空中から車を追いかけるプロ伊藤謙一

空中から車を追いかけるプロ

伊藤謙一

サーキット走行をドローンで撮影。客観的なデータを使って運転技術の上達をサポート

近年ではドローンで撮影した映像を見る機会も増えてきました。地上から見るのとは全く違う視点と景色に心惹かれている方も多いのではないでしょうか。

広島県広島市でサーキット走行空撮サービス「スポチレーザ」を展開するK-Workerの代表、伊藤謙一さんもそんなドローンに魅力を感じた一人。スポチレーザでは、サーキットの上空でドローンを飛ばし走行ラインを撮影。同時に速度や車内から見る進入ラインも記録し、あらゆる角度から走行を分析することができます。

「外から自分の走りを見ることで、車の中から見るだけでは分からない、自分のクセや問題点に気付くことができます。スポチレーザを自分の走りを知るための客観的なツールとして活用してもらい、運転技術の上達につなげてほしいと考えています」と伊藤さん。

伊藤さんは元々、バイクや車の運転が好きで、かつてはバイクレースにも参戦していたそうです。常々、走行する様子を俯瞰で見たら面白いのでは？と考えていたところ、たまたまドローンで自らの走行を撮影してもらえることに。その映像を仲間に見せると「これはすごい！」と大好評。ニーズがあると判断し、スポチレーザを立ち上げました。

「自分が走ることが好きなので、こういうところが見たい、知りたいというポイントが分かります。それをスポチレーザに落とし込みました。撮影した映像はYouTubeに上げていて、その視聴回数も徐々に増えてきています。まずは多くの人にスポチレーザを知っていただき、実際に使ってもらえたらうれしいですね」

現在はTSタカタサーキット（広島県安芸高田市）をはじめとする3カ所のサーキットで常に撮影が可能。撮影・編集は無料なので、「自分の走りを見てみたい！」という方は気軽にお問い合わせを。

JAF公認のオートテストの空撮を担当。今後はYouTube専門チャンネルの開設やライブ配信も予定

伊藤さんは中国地区で開催されるJAF公認の競技会であるオートテストにプレスとして参加。2022年9月の広島国際学院自動車整備大学校（広島県広島市）、10月の境夢みなとターミナル（鳥取県境港市）、11月にはジアウトレット広島（広島県広島市）で開かれたオートテストで空撮を担当するなど、活動の幅を広げています。

「オートテストはイギリス発祥の伝統的なモータースポーツで、着順やタイムを競うのではなく、車庫入れや転回など『日常的な運転の正確さ』を競うのが特徴です。特別な装備もいらず、マイカーでそのまま出場できる気軽さで、近年人気も高まっています。今後はオートテストのYouTube専門チャンネルの運営やライブ配信などにも挑戦して、より多くの方にオートテストについて知ってもらいたいですね」

加えて11月には、太田川沿いを走る「かわなみサイクリングロード走行会」の空撮も担当。「プロの自転車ロードレースチーム『ヴィクトワール広島』の選手がスタートダッシュするところを後ろから撮ったり、山の裏側まで追いかけたり。ドローンならではの映像が撮れたかな」と撮影にも手ごたえを感じています。

「撮影は試行錯誤の連続。真似をする手本がないので、どうやって撮るか、そこが一番難しい。例えば自動車競技を撮るにしても、どこまで引いて、映像に車を何台入れたら見やすいかなど、いろいろ考えながら撮らないといけない。でもその難しいところが面白いんですよね」と伊藤さんは笑います。

「空撮とプラント・溶接事業の二本柱で、広島でなくてはならない存在の会社に」

K-Workerは2004年、ゴミ焼却プラントのボイラー整備をメインに伊藤さんが創業。現在ではゴミ焼却場に加え、製紙会社、石油製油所、火力発電所などでもボイラーの点検整備を担当し、県内外で実績を積み重ねています。

2018年度からはサーキット走行空撮サービス「スポチレーザ」を提供。伊藤さんは、「スポチレーザという名前はイタリア語のスポルト（スポーツ）、チエロ（空）、リプレーザ（撮影）を合わせた造語です。スポチレーザを通して、モータースポーツの楽しみや仲間の輪が広がることを究極の目標にしています」と話します。

今後はスポチレーザで培った空撮の技術を、工場などの新築の現場で活用できるサービスも手掛けたいと、意欲的な伊藤さん。「空撮では今まで誰も見たことがない映像を追求し、その活用方法もいろいろ考えていきたいですね。また本業のプラント・溶接事業では、社員の国家資格取得にも積極的に取り組み、技術力や労働単価のアップにつなげていきます。空撮とプラント・溶接事業の二本柱で、広島でなくてはならない存在の会社を目指します」（取材年月：2022年12月）

外からの視点で走りをチェックできる、サーキット走行空撮サービス「スポチレーザ」を提供

サーキット走行をドローンで撮影。客観的なデータを使って運転技術の上達をサポート

JAF公認のオートテストの空撮を担当。今後はYouTube専門チャンネルの開設やライブ配信も予定

「空撮とプラント・溶接事業の二本柱で、広島でなくてはならない存在の会社に」

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