点描曼荼羅で癒やしの時間を提供する講師育成・サポートのプロやまだまよ

点描曼荼羅で癒やしの時間を提供する講師育成・サポートのプロ

やまだまよ

絵が苦手でも大丈夫。身近な道具で描き出す曼荼羅で内面と向き合う時間を

　「当方では、『宙（そら）を奏でる点描曼荼羅画』というオリジナルの点描画法の講師育成ならびにサポートを行っています。曼荼羅（まんだら）とは、密教において仏の悟りの境地や仏教的な世界観などを、視覚的・象徴的に表したものと言われていますが、表現方法に厳密な決まりはないんですよ」

　そう話すのは、札幌市に拠点を置く「マンダラ・ユニヴァースクリエイター協会」代表のやまだまよさん。自身が提唱する「宙奏（そらかな）曼荼羅画」では丸い形を目指して対称に描いていきますが、構成などは自由だと説明します。

　「描いているうちに、思いもよらない形になっていくのが楽しみの一つです。一見、複雑に見えますが、定規とコンパスを使って描いた下図にペンで点を打つだけ。絵が苦手な方でも気楽に自分だけの曼荼羅画を描けるのが魅力だと思います」

　黒い紙にボールペンで一つ一つ点を打っていくと、やがて現れる規則的で緻密な模様。直線や曲線、円を組み合わせるほか、草花、星月といったモチーフが放射状に広がります。鮮やかな色彩が特長で、数センチ角の小品から1m近い大作まで、サイズも大小さまざまです。

　「制作にあたり、特に点描を入れる作業は写経に似ていると感じます。目の前のことに没頭することで、忙しい日常を離れて自らの内面を見つめることができます。講師の皆さまの講座を受けた方から『現在の状況に対して新たな視点が持てるようになった』『心の奥にある自分自身の本音が分かって気持ちが晴れた』など、内面の変化に関するお声をいただくとやりがいを感じますね」

無料体験講座から資格認定講座まで展開し、対面・オンラインで受講可能

　やまださんが曼荼羅点描画に出会ったのは2007年。海外の友人の娘さんが描いていた点描画をその方のHPで目にしました。40歳で大学に入学し、心理学を学んだ経験を持つやまださんは持ち前の探求心を発揮。試行錯誤を重ね、独自の画法を確立します。

　「サイトで発表すると、『作品が欲しい』『描き方を教えてほしい』といったメールが届き、講座運営会社の依頼を機に2013年、WEBで開講しました。2015年には一般社団法人を設立し、講師向けの講座もスタートさせました」

　全国からアクセスがあり、10年余りで600人近くの認定講師が誕生し、北海道から沖縄まで、さらには香港やドイツなど海外でも活動しています。受講者は家事・子育て・介護や仕事に忙しい40～60代の女性が中心。講師は40～70代で、少数ながら男性も在籍しているそう。

　講座は、道具の扱い方から基礎を学ぶ「ファースト講座」、技法を磨き、作図の幅を広げる「セカンド講座」、指導者、作家としての技量を高める「プラクティショナー資格認定講座」があります。

　入り口としてネットを通じた無料お試し講座を用意。下図に点描で彩色するカラーリング体験会も対面・オンラインで開き、参加者の希望地に応じて講師を紹介するほか、ホームページの掲載者から選ぶこともできます。

　「テキスト内容は充実させていますが、コツを体得するには、実際に見るのが一番。オンライン講座ではカメラで講師の手元を映したり、受講生の作品をチャット上で見せてもらいながら進めるなどの工夫をしています」

パリのアートフェアに出展するなど、講師の作品を展示する機会も創出

　「宙奏曼荼羅画は私が生み出した画法ではありますが、私一人ではここまで続けることはできませんでした。一般社団法人にしたのも、『身に付けたノウハウや、描く喜びを多くの人に伝えたい』と言ってくださった講師の皆さまの立場を固めるために、必要だと判断したからです」

　これまで講師の支援に徹してきたやまださん。2023年10月には、ルーヴル美術館直結の商業施設で開催される世界的なアートフェア「サロン・アート・ショッピング・パリ」に5人の講師の作品とともに初出展しました。

　「当方は、講師の皆さまの活躍の場を作ることを目標としており、アートフェア挑戦はその一環です。世界各国から来場した美術関係者やアートファンに作品を公開し、私は店頭で、通訳の力を借りて質問にもお答えしました」

　自分自身と向き合う時間を持つことが趣旨ですが、一心に取り組み完成させたものが、多様な価値観やバックグラウンドを持つ人の目に触れ、評価を受けることもまた大切。作品も作者自身も新しいステージに進めることを実感し、今後は国内外を問わず、講師の作品の展示機会を増やせるよう積極的に働きかけていきたいと力を込めます。

　やまださんは、志も新たに自身が担当するオンライン講座も開講予定だとか。
　「学びの初期段階から寄り添って講師を育成したい思いもありますし、私が受講生の方の声を直接聞くことで、講師の皆さまの技術的なブラッシュアップや、モチベーションアップにつながればうれしいですね」

（取材年月：2023年11月）

世界に一つの作品が仕上がる、曼荼羅のオリジナル点描画法の講師を育成

絵が苦手でも大丈夫。身近な道具で描き出す曼荼羅で内面と向き合う時間を

無料体験講座から資格認定講座まで展開し、対面・オンラインで受講可能

パリのアートフェアに出展するなど、講師の作品を展示する機会も創出

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