設計から施工まですまいづくり提案のプロ
井手口耕三
Mybestpro Interview
設計から施工まですまいづくり提案のプロ
井手口耕三
#chapter1
「お客様に喜んでもらうことが目標です。そこに到達するまではどんな苦労もします」。大柄で堂々とした外見そのもの、自信に溢れた語り口で話すのはKIworks社長の井手口耕三さん。
同社は、建築設計・監理をメーンに、施工図作成やリフォーム工事などを幅広く手掛けています。企業理念は、「お客様の思いを大切にし、こだわりを形にする」「お客様のニーズにお応えできるよう努力を欠かさない」の2つ。理想の家づくりをするために、井手口さんは、とことんまで追求し勉強を続けます。
築80年、100坪を超える日本家屋を半年以上かけて全面リフォームした「上瀬野南の家」。お客様の希望は「将来、二世帯で同居できる家に」。若夫婦は、昔ながらの田舎づくりの家を好みません。一方、親世代は先祖代々のものを残したいという気持ちがあります。井手口さんは、柱や梁の修復をして昔の資材を活かしながら、新しいデザインを施しました。広々としたダイニングキッチンは小屋組みを生かすことで、部屋の高さを広げます。キッチンに併設した木のカウンターは、車いすのまま食事をすることを想定して高さや奥行を決めています。省エネ、耐震、最新の水まわりで快適性を追求しながら、木の温もりが感じられる和のくつろぎを実現しました。できるだけ広島県産の木材を使うなど随所に工夫を凝らし、「ひろしま住まいづくりコンクール2010」で特別賞を受賞しました。
一般住宅のほかに、サービス付き高齢者住宅や幼稚園・薬局などさまざまな業種の設計も行います。建物の使用の用途に合わせて可変できる提案など将来においての提案も行います。
「どんな出来上がりになるかは、図面や言葉だけではお客様にうまく伝わりません。玄関ホールや部屋など場所ごとにパースやCG(コンピューターグラフィックス)を作って説明します。イメージが湧きやすいので物件によっては10枚以上作ることも。お客様とのコミュニケーションはとても大切なんです」
#chapter2
井手口さんは一級建築士をはじめ、一級建築図面製作技能士など数多くの資格を持っています。2010年には「介護ヘルパー2級」も取得。高齢化を見据えた住まいを作るうえで介護の知識は不可欠だと考え、施設に入って3カ月間研修をしました。「例えば、手すりをつけるときに、この高さでいいらしいですよ、なんて無責任なことは言いたくありません。どの高さで、どんな風につけたらよいのか、介護現場の体験を生かしてお客様にわかりやすく説明することを心掛けています」
リフォームだけではなく、新築の場合も将来の介護のことまで考えた提案をするといいます。「寝室の隣にあえてトイレを配置し、いざというときに、壁を抜いてカーテンで仕切って行き来をラクにする―。右側に手すりをつけるのが標準仕様ですが、不自由になるのが左右どちらかはわかりません。どちら側の壁にも手すりをつけられる補強を行うなど、ノウハウがないと、そういう部屋はつくれません」
また、建築業界にとって後身を育てることも重要だと感じ、建築科の職業訓練指導員の免許を取得。次世代への教育にも熱意を傾けます。
#chapter3
井手口さんは、地元設計事務所に12年間勤務後、建築に加え福祉事業を行う会社を共同設立。2011年に自身が社長としてKIworksを立ち上げました。現在2つの会社の経営に携わっています。
プライベートでは、イベント関係の実行委員を数多くこなしています。2014年の秋は、「ちゅーピーまつり」で国際交流のブースを運営。同じ時期には実行委員会の一員として「ひろしま建築住宅フェスティバル」を開催するなど多忙な日々をおくります。催しやお祭りは、参加する側は楽しいものですが、準備する方は気苦労が絶えません。仕事を離れても、あえて責任を伴う活動をするのは、イベントに関わることが新しい発想の源になるからだといいます。建築もイベント運営も「みんなの思いをカタチにする」という部分は同じ。難しいからこそやりがいを感じるそうです。
事務所は、高台からの眺望が美しい広島市西区己斐上町の閑静な住宅街にあります。熱烈なカープファンを自認する井手口さん。事務所内にはカーブグッズやサインボールなどが飾られています。「年間指定席を持ってます。仲間と一緒に試合を見る企画も立てますよ。そこで新たな人脈ができることも」。カープの話題になると、少年のような笑顔になり話がつきません。
仕事もプライベートも「喜んでもらうために」が身上の井手口さん。永く快適に住み続けることができる魅力的な家づくりのために、今日も井手口さんは努力を惜しみません。
(取材年月:2014年10月)
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Profile
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井手口耕三プロ
一級建築士
株式会社 KIworks
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