片付けが苦手な人に寄り添う整理収納コンサルティングのプロ
生田和代
Mybestpro Interview
片付けが苦手な人に寄り添う整理収納コンサルティングのプロ
生田和代
#chapter1
「参加者は、私と同年代の50代以上の方が多いですね。『今までこうやってきたんだけど、先生はどう思う?』と、第二の人生に向かう前に、自分がやってきたことの答え合わせのようなイメージがあります」
そう語るのは、「Bonds Plant。」代表で、整理収納コンサルタントの生田和代さん。依頼者宅で行う片付けサポートのほか、整理収納アドバイザー2級認定講座や終活講座を開講。企業向け職場改善の基礎を学べる職場整理収納アドバイザー基礎講座も開催している。和気あいあいとした雰囲気の中、基本的な整理の考え方や実践的な収納方法を学び、1日で資格が取得できるため、初めての資格挑戦という受講者も多いのだとか。
「理論に基づいて物を見るようになると、使わないなら『押し入れに移動』から、『手放そう』に発想が変わり、自然と家の中の物が減っていきます。講義を聞きながら、『押し入れに何が入っていたかな』と、早く帰って片付けたい気分になるようです」
無駄な買い物も捜し物もストレスも減り、時間の有効活用や節約につながるだけでなく、自分を見つめ直す機会にもなるなど、整理収納のメリットを挙げる生田さん。実は2018年の開業以来、「かつての自分ほどの汚部屋の住人に会った試しがない」と言うほど元々は片付けが大の苦手。弱点を克服したいと学習を始め、面白さのとりこになりました。
「私自身が効果を実証しているといいますか、そもそも苦手意識を持たなくていいことに気がついたんです。講座でもコンサルでも、正解を教えるというより、こう考えるといいですよ、思考のヒントを得てもらうことを大切にしています」
#chapter2
リバウンドをしない整理収納の出発点は、「なぜ片付けるのかという目的を定めること」と生田さん。
「SNSや雑誌を見て、『こんな部屋に住みたい』と憧れから入る方が多いのですが、自分にとって豊かな暮らしとは何か、心地良いのかという目的が抜けていると、ずれが生じてしまうんです。自分ではなく他人の設計図、完成図でモデルルームみたいに生活感のない部屋にしたいといっても、現にある物を全て捨ててしまったら生活が立ち行きませんし、何もかもしまい込めば、出し入れが面倒になって長続きしないんです」
生田さんは「MY CHANTO NOTE」から始めることを提案。各人にとって「気持ちよく暮らせる片付け方とは何か」という問いへの答えを引き出すツールです。
「七つの質問に答える形で、自分はこういう時にうれしいんだ、こうだとイライラするんだと、ご自身を振り返っていただくためのノートです」
また、このノートはどこから片づけを始めるといいかを導き出すツールにもなります。
「初めは生前整理という大きなテーマで書き進められたお客さまも、実際に片付けに取り掛かる段で、料理が好きだということに改めて気づかれたんですね。じゃあ、よく使う冷蔵庫から始めましょう、と。お洋服が好きな方ならクローゼットとか。人のレールに乗るのではなく、自分が効果を実感できる所から始めることで、小さな成功体験が積み重なり、逆戻りしづらい片付けが自然と身についていくんです」
#chapter3
自宅を訪れての片付けサポートでは、「自分一人では無理だから力を貸してほしい」という声が寄せられます。
「講座のようにレクチャーをガッツリするのではなく、片付けを進めながら、『これはどれくらいの頻度で、いつ、どこで使いますか』と問いかけ、発想を変えるお手伝いをする感じです。これはここにあるべきという固定観念から解き放たれると、作業がしやすくなります」
今後、生田さんは飲食店や工場、オフィスなど、事業者向けの整理収納コンサルティングにも力を入れていきたいと言います。
「整理整頓の重要性を認識されていても、社内にはいろいろな方がいらっしゃいますので、チームワークがうまく行かずに頓挫してしまうケースがあります。また、普段その職場で働いていると、全てが当たり前の景色になって問題点が見えづらいため、外部の客観的な視点を入れることで、プロジェクトが進みやすくなるのがメリットです」
現場に合わせて適切な仕組みを構築し、働く人たちに意識や行動を定着させることで安全性や衛生環境が向上。業務の効率化や、パフォーマンス・生産性アップも図ることができ、顧客や従業員らの満足度につながると言います。
「忙しいとついつい後回しになってしまう点は、家も会社も同じ。トップダウンで進めないと、担当者さんが現場との間で板挟みに陥り、空中分解もリバウンドもしやすくなります。職場改善に対する強い意志を持たれる経営者さまと共に取り組みたいですね」
(取材年月:2023年10月)
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片付けが苦手な人に寄り添う整理収納コンサルティングのプロ
生田和代プロ
整理収納コンサルタント
Bonds Plant。
片付けが苦手だったからこそ、同じ悩みを持つ人の心に寄り添える。整理収納の目的は個々人のパーソナリティが出発点という発想に基づき、全てが正解の姿勢で行う整理収納講座や終活講座、訪問片付け・生前整理支援。
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