社で相見積もりを取得した結果、管理会社が提示した見積額よりも約500万円低い金額で工事を実施したこともあります。
また、この管理組合では、長年にわたり修繕積立金の値上げを先延ばしにした結果、大規模修繕工事の時期を迎えましたが、修繕積立金が貯まっておらず、長期修繕計画を見直して30年先までの試算を行い、借入金を工夫し、大規模修繕工事・設備更新工事が出来る計画の立案に成功し、管理組合の立て直しを行いました」

事例3
「昨今は高齢者の運転免許返納や若者の車離れにより借り手が減り、空き駐車場が増加傾向に。賃料が入らず、設備の維持費が重荷になっています。空き駐車場のサブリース契約により資金を充当し、年間200万円以上も収入が悪化した管理組合の立て直しを行いました」

行政の支援を通し、管理組合運営を支援

　三村さんは1988年に一級建築士を取得し、設計事務所を経営、その後、知人の紹介で大手マンション開発会社に入社したことが、現在のマンションに関わる契機となりました。

　「管理会社に移ったのち、2020年にマンション管理士の資格を取り、在職中から個人で管理組合などへのサポートに取り組んできました。管理会社を退職後、本格的に始動するため株式会社マンションみらい設計を設立しました」

　行政機関などが主催するセミナーで講師を務め、大規模修繕計画・長期修繕計画の進め方などについて解説。建物の安全性と資産性を保つべく尽力しています。また、大阪府建築士会のマンション維持管理支援分科会に所属し、工事契約の透明化を図るため、管理組合などからの相談に応じています。
　さらに、日本マンション管理士会連合会（日管連）が2025年2月に発足した「日管連管理組合サポートセンター」の会員としても活動中です。

　「日管連管理組合サポートセンターは、安心を担保することを目的に、一定の基準をクリアした認定者のみが登録できるのが特長です。特に管理会社に委託している物件では、私たちが監事等に就任することで、運営体制を第三者の視点でチェックすることが可能です」

　三村さんは、将来は志のあるマンション管理士と組織化し、住人の多様なニーズに応えたいと展望を語ります。

　「ゆくゆくは、他の士業のようにマンション管理士が法人化し、独占業務になることを期待しています。住む人の目線で住環境を整備する専門家として信頼性を高め、若手の育成にも貢献し、業界が活性化することを願います」

（取材年月：2025年5月）

マンション管理士と一級建築士、管理組合運営と建物保守の知識で管理組合を総合的にサポート

管理組合運営を総合支援し、大規模修繕では、設計監理コンサルティングを実施

「プロポーザル方式」による選定方式で、工事費を縮減し実態に即した修繕を提案

行政の支援を通し、管理組合運営を支援

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