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講演活動を通じて自らの経験や困難との向き合い方を伝え、聴いた人を前向きな気持ちに

困難を乗り越えるためのポジティブ思考を伝えるプロ

住田妃照香

住田妃照香 すみだひでか
住田妃照香 すみだひでか

#chapter1

保護者や経営者、高校・大学生らに向けて危機を乗り越えた道筋を講話

 「金銭トラブルに巻き込まれた子ども時代や、起業した会社の破産危機をハングリー精神で乗り越えた経験を、時にはユーモアを交えて率直にお話しします。皆さんに少しでも前向きな気持ちになってもらえればと願っています」

 そう話すのは、講師業と清掃業、放課後等デイサービスを展開する「友愛」の代表・住田妃照香さん。広島、岡山を拠点に全国各地に赴き、自らの経験や困難との向き合い方を講話。これまでに教育委員会が主催する保護者向けの勉強会や、商工会議所、ロータリークラブによる経営者セミナー、高校、大学などで登壇し、ラジオ番組にも出演しました。

 90分間の講演で必ず触れるのが10代の頃のこと。父親の借金が原因で中学2年から5年間、学校に通いながら親族の元で働かされていたと言います。

 「実家が鉄工所を営んでいたのですが経営が厳しく、親族にお金を借りていました。両親は少しずつ返していたものの利息が払えず、代償として親族宅に私が寝泊まりし、家事や仕事の手伝いをしました」

 早朝と夜間に店番をして、終わると深夜まで家事と子守をさせられる日々。ベランダに閉め出されるいじめも受けましたが、「将来は絶対に経営者になってお金の心配なく暮らそう」と考え、心の支えにしていました。

 高校3年時に借金が終わり、苦しい生活から解放された住田さん。就職し、24歳のときに28歳差の会社経営者と結婚して初めて穏やかな日々を送りました。

 「30代で人材派遣業を始め、念願の会社経営者になったのですが開業3年でリーマンショックが起き、売り上げが急落してしまいました」

#chapter2

「人生を語ることで誰かの支えになりたい」との思いで講師業をスタート

 「講演でお伝えしていますが、ポジティブ思考で難局を打開してきたので多少のことは平気。会社設立時に掲げたのは『チャレンジがモットー』。主人からも『君はつらい経験をたくさんしているから自分を奮い立たせる強さがある』と励まされました」

 住田さんは再起をかけて官公庁が募集していた清掃業に参入。前任の会社が6時間かけていた工数を、約半分の3.5時間に削減するなど効率化を図りました。要領を得た仕事ぶりが評判を呼び、売り上げが回復。ピンチを脱しました。

 「当初は従業員さんから『作業時間を半分にするなんて無理です』と言われたのですが、とにかくやってみようと挑戦したことが功を奏しました」

 2015年からは障害がある子どもたちを支援したいと、放課後デイサービスを開設し、2022年から医療的ケア児の受け入れも開始。事業者は社会福祉法人がほとんどで、営利団体が運営することはまれだったとか。

 「療育は専門性が高く大変でしたが、他の人がやっていない分野のパイオニアになれることにやりがいを感じました。従業員さんとともにサービス拡充を進め、利用者さんにも喜ばれています」

 講師業をスタートしたのは2022年。大学スポーツの元指導者による講演を聴き、人間形成を重視したチームづくりで何度も全国優勝に導いた内容に感銘を受けたことがきっかけでした。

 「人生を語ることで誰かの支えになりたい一心で始めました。10代の頃の話をすると今でも涙が出ることがありますが、聴いた人が1人でも元気になってくれればという思いで活動しています」

#chapter3

女性の活躍も講演テーマに掲げ、働くママを応援。若者へのエールも

 「女性の活躍」を講演テーマにすることも多い住田さん。人材派遣業で造船所に女性を派遣した取り組みや、自らも子育てと社長業の両立を図ってきたことを紹介します。

 「子育て中の女性が働きやすいように、労働時間は日中帯にして土日は必ず休めるようにし、職場のトイレも改修して環境を整えました」

 現場では、完成した船の内部検査と清掃に従事。最初は素人集団だったものの徐々に業務の幅を広げ、手先が器用なスタッフの中にはステンレスの溶接を任される人もいたそうです。

 「どのスタッフも生き生きと働いていました。それまで男性の世界だった造船所に女性を入れたのは画期的で、いろいろな事業所が視察に来ました。その後、人材派遣業は終わりになってしまいましたが、周囲の反響からも就労の場や職務に制限はなく、女性の可能性は無限大だと感じました」

 果敢に道を切り開いてきた自らの過去を踏まえ、講演の終盤では、言霊の大切さや、自分自身を好きになることの意味を伝えています。

 「人生にはいくつもの壁があるけれど、必ず乗り越えられます。自分を信じ、『できる』と言い続けると実現することは多いんです。特に若い人から『自信を持つにはどうすればいいか』と聞かれることが多いのですが、まず自分自身を認め、愛すること。そして、つらいことがあっても経験値として自分の糧になることも忘れないでほしいです。物事を前向きにとらえながら、一度しかない人生を楽しんでもらいたいですね」

(取材年月:2025年4月)

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専門家プロフィール

住田妃照香

困難を乗り越えるためのポジティブ思考を伝えるプロ

住田妃照香プロ

講師

有限会社友愛

金銭トラブルに巻き込まれた子ども時代や起業した会社の破産危機をハングリー精神で乗り越えた経験を、ときにはユーモアを交えて率直にお話しします。女性の働き方や子育てとの両立などもテーマに掲げています。

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