薬局のM&Aで事業承継をサポートするプロ
鈴木重正
Mybestpro Interview
薬局のM&Aで事業承継をサポートするプロ
鈴木重正
#chapter1
「薬局を営んでいるけれど後継者がいない、事業を引き継ぐにもノウハウがなくて困っている方は、ぜひご相談ください」と話すのは、薬局に特化したM&Aで事業承継をサポートする「YAKUDACHI」の代表・鈴木重正さん。自身も複数の薬局を経営する薬剤師です。
「M&Aは売り手と買い手の交渉ごとです。金額をはじめ双方の認識をすり合わせることが大事ですが、売るのが初めての経営者さんは妥当な売却価格が分かりづらいもの。私は以前、薬局の運営やM&Aを手掛ける上場企業に勤めておりました。年間約100件の企業価値を診断してきた実績をもとに正当な価格を算出し、オーナーさまの手取りの最大化を目指します」
事業規模が大きいと仲介手数料が高くなるため、小規模の薬局は後回しにされるケースもあると指摘。鈴木さんは独立を希望する薬剤師など個人の買い手とのネットワークも築いているため、小さな店舗でも親身に対応します。
売り手側の仲介手数料は無料。さらに買い手は、買収にかかる総額からM&Aを検討するため、買い手側の手数料も純資産ベースで算定することで低く抑え、売り手に対して高い株価を提示できると説明します。
「当方は調剤業務を通して、人件費や営業コスト、事務所経費などを賄い、リーズナブルな手数料を設定できるのが大きな特長です」
多店舗展開の経営者に対しては、大手チェーンへの売却戦略を立案することも。
「株式ごと譲渡するのか、店舗を切り離して売却していくのか。後者であれば、どの店をどのタイミングで売却するのか、適切にアドバイスいたします」
#chapter2
鈴木さんは、東京都内の量販店でアルバイトとして薬剤師のキャリアをスタート。米国の大学へ語学留学した後は、薬局事業を行う「メディカルシステムネットワーク」に就職。北海道富良野市の系列店に赴任しますが、公認会計士を志し退職します。
「予備校に通いましたが結果は不合格で、前の職場からお声掛けをいただき復職しました。社内で開催された経営セミナーで優秀な成績を収めたことから、東京の本部職員に登用されました。いち薬剤師である私が、経営に関する知識を持っていたことに驚かれたようです。公認会計士の勉強が役に立ちました」
西日本エリアにある各グループ会社で経営管理を担うほか、中核事業会社では取締役に就任。東京本部に戻ると、ジェネリック医薬品メーカーの立ち上げに従事します。その後、経営企画部に配属になり、薬局のM&Aに携わることになったのです。
「企業価値評価から交渉窓口、M&A後の統合作業まで、一気通貫で経験したことが強みです。売却が成立すると担当が代わり、交渉の経緯をよく知らないため、同意した条件が反映されないということ起こりがちです。統合がスムーズにいくよう実務者として現場に入ることもありました」
約10年間勤務して知見を深めた鈴木さんは、独立を決意。千歳市内の薬局を会社から買い受けました。
「『未来ある子どもたちのために』という決意を持って薬剤師になったので、起業にあたり、小児科クリニックの処方を1薬局目として選びました」
#chapter3
2019年に新たな一歩を踏み出して以来、複数の薬局をマネジメントするとともにM&A業務に取り組む鈴木さん。現役の薬剤師・経営者だからこそ、きめ細やかなフォローができると胸を張ります。
「医療機関と薬局は密接な関係があり、独特の商習慣もあります。M&Aを円滑に進めるには、近隣の医療機関への配慮が欠かせません。話を持っていく順番はかなり気をつかっています」
また、緊急で売却する必要が生じた時には、薬剤師を派遣することも可能だと言います。
「例えば、人材不足やオーナーの急病などで『経営が立ち行かない』といった際に、当面の店舗運営をお手伝いしながら、売却までの道筋を整えます。不利な条件で、慌てて手放さずに済みます」
良き買い手が見つかっても、会社のことを気に掛ける経営者は多いもの。鈴木さんは、売買条件に従業員の処遇や、近隣の医師との関係構築など、売り手の要望をできるだけ盛り込みます。場合によっては顧問として一定期間残ってもらい、職場の整備や各方面との調整を打診することもあります。
北海道を拠点としていますが、日本全国に対応。状況を詳細に把握するため、必ず1度はクライアントのもとに足を運ぶようにしています。
「経営者さん自らが調剤していると、引退イコール閉局となってしまいます。特に地方では薬を受け取る場所がなくなってしまい、住民の健康に大きな影響を与えます。薬局の事業承継を支援することで、安心して暮らせる地域づくりに貢献したいですね」
(取材年月:2023年12月)
リンクをコピーしました
Profile
薬局のM&Aで事業承継をサポートするプロ
鈴木重正プロ
薬剤師
合同会社YAKUDACHI
全国に支社を持つ企業で数多くの薬局のM&A業務に携わり、現在は複数の薬局を経営する薬剤師が、薬局の売却をサポートします。売り手側の仲介手数料は無料。小規模な薬局の事業承継の相談にも対応します。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
プロの執筆コラム
掲載専門家について
マイベストプロ北海道に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北海道テレビ放送が取材しています。[→審査基準]