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断熱性や気密性に優れた住宅を提案し、価格競争ではない価値で勝負

確かな技術力で、断熱に優れた省エネ住宅を建てるプロ

松浦邦充

松浦邦充 まつうらくにみつ
松浦邦充 まつうらくにみつ

#chapter1

保温性を高める「エコットハウス」で、快適な住空間と消費エネルギーの削減を目指す

 「住宅の断熱性と気密性はどちらか一方だけ良くても、望むような効果を得ることはできません。壁や床、天井といった構造部分だけでなく、冷気が入る窓などの開口部も含め適切に対処することで、外気の影響を受けにくく、室内の暖気を逃がしにくい家になります」

 そう語るのは、1978年の創業以来、札幌市を中心に、住宅のリフォーム、新築などを請け負う「松浦建設」代表取締役の松浦邦充さん。積雪寒冷地の北海道において、冬場に強い住まいづくりを得意としています。

 「部屋を暖めるには、暖房器具を使用すればいいのですが、当然、電気代や灯油代などがかかります。弊社がご案内する『エコットハウス』の特徴は、技能を備えた職人が配線や配管などに配慮しながら、寒さや結露の原因にもなる気流が生じないよう断熱材や気密シートを施し、保温性を高められることです。少ない熱量で暖をとることができれば、エネルギー価格の上昇が続く中で光熱費の削減にも貢献できます」

 北海道には、住宅などの温熱環境要件に関して高度な専門性を有し、設計や工事にあたる「BIS(断熱施工技術者)」を認定する制度があります。松浦さんのもとでは、現場監督や作業者もこの資格を取得し、知識や技術の向上に努めています。

 「お引き渡しの前に、建物の隙間の量を計測する気密測定や、化学物質濃度(VOC)を調べる空気測定を実施しています。お客さまに確かな品質の住まいをお届けすること、そして自社の施工レベルを点検する意味があり、導き出した結果は日々の業務に反映しています」

#chapter2

必要な仕様について説明し「他より高いけれどお願いしたい」と言ってもらうことが喜び

 「弊社は他の業者さんより高めですが、お客さまは、なぜその価格になるのかを理解した上で選んでくださいます。ご依頼いただくのは40代以上が多いですね」と松浦さん。

 例えば断熱性や気密性が十分でないと、室内の熱が屋根に伝わって積もった雪を溶かし、長いつららができるそうです。
 「当方が手掛ける住宅は、10センチほどの短いつららしかできません。一戸建てであれば、屋根に接する小屋裏はできるだけ外気温と同じにするのが理想で、給気、排気といった換気システムも重要です」と強調。家が底冷えすると訴える人に、どういう仕様が有用かを説明することで、金額も含め納得してくれるとか。

 「お客さまの悩みや疑問にきちんとお答えし、『松浦さんのところにお任せしたい』と言ってもらえるとうれしいですね」

 今でこそ、冷暖房の効率性などを重視した住宅を中心に展開していますが、2007年に父親から経営を引き継いだ当初は、ローコスト住宅に特化していました。
 「受注数はありましたが、競合他社との価格競争になってしまい、会社の利益が出にくかったんです。用いる資材や工法など、予算を抑えたことで10〜20年後にどうなるのか、不安を覚えることもありました。安いから仕方がないという言い訳は、お客さまには通用しませんから」

 厳しい気候に対応するためにも、2010年頃から高性能住宅に方針転換。2011年に発生した東日本大震災で原子力発電所が停止し、省エネ対策に関心を持つ人が増えたことも追い風になりました。

松浦邦充 まつうらくにみつ

#chapter3

快適な住空間を追求すると共に、メンテナンスが少ない家を提案

 新築や建て替え、リフォームと、いずれの案件も費用は決して安価ではありません。「お客さまに支払っていただく対価に見合う内容で、期待にしっかりと応えたい」と松浦さん。
 「ローコスト住宅を販売していた時は、自信を持てないこともありました。現在のように暮らしやすさを追求することで、社員もプライドを持って仕事ができるようになりました」と笑顔を見せます。

 一方で、提供する住空間の素晴らしさを事前に体感してもらえないなど、建築業におけるマーケティングの難しさも感じていると言います。
 「明らかに住み心地は違うんですが、実際に生活してみないと分からないもどかしさがありますね。大学の先生との共同研究を通じて、数値で快適性を表現するなど試行錯誤しています」

 マイホームづくりでは、将来にわたりメンテナンスの手間を省けるプランニングを目指しています。紫外線や雨風にさらされる外壁は、10年ほどで補修や塗装が必要となりますが、耐久性や耐震性、通気性、防水性などに優れた「次世代レンガ」を採用しています。

 「私自身、子どもの教育費がかかる時期に、わが家の外回りの修繕で出費が重なった経験があります。初期投資は高くても、後々を考えると得になるご提案を心掛けています。当方では、お願いされたとしても、お客さまのリスクとなる工事はしません。生意気と思われるかもしれませんが、最終的に『あんたに頼んでよかった』と言われる価値ある家を実現していきたいですね」

(取材年月:2022年10月)

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松浦邦充

確かな技術力で、断熱に優れた省エネ住宅を建てるプロ

松浦邦充プロ

建築業

株式会社松浦建設

断熱、気密、通気に関する専門知識と技術力を持ち、省エネに優れた高性能住宅を提供。新築住宅やリフォーム工事において、長い目で見た快適性や後々のメンテナンス費用がかからない家として施主から評価されている。

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