障害年金手続きと障がい関係業務のプロ
藤井啓道
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障害年金手続きと障がい関係業務のプロ
藤井啓道
#chapter1
2001(平成13)年の設立以来、年金や障がい福祉、不服申立(審査請求、再審査請求)などの手続きをサポートする業務に特化している藤井法務事務所。得意分野としている障害年金のことなどについて、代表の藤井啓道さんにお聞きしました。
「年金」というと、老後の生活を支える「老齢年金」のことばかり取り上げられ、年金イコール老齢年金というイメージが強いですが、現役世代でも病気やけがなどで障害が生じたときには、「障害年金」が支給されます。障害年金は、目や耳、手足などが不自由といった外部疾患だけでなく、がんや糖尿病といった内部疾患などで長期療養が必要な場合なども、支給の対象になります。その範疇は非常に広く、その数も多くなります。
障害年金の対象となる主な傷病は、目の障害/聴力障害/鼻腔障害/口腔(そしゃく・言語)障害/肢体の障害/精神障害/知的障害・発達障害/呼吸器疾患による障害/循環器疾患による障害/肝疾患/腎疾患/高血圧/糖尿病/がん/その他(白血病・HIV・再生不良性貧血など)などがあげられます。
藤井法務事務所は個人の障害年金の手続きの他に、障害者手帳(身体障害者手帳・精神障害者福祉手帳・療育手帳)の申請・更新や、特別障害手当などの対応を主な業務としています、その他、障害福祉事業・介護福祉事業などの事業所開設に伴う許認可や運営に必要な行政手続きの代行も行っております。
#chapter2
代表の藤井さんが障害年金、障がい福祉を専門に社労士の道を歩むのも不思議な縁に導かれたと言えるでしょう。
生まれは岩内町。大学入学時に札幌に転居し、大学卒業後は製薬会社でMRとして12年間勤務します。就職が決まりいざ会社員として新たなスタートを切るはずが、肝臓疾患で2カ月間の療養生活を送りました。「いきなり休職という形での社会人としての船出でしたが、回復してMRとして、会社で扱っていた感染症・呼吸器疾患・脳血管障害・消炎鎮痛・胃潰瘍など多くの分野の医療用医薬品を販売する日々を過ごすことになりました。これらの医薬品について、医師や薬剤師へ説明するために身につけた薬品と疾病医学に関する知識が現在取り組んでいる障害年金業務の下地となっていますと藤井さんは当時を振り返りながら、物静かに話してくれました。
在職中に独立することを決意し、1999(平成11)年に社会保険労務士試験合格。2001(平成13)年に開業登録します。社労士の受験学習当時から、障害年金については自分の経験が生かせる分野と考えていました。登録後まもなく知人から受けた労災死亡事故に関する相談が最初の障害年金・労災対応の実務となりました。
「当事務所での相談件数は年間数百件にのぼり、そのうちの150件くらいが障害年金の案件です。障害年金の手続・申請などは専門的で難しく複雑でもあります。まずはご相談くださることをおすすめします」と藤井代表。
事務所が軌道に乗りかけた2004(平成16)年には、腸閉塞のため救急車で搬送され、入院後に判明した大腸がんの手術や抗がん剤治療などのため11カ月の療養生活を余儀なくされます。この間に同じ病気で入院している患者仲間の死や経済的な理由による治療の打ち切り、退院などを見聞きし、自ら思うところがあり、障害年金を勉強し直し障害給付業務に本格的に着手しました。以来、専門分野として積極的に取り組んでいます。
#chapter3
その後、藤井さん自身をさらに病魔が襲います。
2011(平成23)年、10万人に1人という悪性の耳下腺腫瘍を発症します。手術は顔の表面から右頬を切除し、切除した頬に腹部の神経と組織を移植するという大がかりなものでした。手術後大きな傷と強い顔面麻痺の後遺症が残り、この9年間、顔の修復整形のためたびたび手術を繰り返してきました。今では大きな傷はきれいに整形され、顔面麻痺も大分よくなったといいます。「よくなってきてはいるのですが、今でもラーメンなど麺類を啜るのが上手くできず、難儀しています」と苦笑しながら淡々と闘病について話してくれました。
「お客さまの前に出て話すのがためらわれましたし、精神的にもつらい時を過ごしましたが、スタッフの協力やお客さまのご理解をいただき仕事を続けることができました。これまで以上に障害年金の分野で病気を抱えている多くのお客さまのお役に立ちたいという思いが強くなりました」ご自身の疾病の経験が、病気を抱えている人とその家族に寄り添う障害年金専門社労士としての原動力になっています。
大病を克服してきた藤井さんの現在の趣味は「椎茸栽培」だといいます。
「住まいが藻岩山の裏山の中にあるので、椎茸の原木栽培に挑戦しています。あと、家庭菜園で栽培するには珍しい、茗荷・山椒・エゾ山わさびといった香味野菜を栽培しています。ちょっと風変わりでしょうか?」と言って微笑む藤井さんです。
(取材年月:2020年5月)
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藤井啓道プロ
社会保険労務士・行政書士
藤井法務事務所
社会保険労務士と行政書士の資格を持ち、障害年金等の障害給付に関するすべての手続きを専門として業務を展開。ご依頼いただいたお客さまに寄り添った法務サービスを提供中。
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