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中小企業や個人事業主を価値提供業に再構築

製造業サービス業を価値提供業へ再構築するマーケティングのプロ

桃谷修司

桃谷修司 ももたにしゅうじ

#chapter1

顧客ファーストの価値提供ができるプロセス作り、組織作りを支援

 主に、BtoC企業が、顧客に商品やサービスを通じて価値を提供し、ファンを獲得していくための販売計画を作れるようになるお手伝いをする「顧客価値共創堂」。顧客価値とは「ある生活シーンでの悩みを解決し、望みをかなえること」と定義し、それを提供する手段としての商品やサービスの企画・開発から販売計画の策定、振り返りと、それらを自社内で継続実行できる標準プロセスと組織作りをサポートしています。

 「これまでのご依頼主さまは製造業やサービス業を中心に、中小企業も個人事業主もいらっしゃって実に多様です。『モノが中心』ではなく、『お客さまが中心、モノは解決する手段』が信条です」と、代表の桃谷修司さん。

 自身は起業前、世界的日用消費財メーカーや食品会社、中規模のスイーツメーカーや衣料商社と規模の異なる4社で国内外の新商品・新事業開発を主に担当。予算もチームの人数が異なる環境において実行可能な計画を立てて、それぞれの目的・目標達成へ導いてきました。

 「ゴールを決めて進むのはどの会社も同じで、私はこの点で多くのノウハウがあります。『なんとなく・なるべく』ではなく、明確な売上・利益目標を最初に定めることがポイントで、そこから、単価と販売数、獲得すべき顧客の層や人数など活動目標を具体的に設定できます」

 活動目標が決まれば、例えば、知ってもらうためにSNS広告を利用するのか、駅前でチラシを配るのかなど、最適な方法と規模・費用も考えやすくなると言います。

 「私の経験を濃縮させたモデルを使ってお客さまと事業計画を作ります。いくつもモデルを挙げると混乱を招き、内製化や組織作りが難しくなるので、シンプルな二つのみに絞っているのが特長です」

#chapter2

優先して考えるべきは広告や販売促進よりも「顧客に提供する価値」

 桃谷さんは高校や大学時代に学園祭の実行委員を経験。自ら企画したステージの演目で観客を沸かせたことに喜びを感じ、就職活動でもテーマとしました。

 「放送局も受けて、最終的に選んだのが日用消費財メーカーです。インターンシップでマーケティングの部署に配属され、商品を通じてお客さまの心が満たされるのを目の当たりにしました。自分が求めていた仕事だとわかり、うれしくなりましたね」

 職場は人材育成にたけ、独立して経済誌に取り上げられたり、外資系企業の日本法人で代表を務めたりしている元従業員も多数。メディアを通じて聞く彼らの言葉に、自分と同じマーケティング思考を感じるそう。

 「お客さまのために尽力すれば、お客さまはご褒美として、その会社に売上・利益をくださる。これは、会社の規模に関わらない」と桃谷さん。「ピーター・ドラッカーも言うように、『お客さまに価値を提供すること』がマーケティングで、販売促進はその一部と考えます。どんな人にどのような価値をもたらしたいのか、商品・サービスのコンセプトをしっかり考えることが最初のステップです。出てきた答えを核にすれば、おのずと作るべき製品やサービスが分かり、広告や販売促進の方法も、一貫性を持って見えてきます」

#chapter3

「マーケティングは不要」と考える会社にこそアプローチしたい

 目標は「うちには、マーケティングは無関係」「お金も従業員も限られているので取り組めない」などと敬遠する人たちの心を開いていくこと。それぞれの事業の現状と目標を理解し、目標達成を目指す規模感のプラン作りを提案しますと話します。

 「たくさん広告宣伝をしている企業は、それだけ大きな売上・利益目標を目指しています。ですので、大規模にやらざるを得ない。売上・利益目標がそこまで大きくない企業は同じことをする必要はなく、自身の目標を達成するための必要な規模で行うべきだ」と言います。

 「支援してもらうコンサルタント会社の規模も同様に考えられるとよいと考えます」とも。「顧客価値共創堂」は桃谷さんが1人で運営しているため、顧客数を増やすのではなく、消費者やユーザーを中心に据えた手法に共感してくれる中小規模の会社や個人事業主と深く付き合っていきたいとか。また、企業間取引のBtoBの分野を得意とするパートナーを紹介することも可能だそうです。

 「農業、工業、製造業など、モノづくりの方々とも関わっていきたいと考えています。いずれの業界、業態でも、お客さまに届けるのはあくまでも価値で、媒介手段である商品や製品のコンセプトをご依頼主さまと一緒に見直したり、新たに生み出したりしたいですね」

 引退するのは「自分の考え方や手法が古典になった」と感じた時。知識や経験が時代遅れになったら、顧客に迷惑をかけないよう潔くリタイアすると決めています。

(取材年月:2024年1月)

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専門家プロフィール

桃谷修司

製造業サービス業を価値提供業へ再構築するマーケティングのプロ

桃谷修司プロ

プロマーケター

顧客価値共創堂

世界規模と中規模の企業で、新商品・新事業開発を主導。その経験から、大企業のノウハウをベースに、中小企業が顧客ファーストの商品・サービスと販売計画を生み出せるプロセスと組織作りを支援する。

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